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『秋の鹿は笛に寄る』ネタバレ感想/ゆるふわ女子との恋愛は天国か地獄か?!

漫画『秋の鹿は笛に寄る』(集英社)の作品情報(試し読み)、あらすじ(ネタバレあり)、感想を書いてみました。

最近、暇な時間が多く漫画を読み漁っております。今までは有名タイトルだけしか読まずにきたのですが、発掘すればまだまだたくさん面白い漫画はたくさんありますね。この作品もそんななかで見つけた一つです。感想を書いてみたので良かったら読んでみてくださいね。

作品情報(試し読み)

作者

きづきあきら/サトウナンキ

あらすじ

新社会人として働き始めた鹿島健琉には、同棲中の彼女・諏訪茉莉がいる。結婚を前提とした二人の付き合いは、順風満帆かと思われた。

しかしある日、健琉に同期のゆるふわ女子・春日凪が急接近。ゆるふわ女子との奇妙な恋愛関係は、果たして天国か地獄か?!

感想

いきなりですが豆知識から!

「秋の鹿は笛に寄る」とはなんのこっちゃってところですが、これは恋愛にまつわることわざってことみたいです。

秋の鹿は笛に寄るとは、恋に溺れて身を滅ぼすことのたとえ。また、弱みにつけこまれて危険な目にあうことのたとえ。

趣のあるタイトルに思わず「いとをかし」と呟きたくなりますが、内容はかなり攻めているともも言えるし、社会問題の一側面を捉えているので深いなとも感じる不思議な漫画です。

正直、男目線から読むと典型的というか古典的。同僚のゆるふわ女子が特に大きな理由もなく急接近してくる!まあ、嫌いだって男はいない少年漫画からアニメにも通じる王道の展開ですよね。

しかし、本作は女性視点からも興味を持って読める漫画に仕上がっています。結婚自体が目的ではない奇妙な恋愛関係。バリキャリ女子を目指しつつシングルマザーとして生きていきたいという現代の女性的?な視点を盛り込んで描かれています。

なんかこんな感じの映画昔見た記憶があります。たしか、本編ではなく予告編だけみててすごく印象に残っていました。LGBTカップルと隣人の女性との話。タイトルは失念してしまったので、これだよって分かる方がいたら教えてください。

だとすると、結構前からこういった価値観は一部の女性たちの中にはあったのかな。

現代社会において自立した女性として生きようとしたら結婚はかえって重荷になるだけ…という現実が確かにあるんでしょうね。

夫婦揃って子供がいてという家族像だけが幸せだとは思わないけど、ひとりの男としてはそこに自分がいないとなると寂しい気もします・・・。こう感じた自分はもう既に本作で言う所の笛による秋の鹿になってるのかもしれません(笑)

まあ、内容はそんなところとして、表紙で嬉しそうに微笑んでいる女の子。これを見る限りでは幸せなひとときが描かれそうに見えるんですよね。しかし、内容はドキッとして冷や汗が出てくるような漫画になっています。

レビューなんかを覗いて見るとかなり女性評が多くて、どちらかと言うと女性の方が楽しんで読める漫画になってるのかもしれません。