映画『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』感想/ネクロシス作戦はローグワンの戦闘を越えたかもしれない
劇場版のアニメ映画3部作『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の第1部。テレビシリーズの物語を新作映像を交えすべてのセリフの再構築した作品です。
さてー!一番好きなアニメキャラがチャールズ・ビームスの立川あつです。
季節の変わり目的な天候のせいか正直鼻水がではじめ頭がボーっとしてしまっています。ただ、この作品には結構思い入れがあるので重くなった体を引きずって公開初日朝1の回に見てきました。
はっきりいって完全に自分得の映画になっていました。
- 序盤に繰り広げられるサマーオブラブに至る戦闘
- ストーリーの中心として描かれる家族愛
- 音楽カルチャーとの融合
とにかく全部良かったんですよ!満点です!自分の中では!
自分の中ではというのは、おそらく皆さんも見てるであろうフィルマークスでの評価があまり芳しくないようだからですね(⌒-⌒; )
「何がダメだったんだよ・・・」
なんて文句を言っても仕方ないですね( ´ ▽ ` )ノ
ということで、この後ではネタバレありありで自分が好きなところとか、なんで評価が芳しくないのかとか自分の思うところを書いていきたいと思います!
「これどうやって楽しむものなの?」と疑問に思って訪れた方は暇つぶしついでに覗いていってください。
※これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評の類ではなく思ったことをそのまま書き出しています。映画鑑賞後に友達とあーだこーだ言い合うような軽い気持ちで読んでもらえると嬉しいです。
感想/レビュー(ネタバレあり)
「ファースト・サマー・オブ・ラブ」に至る戦闘が完全にローグワン
確かテレビシリーズでは「ファースト・サマー・オブ・ラブ」という出来事があったみたいな感じで詳細については触れられてないんでしたっけ。
その経緯と結末そしてそこに至る戦闘が冒頭20分くらいで描かれたわけですが、これが大迫力で半端なかった。いやマジで。
去年の今頃だったかな?スターウォーズのローグワンを見に言ったんですがそのラストの戦闘を彷彿とさせるような陸・空・宇宙にまで至る大決戦。これは見なきゃ損ですよ。〜だったら人生の半分損してるよってタイプのやつ。
物語の原点って意味でも似てるんでしょうか。ひょっとしたら影響受けたりしてるのかな。
自ら立案したコーラリアン殲滅作戦を阻止しようとして結果起きたのが「ファースト・サマー・オブ・ラブ」だったという話だったのですが、正直ストーリーが頭に入ってこないくらい終始圧倒されていました♪( ´θ`)ノ
シルバーボックスとかいう奇妙すぎる弾頭?もそうだし、指令クラスターの動物なのか植物なのかわからない禍々しさとか同じエウレカセブンを見ている気がしないというのが正直な印象でした。
そのせいかアドロックが何に気づいて人殺しまで犯して殺人を阻止しようとしたのか。結局、わからず仕舞いで終わってしまい謎が残されたままです。(ちなみにパンフレットでは時系列でのストーリー展開、詳細な設定など明らかにされています。そこで知ったのですがやはりアドロックの真意は謎のままストーリーは続いているようです。また、アドロックが見た景色がどういう現象だったのかも一応の説明が付いてます。)
家族愛と考えさせられるエピソード
「ファースト・サマー・オブ・ラブ」以降の話は時系列がぐちゃぐちゃのモノローグ形式になっていました。これがテレビシリーズを見ていない人には混乱のもとだったかもしれませんね。
ただ、安心してください。私も思いっきり混乱していましたので( ;´Д`)
というのも、キャラクターや断片的な描写は引き継いでいるからこそミスリードされてしまうっていうのもあるみたいです。
レイブっていうんですかね。野外で音楽ライブをやってる時にチャールズがレントンを見つけるシーン。これはテレビシリーズでは、ビームス夫妻とレントンの出会いのシーンでしたしね。映像的には一緒なのに展開が全然違うのでかえって混乱しました。
私はこの回からしばらくのエピソード10回くらい見返しているので・・・。しかも、探してるのにレイブには参加するのかよと。笑
正直、寄せたが為にちょっと違和感すらある流れな気がします。ただそれでもやっぱり、このビームス夫妻とのエピソードが好きな私としては嬉しかったですけどね。
テレビシリーズの方については話すと長くなるので言わないですけど、とにかくこの二人が出てきてくれて嬉しく感じたのは私だけじゃないはず。
そして、レントンがこの二人と過ごす時間に起きるエピソードってのがまた深いんですよね。そして私がこの映画での泣けたシーンもここでした。
ボダラク教の信者が同宗教の過激派によって起こされたテロによって迫害のような境遇に置かれる、そしてそれを解決する為に奔走するエピソード。今の時代に起きうる悲劇を描いていますが、この点に関しては10年以上前の原作アニメとほぼ同じ内容です。
人工呼吸器を外したら死んでしまう少女に対して、宗教的価値観に準じて死を選ぶのが幸せなのか、難しくても最後まで生きられる可能性にかけるのか・・・
見方によって正しさとか善悪ってのが全く違うという根源的な人類の問題を描いています。こういう状況に対して、価値観がはっきりとしていればこっちだと答えられる人もいるんでしょうけど私は無理ですね。
相手の立場も理解できるし、そこまで自分の中に人の生き死にを決める確固とした価値観もありませんし。
やっぱり何度観て考えても深い。そして答えが出ない・・・
結果、レントンは最後まで生きられる可能性にかけて別の病院を目指すことになるわけですが、それが原因で少女は聖地にたどり着く前に息をひきとる事になりました。
これは両親の立場からするとブン殴ってもいいような場面に思えるのですが、宗教的寛容なのか逆にレントンに対して感謝の意すら示します。
私はここで完全に涙腺が決壊です( ; ; )本来、相手に憎まれるべきところで優しを示されるというシーンはまあ泣けてきます。
これは私の個人的な体験でもあるのですが、なぜか泣ける。一体どういう心のメカニズムが働くのかわかりませんがとにかく泣けるんです。
この後のチャールズ夫妻とのコミュニケーションに関してもそれですね。怒られてもおかしくない場面でむしろご馳走を用意され「パパママ」と呼んでみないかというやりとり。
ほっこりせざるをえない一方で、時系列がバラバラでチャールズ夫妻との別れが決まっている結論から始まっている為、切ないシーンでもありました。
「ここでしっかり言わないとこの後はないんだよな」と
私はこういうモノローグ形式でのとても上手な見せ方だと思いました。
音楽との融合がやっぱり心地良い
エウレカセブンと言えばなんといっても音楽が印象的な作品です。OPEDが素晴らしかっただけでなく、アニメの世界観やストーリーの中にしっかり音楽カルチャーが生きてる作品でした。
個人的な事を言うといまだに一期のEDの「秘密基地」は頻繁に聞いていたりします。まあ、一期に限らず全部のOPEDがかなりの良曲なんですけど特にはこれが一番ノスタルジックな気分に浸れて好きです。
今作の劇場版でもそれが遺憾なく発揮されていましたよね。というか完全にストーリーの核に絡んでくる形で音楽が組み込まれていましたし。例のシルバーボックスは完全にライブ会場型の言ってみれば音楽兵器?みたいでした。
それにもちろん尾崎裕哉が歌うED曲「Glory Days(10.04発売SEIZE THE DAYの一曲)」も最高でした。本編が終わってこの曲が流れ出した時は思わず拍手したくなるほど。歌い方や曲調は全然違いますが、それでもどこかお父さんの尾崎豊さんの影を感じるような歌声をしている気がしました。
最近は劇場で公開される映画のメインテーマがyoutubeで聞けるようになってるのも良い仕事しますよね。劇場に行くのが楽しみになるし、聞いていた曲が流れ出す瞬間にもある種のカタルシスを感じます。
ただ、これは間違いなくマーケティング戦略なんでしょうね。公開中はフルで流してまた聞きたいと観客に思わせる。そして、サントラやら音源を買ってもらうって感じでしょうか。私の場合はまんまにその術中にはまってしまいそうです・・・
まとめ
さて、どこらへんが楽しめたのか伝わったでしょうか。
フィルマークスでの評価をもう一度確認しにいきましたが残念ながら、評価はあがっていませんでした・・・面白いと思うんだけどな。ちなみに私は⭐️5を付けています!
せっかくパチスロ・パチンコに身売りして資金調達しているので、三部作が途中で頓挫なんてことは勘弁して欲しいものです。
エウレカセブンはこれ以前にも劇場版や別のテレビアニメ『エウレカセブンAO』も作られている作品です。私は、こちらに関しては劇場版はレンタルで観たけど寝てしまい、AOに関してはあまりにも世界観が違いすぎて2、3話で切ってしまいましたm(_ _)m
ただ、次回作まで一年あるんですよ。
「長い・・・あまりに長い・・・」
ということでもう一度、劇場版やテレビアニメ(AOも含めて)時間がある時に見返して行こうかなと考えている次第です。
みなさんも次回作まで時間があるので、復習しつつ気長に待ってみてはいかがでしょうか。