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映画『湯を沸かすほどの熱い愛』感想 中野量太監督天才かよ! 泣いて笑っての繰り返しが心地良くて感動【ネタバレ】

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(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

 宮沢りえオダギリジョー杉咲花が家族を演じる「湯を沸かすほどの熱い愛が本日10月29日に全国で公開されました。

監督・脚本は、今作が商業映画デビューとなる中野量太がつとめています。

そう!原作の映像化が多い中で、珍しく脚本も担当しかつデビュー作なんですよね。

そして、見た結果としては「この監督最高かよ!」と思いました。本当に!

『湯を沸かすほどの熱い愛』

正直、ちょっとダサいタイトルに聞こえます。声に出すと気恥ずかしくなる感じ。

例えるなら、思春期に母親の自転車の後ろに乗せられているような気分。

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(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

ただ、ちょっと恥ずかしいタイトルのこの作品は、間違いなく湯を沸かすほどの熱い愛の話でした。

ラストシーンもなかなかパンチが効いてて、終わりでしっかりとタイトルに帰ってくる感じ。すっきり物語が締めくくられていましたよね。

印象的なシーンが本当にたくさんあるし、ビックリさせられたところもあり過ぎる作品です。

ちょっと、とっちらかるかもしれませんが、この感動を皆さんと共有したいので、少しづつ感想を語っていきたいと思います。

※このあとの記事には、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評といった類のものではなく、感じたことをそのまま書き出しただけの寄せ集めのようなものです。見に来ていただいた方には、友人と映画を見終わった後にあーだこーだ言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

とにかく泣ける。泣かされる。

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(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

「また余命ものかよ〜。はいはい。」と思って、敬遠してる人にも絶対見に行って欲しいです。

正直なところ、あまのじゃくな私は「泣けるよ〜」とか周りで言ってるのを聞くと一気に冷めちゃう方です。

前評判やツイッターなんかを見て、その言葉を目にしてたので「出たよ」とかなり辟易しながらの鑑賞でした。

ただ、これだけは言わせてください。

「なっけるよ〜!笑」そして、自分だけでなく周りの人たちも、ビックリするくらい泣いてました。

映画を見ていて、顎から滴り落ちるほど涙が出たのは初めてです。

どこが泣けるかって、あり過ぎるんですよね。全部言うのは大変なので二つだけ。

私が好きなのは、まず安澄(杉咲花)がいじめに立ち向かうところ。

いじめの問題。普通はじっくり時間をかけるという選択肢もありますが、お母ちゃん(宮沢りえ)にはそれはできないので、心配しながらも突き放して立ち向かわせるしかありませんでした。

そんな中で、立ち向かう勇気なんか持っていない弱い安澄が、振り絞った勇気。

お母ちゃんの代わりに「頑張ったね」と抱きしめたくなったのは、私だけではないでしょう。やらしい意味なしで。いや本当に。

ただ、その勇気のぶつけ方が裸になって訴えるという。。。クラスメイトと一緒に「えー!」ですよ。笑)

ガンジーも青ざめるほどの非暴力・不服従。

お母ちゃんもまさかこんな形で勝負下着が使われるとは、思ってもいなかったでしょうに。

まあとにかく、お母ちゃんグッジョブ!結果オーライだ。

相手にバッチリ仕返しをして、スッキリ満足といかないのが現実ですもんね。

弱い人間のリアルとお母ちゃんの包み込む優しさ。

泣けます。

あとは、みんなあげるであろう人間ピラミッドにも触れないわけにはいかないでしょう。

お母ちゃんの周りには、どうにもどこか頼りない人ばかり集まります。

ゲス過ぎる父親である一浩(オダギリ・ジョー)もその一人で、女性関係に関しては完璧にどうしょうもない男です。性の喜びを知りやがって。許さんぞ。

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(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

けど、なんか憎めないところが悔しいですよね。

血の繋がっていない子供に対しても無償の愛を示してくれる双葉に、何かしてあげたいと思わずにいられない。

そこで一度は諦めたもののこだわったのが、新婚の時に約束したピラミッドを見せることでした。

木彫りで作ったスケールの小さいピラミッドを揶揄された父親が思いついたのは、これまたスケール感では全く敵わない人間ピラミッド

このシーン、バラバラ過ぎる家族がこれ以上ないくらいしっかり繋がって見えました。

押したらすぐ倒れそうにも見えたけど、お母ちゃんに「絶対倒れないでいてくれるはず」と思ってもらえるように、必死に積み上がっていました。

決して単なる組体操ではない「人間ピラミッド

これも泣けましたね〜。

なんなら「探偵のおっちゃんそこをどけ!俺が入る!」と言いたくなるくらには、感情移入しちゃってました。

木彫りのピラミッドはもちろん、本物のピラミッドよりも頑丈であって欲しいと心から思います。

設定は手垢つきまくりのやつ。それでも完全なオリジナル感!

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(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

振り返ると設定はどれも見たことがあるのに、全く新しいものを見てるとしか思えませんでした。

既視感は一切なく、あの作品に似てるなっていうのは思い浮かびませんし、考えてる暇もありませんでした。

「余命ものの映画でしょ?今までたくさんあったし、なんか見たことあるんだよなー。」なんて絶対言わせないという監督の決意が随所に感じられます。

伏線貼りまくりだし、ミスリードして見てしまうようになっているところもあり、話が進むたびにいちいち驚かされます。

全然飽きさせないという監督の決意がここにも感じられます。

正直、安澄まで血が繋がってないなんて、私は考えてもいませんでした。

旅行で伝えることというのは、当然病気であまり長く生きられないということだと思っていました。

しかも鈍感なので、耳の聞こえない店員、君江さん(篠原ゆき子)が出てきたところでも気付きませんでした。

なので、お母ちゃんが君江さんをぶったたいたところは「うそーん!どういうとこ?」と私の頭からは、クエスチョンマークが頭から飛び出していたと思います。笑

ちゃんと理由があって安心しました。「子供が尋ねてきたんだから気付けよ!」と。そういう意味だったんでしょうね。

そして、それは自分自身母親に置いていかれた境遇があり、実の母親なら「気付いてあげてほしい!」という強い思いもあったんだと思います。

ただ、確かに序盤「手話が分かる設定はいるのかな?」と思ったりはしたんですよね。「補聴器メーカーがスポンサーなのかな」とか一瞬よぎった私しね!

衝撃的なラストシーン

噂に聞いてた衝撃的なラストなんかもタイトルは「比喩表現じゃないのかよ!」とツッコミを入れたくなりました。笑

どう考えてもお母ちゃんの愛情の熱がハンパないのを銭湯にかけてるんだろうなと思いますよね。

現実なら色々問題が起きそうなところですが、この映画を見ていると「お母ちゃんの熱量ならお湯も沸かせますわな」と妙に納得してしまいます。

家族の姿を見て死にたくないと願ったお母ちゃんの想いを上手に汲み取ったラストだったんじゃないかと思います。

まとめ

泣けるシーンも伏線のシーンも一つ一つあげるときりがないのでほんの一部だけの感想となってしまいました。

いやー、一発で中野量太監督のファンになっちゃいました。前作の『チチを撮りに』も「泣ける!」と非常に評判がいいです。私は、月あたり350円のAmazonプライム会員になっており、タダで見れるので熱が冷めないうちに絶対見たいと思います!

いまなら30日間の無料体験でも見られる作品なので気になった方は、是非チェックしてみてください。

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あー、そういえばテーマが赤色の話とかも忘れてたな。

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(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

特に意味があるようには思えなかった好きな色が、ここまで最後まで綺麗に繋がってくるというのも、見ててものすごく気持ちよかったです。

山場が、全部山場でどれしょぼくない。

序盤からほろっと泣かせられて「これこのまま行ったら、失速しちゃうでしょうが」と思ったけど一気に駆け抜けて、終始振り回されっぱなしでした。

「ちょっともう下ろしてくれ〜」とジェットコースターに乗せられた気分がして、何度も心で叫んでました。

これぞ映画って感じです。私デミー賞最優秀作品で決まりだと思います!

あたありがちな原作を再現しようとして、変に抜け落ちたりおかしな設定ができたりもなし。

まあ、監督が脚本までやってるから当然なんですが。いきなり、脚本まで任されて監督なんてよっぽど抜きに出た才能が認められていたんでしょうね。

いろんな過不足が起きることなく「きっちり映画見たわ〜!」と思えたのは、これが初めてだったかもしれません。

いや〜。本当今日はこの映画を選んで良かったです。

あと、ラストにかかるきのこ帝国のエンディング。なんだきのこ帝国って。笑)

けど、ありがとう。素敵な余韻をたっぷり味合うことができました。CD買います!

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