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映画『僕らのごはんは明日で待ってる』感想 この映画が好きだ!と誰かに伝えたくなる

1月7日より全国公開している映画『僕らのごはんは明日で待ってる/ぼくごは』の感想レビューを書いています。今年、3作目の劇場鑑賞作品になります!

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さてー!

たそがれてるやつは大体友達!立川あつです。

いきなりですが、どういうことでしょうか?

一応、成人の日で休日のはずなのですが、劇場に着いてビックリ。

完全に1人…。私しかいない状態での鑑賞となりました。笑

確かに、レイトショーということもありましたし、しょうがないところもあるんでしょうか。

なんだか、非常に寂しかった…というのは嘘で、すごくのびのび観ることができました!笑

年に何度もないでしょうしね、映画館をひとりじめ!

ホームシアターのように完全に寛いで観られるというなかなか良い体験でした。

さて、個人的には良かったのですが、客入り的には不人気を思わせる今作。

個人的には、めちゃくちゃ刺さりました!この映画大好きです!

映画の言葉を借りると誰かに伝えたくなりました!だから、とりあえずこのブログにたどり着いたあなたに伝えます。笑

私はこの映画大好きです!

実は、ジャニーズの方が主演ということもあり、アイドルに役者経験を積ませる的な役割の映画かなと思って直前まで観るかどうか迷っていた作品でした。

結果、観にいって良かったです。本当に。

私のように劇場に足を運ぶか迷っている方にも是非おすすめしたい映画です。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で分かる個人的なハイライト

  • 米袋のなかで告白する上村さん萌え
  • 自分から足の上に座りにくるえみりちゃん萌え
  • 卒業式にも行かずたそがれてる時に、訪ねてきて差し入れしてくれる塚原萌え

うるキュンだけじゃない!これは、処方箋映画だ!

そう。

これは、恋愛映画の皮を被っていますが、実体は違いました。

たそがれがちに生きてきた男のコンプレックスを溶かす処方箋映画になっています。

原作者や監督が意識していたかどうかは、定かではありません。

いや、全然そんなつもりなかったんじゃないかと思いますが、自分のなかでは確かにコチコチに固まったコンプレックスが溶け出していくのを感じました。

というのも、この主人公は私自身がこんな人たちと出会いたかったという登場人物に巡り会えているからです。

自分が出会えなかった人たちに出会えているような気持ちになって、救われるような気がしました。

主人公の葉山は、死にゆく兄を見てきたショック。そして、兄が亡くなった時やっと解放されたと思ってしまった自分への自己嫌悪から、人がたくさん死ぬ小説を読みながらたそがれるようになってしまいます。

ほとんどこの状況は、不可抗力といって良いケースです。ただそうでなくても、色んな事情で葉山のように一人誰とも関わらずたそがれて生きている人はたくさんいて、自分もそんな一人です。

そんなやつが出会いたいと心で願っているのが、今作に出てくる3人です。

たそがれている中でもズケズケと踏み込んでくる恋人・上村小春。

自分以上に自分のことをわかってくれる友人・塚原。

頼んでいないのに自分から足の上に乗ってきてくれるかわいい系彼女のえみり。

誰に嫌われても構わんよ!ふんっ!って感じの男というのは、内心では自分が動かなくても向こうから積極的に絡んできてくれる。そんな都合の良い存在がいてくれたらなと、恥ずかしいことを考えているものです。

って、完全に個人的な感情ですけど。笑

とにかく私は、冒頭のたそがれて教室で空を眺めているところからこれは好きかもと思ったし、上村さんが誰もやりたがらない米袋に入ってジャンプするレースに誘ってきた瞬間にはもう完全にこれは好きな映画だと確信していました。

おまけに、葉山が暗いため誰もペアを組みたがらないから、私が一緒にやってあげるんだからね!なんていうのは、完全にどストライクなキャラクターです。

そして、イエスというあだ名を付けたであろう大学の友人・塚原もそうですね。ちょっと軽いところがあって、誰にでも好かれて、友人の多い博愛主義的な男。

これもまた、友人が少ないたそがれがちな男が妄想する友人像なんです。

そして、言うまでもないですがいかにも女の子らしくてかわいい系のえみり。料理も上手で客観的にはこっちのタイプの方がモテるでしょう。

あれもしてくれる、これもしてくれる。至れり尽くせりの女の子。

これも完全に妄想の具現化です。

ただ、どっちを選ぶかといことでいうと上村さんなんですよね。

これは、ドラクエビアンカを選ぶかフローラを選ぶか問題で、男ならほぼまあ違いなくビアンカを選ぶということに似ています。

伝わるかな…。男なら分かりますよね?笑)

といっても本来こういったキャラ設定は、ルサンチマンとコンプレックスを抱えて身動きが取れなくなっているようなどうしようもない男の妄想からでてくるものです。←自分のこと。

なのに、原作者の方は女性なんですよね。びっくりしました。この方知らなかったのですが、原作小説絶対チェックしたいと思います。

そして、なによりも主人公の葉山そのものも、なりたい自分の姿でもあります。

最後、殻をやぶって元気付けるためにカーネル像を運んでいきました。それこそ日本国憲法を破る勢いで。正確には憲法じゃないですけどw

自分は、主人公に完全に感情移入していたので、やりきったという妙な達成感がありました。笑

ひたすら落ち込んで、たそがれているだけじゃなく、本当は正直に思いを伝えられるようになりたいんです。

引っ張られてるだけじゃなくて、大切な人がいれば主体的に守ってあげたいんです。

。。。といったことを主人公になりきって実際にやった気になになって救われる。そんな処方箋のような映画でした!

うるキュンと女子向けを謳ってたけど、ちょっと控えめだった?

正直、この点が少し心配でした。いかにも女子向けなキュンキュンシーンの連続だとアラサーのおじさんには耐え切れないものがあるからです。

ただ、この映画では、流行りの壁ドン、顎クイなどの流行りものは封印していた印象です。

告白シーンも米袋のなか。

抱き合うシーンでいつもフライドチキンの油に邪魔される。

思いをぶちまけるのもカーネルサンダースと一緒。

あるとしたら、静電気が苦手だと話すところの後ろからのハグとラストの食事前のキスでしょうか。

まぁ、全然微笑ましく見れるレベルで、全然心配は杞憂に終わりました。なので、ジャニーズの中島くんを見に来た人たちにとっては逆に物足りなさがあったかもしれません。

というか、なんどもいいますがキャラクター設定が男向けなんですよね。やっぱり、そこらへん女性視点だとどう見えていたのかが、逆に気になるくらいです。

印象的なセリフもたっぷり!

全体的にというかほとんどが、会話劇を中心とした作品なので印象的なセリフもたくさんありました。

好きになるのが怖いんだというシーン。おばあちゃんに見られちゃう間の悪さは置いておいてすごく印象に残っています。

美味しいハンバーグを食べるとして、なくなっちゃうなら最初からない方が良かったと思う感じ。正直めちゃくちゃ共感できるんです。笑

良いことがあった後って、その分跳ね返りでなんか寂しさみたいなのを感じちゃうですよね。

恋人を作ることもそう。仮に、新木ちゃんのような子に好かれて告白されたとしても、それを素直に喜んで受け入れるなんてことやっぱり、自分にもできないと思います。←ありえなすぎる仮定だけどw

終わりを想像すると今の幸せなんてない方がいいかも。そういう主人公の感性も感情移入できた理由だと思います。

あと、片桐はいりさん演じる同じ病室のおばさんの言葉にも身につまされるものがありました。

生きてることが恥ずかしいことなんだから、とことん青くなりなよと!

確かにそうかもしれないと思います。

自分を含め恥ずかしくないような生き方をしてない人なんてそうそういないのかなの。

私自身は、恥ずかしくならないように、恥をかかないようにそんなことを過剰な自意識の中で考えながら生きている感じです。ただ、ちょっと俯瞰で見てみるとそれ自体もなかなか恥ずかしい生き方のような気がしています。

同じような生き方なら、とことん青くなる機会があっても良かったのかなと。

いまさら、そんなことを考えさせられました。

まだまだ、たくさんでてきそうなんですがこのくらいにしておきます。笑

探偵小説が出てくるだけあって、伏線がいっぱい!

この映画の中には、探偵小説のタイトルが結構いっぱい出てきました。原作者の方は、結構そういった類の小説が好きなんでしょうか。

それとも監督の演出かわかりませんが、一つ一つのシーンに出てくるアイテム、単語、シーンが後に色んな形で繋がっていくのには、驚かせれました。

ミステリーでもサスペンスでもないので、正直伏線ありきでストーリーを追っていなかったので、話が進むごとに新鮮な気づきがありました。

望遠鏡を覗く屋上デート。

涙を流す時の話。

元気がもらえるというカーネルおじさんとの握手。

兄との食べること飲むことの話。

細かいのをあげるとポカリもそうだし、フライドチキンを食べた後の手の演出なんかもそうですね。

上げ始めるとキリがないくらい伏線だらけのストーリー展開なんです。おそらく、私が気付いていないだけで、他にもたくさんあると思います。

話のジャンル的に伏線てきな演出が必ずしも重要ではないとは思います。

ただ、比較的淡々と進む二時間にわたる会話劇なので、観客を飽きさせない工夫がふんだんに詰め込まれていたんじゃないでしょうか。

実際、私はあっという間に時間が過ぎた気がしました。笑

ちょっと話は違いますが、ところどころにスポンサーの影が見え隠れしたのは気になりましたよね。笑

ポカリにKFCにガスト。ちょっと小腹が空いた状態での鑑賞だったので、軽い飯テロでした。

ただ、この点はある程度仕方ない部分もありますよね。上でも書きましたが会話劇が淡々と二時間続く映画はテレビドラマなら絶対成立しません。

CM前にチャンネルを変えさせない無意味な盛り上げや、壁ドンが代わりに必要になってくるでしょう。

そうなるとスポンサーを抱え込まないとこういった映画はできないのかもしれませんし。

と分析してみたものの、全然映画界の実情は詳しくないので、まと外れかもですが。笑

まとめ

個人的には非常に心に残る映画でしたが、他の人はどうかというとどこか感情移入するポイントがないと厳しい評価をする人もいるかもしれません。

私の場合、今作に関してはかなり偏った見方をしているはずです。イケメンっぷりやかわいさにも、もっと触れなきゃいけないのかもしれません。

一般的には、7年越しで愛を誓い合うほっこりラブストーリーという見方になるんだと思います。

ただ、映画の見方・解釈は人それぞれと言いますし、そこらへんは大目に見ていただけるとありがたいです。笑

それでは、最後まで読んでいただいた方はありがとうございました。

なにか、気になったことやここでは書いていない見方をしてる人などいたら、なんでもいいので是非コメント残していってくださいね!