【ネタバレ感想】『 ファイアパンチ 』3巻 復讐者編完結、そして救世主編・頗章 覆う男へ!
藤本タツキの新刊『ファイアパンチ』の第3巻が、12月2日に発売されました。
帯には『ワンパンマン』作者・ONEと村田雄介からの絶賛コメントもあるので、必見です。
第2巻では、復讐を果たすためにドマの元へ赴くアグニの前に、凶悪な祝福者たちが現れることを示唆して終わりました。
まずはじめに…「いやー、あのさー。面白過ぎでしょこの漫画!いや、本当に!藤本タツキ先生天才ですね」
ファイアパンチは、第1話に関して言えば文句無しで今まで読んできた中で一番面白い作品でした。
2巻でトガタが出てきた時はどうなるかと思いましたが、慣れれば思ったほど邪魔になりませんね。
内容としては、アグニを中心に描かれて内面描写、激しいアクション、そしてオチのつけ方とお見事としか言えない出来でしたよね。
それこそ、名作映画を観終わった後のような満足感がありました。
ちょうどきりの良いところなので、まだ見ていない人には是非3巻まで一気読みすることをオススメしたいです。
※このあとには、本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評といった類のものではなく、感じたことをそのまま書き出しただけで寄せ集めのようなものです。見に来ていただいた方には、友達に借りた漫画を返す時にあーだこーだ言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。
ネタバレ感想
カタルシスが…中途半端!笑
レビューなんかでは、カタルシスがあるなんてことも言われていたんですが、私は全然そうは思いませんでした。
本来、激戦の果てに妹の仇を打ってこそのカタルシスです。
まあ、精神が病んでしまったことから、その結末がないのは予想のうちでしたが…。
結果残念なことに、ドマはバトルはおろか死の瞬間すら描かれずに焼け死んでしまいました。
しかも、建物に火がついたのもキン肉マンにぶっ飛ばされたのが原因ですしね。笑
正直、これは盛大肩透かしですよ。トガタの盛り上げねばという意図も少しは納得できます。
ただ、この肩透かしの部分があったからこそ、次のシリーズへの期待感が膨らみました。
そして、もう一つ盛大な肩透かしはなんといっても、氷の魔女というのは単なる虚構で、実は氷河期に突入しただけという設定。
その設定そのものが虚構だったということが、氷の魔女の登場で明らかになりました。
いやー!楽しませてくれますね。見事にミスリードされてしまいました。
そして、そのミスリードも嫌な感じではなく、期待感が高まります。
この期待感こそが、漫画を面白くする一番のスパイスですからね。流石、トガタを登場させるだけあって分かってますね!
伏線が繋がって行く気持ち良さがハンパない
アグニという名前。これは、インドの炎を司る神の名です。
第1巻でアグニを神として崇める若干頭の弱いサン。
そのサンは第2巻で、絶望の中で敬虔な牧師の如く「救い」があることを布教してきました。
そして、第3巻でアグニは遂にトガタの謀略に屈せず、「奇跡」を起こして神になり、氷の神との対峙へ。
正直、第一話を見た時はアグニが本当に神になるなんてことは、考えていませんでした。
あくまで、炎をまとっているという繋がりからの命名だろうなっていう認識です。
それが、巻を追うごとに徐々に輪郭が見えてきて、最終話で画竜点睛の如く見事に描きりました。
人が神になる。このゴールに向かって進んできていたんだなと納得できる満足感がすごくて、めっちゃ幸せでした。
ある意味、これもカタルシスなのかもしれませんね。笑
主人公が「再生」の能力であることも納得です。
途中どこに向かって行くんだろうという不安もありましたが、見事にまとめてくれました。
ほとんど描かれてこなかった異能バトル大爆発!
本来、祝福には様々な種類があるということは分かっていました。
ただ、これまではほとんどバトルとしての描写がなく、あったとしても強化骨格を持つ再生能力者の肉弾戦ばかりでした。
正直物足りなかった。それが、最後の最後に大爆発しました。
これぞ異能バトルという激しいアクション。鉄を自由に操る男の宇宙に放り出してしまえという戦法には、なすすべ無しかと思いましたよね。
さらには、味方として心を読むことの出来る祝福者まで現れました。
次の章では、どんな能力が出てくるのか。めっちゃ楽しみです!
まとめ
もし仮に、壮絶な復讐劇を成し遂げていたら神にはなれず、ここで完結だったんでしょうか?
とにもかくにも、続編が見られるようなので、嬉しい限りです。
次巻からは、『頗章 覆う男』という新しいストーリーへと突入するようです。
頗というのも調べたところ覆う的な意味合いを持ちます。
まあ、普通に考えると服を着るということでしょうか?
ただ、この世界観のなかでもスーツ姿は、本来ピリッとした格好のはずなのに滑稽に見えてしまいますよね。笑
そこらへんも気になって仕方ありません。
なお、少年ジャンプ+にてこの巻の続きになる29話、30話を配信しているそうです。
これを機に連載を追いたいひとは、是非!