【朝霞少女誘拐】女子中学生と寺内容疑者の証言で誘拐・監禁の全貌が明らかに。悪質な洗脳の手口も。初公判の内容
9月27日、2年間に渡り女子中学生を誘拐・監禁していた事件の初公判が行われました。
事件当初、少女は「単に家出していただけ」とか「寺内容疑者と恋愛関係にあったのでは」はたまた「寺内容疑者は女子中学生を養っていただけなのにかわいそう」など様々な憶測が言われていましたよね。
私は、事実が明らかにならない中であまりにひどい被害者の扱われ方だったので、こんな記事を書いています。
まだ明らかになってないことが多い中で、決め付けで被害者を非難するのってどうなの?という内容です。
時は経ち、いよいよ初公判が行われ監禁中なにが行われていたのか、どんなことをされていたのか、全貌が明らかになってきました。
果たしてネットで声高に叫ばれていた少女の悪女説、コントロールされていたのは寺内容疑者の方だったのでしょうか?
少なくとも本人たちの証言を知ることができますので、疑いを持って見ていた人は以下の公判内容を確認してみてください。
目次
寺内容疑者の証言
起訴内容について
寺内被告は誘拐は認めたが、監禁致傷については「2年間にわたって監視していた意識はない」などと述べ、起訴内容を一部否認した。
まずこの「監視」という言葉を使って一部否認しているわけですが、ニュース等で「監禁」を否認している報道されることがあります。
どうやらこれは、大きな誤りがあるようです。
判例から寺内容疑者が行っていた手口は誘拐も監禁も認められることが明らかであることから、量刑を軽くするための発言と考えるのが妥当のようです。
つまり、誘拐も監禁致傷も認めるけど監禁に関しては「ずーっと見張っていたわけではなく物理的には緩いものだったからそこ考慮してね」と言ってるわけです。
ただ、これを聞くとやっぱり監視されてないなら逃げられるに決まってる。逃げられるのに逃げなかったのは、女子中学生に原因があるという声が聞こえてきそうですがそれは後に書きたいと思います。
また致傷に関してですが、これもよからぬデマが出る前に触れておきたいと思います。監禁によって重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたことでつけられているようです。あと自家製ドラックを食事に混ぜて食べさせていました。これによって被害者は体調不良に陥ったようです。これも関係しているかと思われます。
つまり、わいせつ罪に問われるようなことは、今回の事件では行われていなかったと考えられます。
犯行と洗脳。アサガオ種からLSDに似た作用の成分抽出し利用
寺内被告が過去の誘拐や監禁事件に関する本などを読み、「洗脳に強い関心を抱き、犯行のイメージを膨らませた」と指摘。誘拐した少女が脱出しないよう洗脳するため、「アサガオの種の成分を抽出してドラッグを作り、服用させた」とした。
(出典: Yahoo!ニュース)
「アサガオでそんなもの作れんのか」と感心してしまいそうですが、監禁を強化する手口としては非常に悪質性が高いということで容疑者にとって不利になることは間違いなさそうです。※なお、一般的なアサガオは、単なる下痢の作用がでるだけで同じような効能はないそうです。報道では具体的な名前は上がっていませんが、ネットではちょうせんアサガオが使われたのではと言われています。くれぐれも試してみようなどとは考えないでくださいね。
洗脳に関してはそれこそ問題があると思うのですが、どうやら法律で裁くことはできず、心理的に拘束し監禁を強化していたという扱いになるようです。
薬、親に捨てられたと繰り返し書かせるなど様々な方法で、少女をコントロールしていましたが、それ自体は罪として裁かれることはないようです。いまいち腑に落ちませんが、それが現在の法律の限界なんですね。
この時点で明らかな通り、冒頭にも書きましたが単なる家出とか、寺内容疑者と恋愛関係にあった、はたまた女子中学生を養っていたなんてことは、全くのデマだったわけです。明確な誘拐・監禁の意図があることが今回の初公判で明らかになりました。
洗脳いわゆるマインドコントロールの手法を紹介するハウツー本、洗脳をテーマにした映画・ドラマ・小説などを見たことがある方もいるとおもいます。また、洗脳を用いて女性を監禁し、自分の思うままにしていた事件も実際にありました。今回の犯行は、そういった事件の模倣犯だったということがわかりました。
いくら少女をコントロールする方法を知っていても、普通罪悪感などでブレーキがかかるものですが、容疑者には働かなかったのは残念ですね。
少女の供述内容
一度脱出していたことが明らかに
検察側が読み上げた少女の供述調書などによると、少女は2014年3月に連れ去られて約1カ月後、寺内被告の外出中に無施錠の玄関から逃げ出した。公園で女性ら2人に助けを求めたが「忙しいから無理」などと取り合ってもらえず、「絶望した。他人が怖いと感じるようになった」という。翌日からは外鍵をかけられて外に出られなくなった。
(出典:Yahoo!ニュース)
これを読むとやっぱり、逃げれたんじゃないかと考える人も多いかもしれません。ただ、事件当初の記事でも書いたのですが、誘拐事件を見るときには、誘拐された人間がどのような心理状態にになるのかということを知る必要があります。
誘拐された人間が、逃げることに失敗したときには、学習性無力感に陥る可能性があることを考慮しなければいけません。
初めて聞いた人もいると思うので一応引用しておきます。
学習性無力感とは、心理学における用語で、回避不能なストレスに長期的にさらされた人は、そのストレスから逃れようとしなくなるという状態を指す。
(出典:学習性無力感 (がくしゅうせいむりょくかん)とは【ピクシブ百科事典】)
私自身、どっかで聞いたことあるなという程度で、今回のような事件がおきない限り思い出すことのなかった言葉だとおもいます。
なんでもっと必死に逃げないんだと考えていた人たちは、きっとこのような可能性があるということ知らなかったのでしょう。だから女子中学生の行動を理解できなかったのだと思います。
こういった特殊な犯罪の被害者というのは、外から見ると理解できないような行動をとることがあります。過去の事件では、9年以上にわたり監禁されていたため犯人が捕まった後もその場にとどまりたいとを主張した被害者すらいました。また海外では、普通に外で働いたり別の誘拐事件を手伝っていたということもありました。
自分の知っている知識だけで判断しようとすると、事件当初のような思い込みを発信してしまいます。
散々デマを発信していた人たちは一体いまどんな気持ちでこの事件の全容を見てるんだと正直不快な気持ちでいっぱいです。
非常にショッキングではありますが、過去の事件を見れば学習性無力感というものがどういうものなのかわかりますので、気になる方は下の事件をチェックしてみてください。
寺内容疑者への女子中学生の思い
一方で、15年1月ごろ、閲覧制限がかかっていないパソコンの使用を許され、自分の名を検索して両親が捜していることを知り、「絶対逃げよう」と思うようになった。今年3月27日に逃げ出した際は、日曜日で自宅に家族がいると思い、勇気を振り絞ったという。被告に対しては「一生(刑務所から)出てこないでほしい」と求めている。
(出典:Yahoo!ニュース)
「一生(刑務所から)出てこないでほしい」という内容を聞いた寺内容疑者は、薄笑いのような表情を浮かべていたことがわかっています。
この薄笑いというのが、何を意味しているんでしょうか。
これは、想像でしかありませんが監視してないという主張から考えると、女子中学生は嫌々自分といたわけではないと信じているのかもしれませんね。ただ、この点に関しても本当のところは本人にしかわからないし、裁判でも明らかになることがない部分なので一生誰も知ることはできないでしょう。
ただ少なくともこの言葉を聞いて、女子中学生が大学生にたいして恋愛感情があったから一緒にいたに違いないなんていうおかしなことを言っていた人たちは悔い改めた方がいいでしょう。