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絵本『えんとつ町のプペル』感想 分業であることがバレ炎上?あまり先入観を持たずにレビューしてみた【ネタバレ】

有名なお笑い芸人であり、絵本作家としても活躍しているにしのあきひろ先生による『えんとつ町のプペル』が10月21日に発売されました。

アメトークなどのバラエティー番組でも取り上げられていたので、ご存知の方も多いのではないかと思います。ちょっと扱われ方がひどいですけど。笑

テレビでは、色々いじられてるけど「実際、作った作品ってどうなの?」と思い、先日早くもブックオフで半額になって置いてあったので買ってきました。

表紙を見て頂ければ分かると思いますが、すごく緻密で綺麗に描かれていて、これがちっちゃい子が集まるところに置いてあれば子供はごぞって手に取るんじゃないでしょうか?

少なくとも私は、ここまで絵に凝っている絵本は、見たことがないです。

内容に関しても子供が好きになる要素をたくさん詰め込んでおり、楽しんで見ることができるんじゃないかと思いました。

イムリーなお子さんがいるなら、買って上げると喜ばれることは、間違いないと思います。

ただ、レビューなんかを見てるとこれ以上ないってくらいフルボッコにされてしまっています。

さすが、炎上芸人と言われるだけありますね。笑

そこで、この記事ではにしのあきひろという人がどんな人物なのか、なんで炎上するのかにも触れつつ、絵本えんとつ町のプペルに関するレビューをしていきたいと思います。

そんなことより、今すぐ見てみたいという方は是非、絵本を手に入れてみてください!

※このあとの記事には、本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評といった類のものではなく、感じたことをそのまま書き出しただけの寄せ集めのようなものです。友達と感想を言い合う時のような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

読む前に知っておきたいこと

プロフィール

西野 亮廣は、日本のお笑い芸人、絵本作家。お笑い芸人としては本名の西野 亮廣名義で、漫才コンビキングコングのツッコミ、ネタ作り担当でとして活動。相方は梶原雄太。絵本作家としてのペンネームはにしの あきひろ。

wikipediaより)

絵本作家になった経緯

もともとは非常に売れっ子なお笑い芸人だったわけですが、ゴールデンタイムのレギュラー番組が無くなったことを機に、周りと違う活躍の場を求めるようになったそうです。

そんな中タモリさんにエッチな絵を描いて見せた際に、本気でやってみたらというアドバイスを貰い本格的に絵を描くようになりました。

テレビでは、我が強いのに大御所にはなびくといじられていて、確かにと笑ってしまいました。。。

分業による共同製作

西野さんは、前作を自分一人で書き上げていますが、今作に関しては色んなスペシャリストと共に作り上げています。

中には、制作側からみたら知らない人はいないという方も参加されているそうです。

お前の作品じゃないとの批判も多いようで、ご本人はこのように主張しています。

ただ、あるとき、「絵本は、どうして一人で作ることが常識になっちゃってるんだろう?」という疑問を持ちました。

たとえば、映画だと、監督さんがいて、助監督さわがいて、カメラマンさんがいて、脚本家さんがいて、照明さん、音響さん、メイクさん、美術さん、役者さん……いろんな人が、その人の得意技を持ち寄って、一つの作品を作ります。

ドラマも、バラティー番組も、漫画も、学校も、会社も全部そう。分業制です。
その方が「より良いモノ」ができるから。

出典:キングコング 西野 オフィシャルダイアリー Powered by LINE

映画なんかは監督の作品であることが多いので、確かになと思う部分があります。

正直、これが炎上芸人であるにしのさんじゃなかったらこんなツッコミ入らなかったんじゃないかと思います

えんとつ町プペルあらすじ

「信じぬくんだ。たとえひとりになっても。」

おはなし)
4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知 らない町がありました。
町はえんとつだらけ。
そこかしこから煙があがり、あたまのうえはモックモク。
朝から晩までモックモク。
えんとつの町に住 むひとは、くろい煙にとじこめられて、
あおい空をしりません。
かがやく星をしりません。
町はいま、ハロウィンまつりのまっただなか。 

出典:Amazon内容紹介

実際、読んで見てどうだったか

とにかく絵がきれい

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©AKIHIRO NISHINO,YOSHIMOTO KOGYO,GENTOSHA 2016

私は、漫画をよく読みますが、ここまで絵に拘って細かく描いている物はみたこがありません。まあ、週刊連載だから当然んですが。

登場するキャラクターなんかも個性が立ってて表情も豊かです。外国人風なんだけど、目が結構馴染みのある書き方で親しみやすい気がしますよね。

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©AKIHIRO NISHINO,YOSHIMOTO KOGYO,GENTOSHA 2016

風景も外国に見えて看板などは日本風で、異世界なんだけど現実と地続きな感じ。

なのでひょっとしたら、こんな世界が実際にあるのかもというリアル感があります。

自分が子供だったら、きっと喜んでページをめくっているんじゃないかなぁと思います。

実は、にしのさんって叩かれることが多いですが、こういったテイストの絵や表現に関しては、あまり批判されてはいませんよね。

実際に同じとこをできるか?と問われると絵に関わってこなかった人には、間違い無くできないレベルの表現力なんじゃないかと思います。

子供に教えたい人生訓がいっぱい

絵本というのは、子供が主なターゲットでこの本もそうだと思います。

絵本を読んで何を学び取れるかというのも、すごく大切な要素になってるんじゃないでしょうか。

そういう意味で考えるとこの絵本は、たくさんの人生訓が詰め込まれているのを感じることができます。

「見た目で物事を判断しちゃいけない。」「暴力に屈しちゃいけない。」「周りの意見に左右されずに自分の信じることを信じるべきだ。」

どれも普遍的なことで、子供には小さいうちから伝えたいことですよね。

この絵本を物語の主人公になったつもりで読んで、経験として追体験できたらすごく良い子に育つんじゃないでしょうか?

ちょっと既視感(パクリ感)のある設定

私のような大人が、特に色んな映画や漫画が好きな人間から見ると、既視感のある設定というのが非常に多いと感じます。

実際にレビューなんかを見ててもこの点に関する指摘が多いです。

一部を上げると、人ならざる者が虐げられる。父親が嘘つき呼ばわりされながら、死んでしまう。風船を使って大空へ。探続けていたものは、実は既に自分の近くに。

古典、ジブリピクサー、ディズニーetc

などなど、私が感じたものだけでもこれくらいはあります。

これらは、ある意味王道なのでどれも普遍的に扱われる設定・テーマでこれからも色んな作品の中で使われるものであると私は思います。

ただ、ちょっと色々あり過ぎるかな。笑)同じ設定を使うにしてもどれだけオリジナリティを出せるかということに拘っていれば、こういう批判の余地が生まれなかったかもしれません。

ただ、こういう視点ってあくまで大人の見方なんですよね。子供からすると面白いかどうか、興味が持てるかどうかという立場でしか見ていないかもしれません。

子供たちへの影響力次第では、これがオリジナルだと感じさせるとこもできる可能性があるんじゃないでしょうか。

ターゲットは?

ものを売り出す時は、必ずどの層を狙うのかということを考えますよね。

この絵本は、どのくらいの子供に向けて書かれてるんだろというのは、ちょっと気になりました。

幼稚園のくらいの子たちに見せる絵本であれば、絵は極力シンプルで親しみやすいものであることが多いです。

私が記憶に残ってるのは、腹ペコあおむしです。月曜から金曜まで色んな食べ物を食べていって、最終的には蝶々になるやつ。食べたものは、虫食い状に穴が開いておりそれにすごい興味を引かれた気がします。

みなさんも覚えている人がたくさんいるんじゃないでしょうか。

私がえんとつ町のプペルを楽しめるとしたら少なくとも幼稚園では、少し早い気がします。

かといって、小学生の高学年なんかになるとズッコケ3人組なんかの友達と無茶するような話が好きで、子供ながらにこの絵本はちっちゃい子向けだなと感じていたでしょう。

そう考えると、この絵本を楽しめる層が凄く薄いところを狙ってるような気がしてなりません。

いや、そんなことは全然考えてなくて、単に自分の好きな話を作っただけの可能性もあるんですが。この点は、ご本人じゃなきゃわかりませんね。笑

まとめ

嫌われ者の身?で、世に作品を出すというのはなかなか勇気のいることだと思います。

少なくとも絶対私にはできません。

どんなものを作っても叩かれるのは、分かりきってますしね。

なかなか図太いメンタルの持ち主であることは間違いないでしょう。

ことあるごとに叩かれているみたいですが、一体どんな内容がご本人に届いてるのかこちらからは見えないので、個人的にはなんか一人で勝手に暴れてるようにも見えてしまっています。笑

多分、エッジの効いた主張もどこからかきた攻撃に対する反論なんだと思いますが、影響力のない私には「なぜそんな攻撃に反応してしまうのか」とちょっと理解できない部分も多いです。

いや、まだ自分がその立場になって試されてないだけなのかもしれませんが。(こういう風に保険かけちゃう。笑)