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酷評『新宿スワンII』感想/俳優の無駄遣いと無駄な喧嘩に激おこ!

1月21日に公開された新宿スワンの感想をまとめています。今年8作品目の劇場鑑賞になります。

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さてー!

ハードボイルド大好き立川あつです。

大人気漫画の実写映画化第2弾として話題の新宿スワン

私は、ヤンマガを購読していた時に連載を追って読んでいたことのある漫画です。

けど、それもはるか昔の話。うっすらとキャラを覚えているくらいの事前知識しかありませんでした。

ただ、映画化というのは原作と別物。

初見の方にも分かりやく作られることが多いので、あまり気にせずに鑑賞してきました!

意気揚々と観たのですが、結果的には正直言ってストーリーから置いて行かれた感があります。

お恥ずかしい!笑

ということでこれから観に行く方には、原作を振り返って置くことをお勧めします!

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これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

ハイライト

主人公・白鳥龍彦は、歌舞伎町という裏社会を舞台にスカウト会社「新宿バースト」で確かな地位を確立していました。渋谷への進出ができない中で勢力拡大を図る社長・山城神の命により、龍彦は幹部の関玄介と共に横浜へ送り込まれる。

しかしそこは、滝正樹が牛耳る難攻不落の王国。激しい暴力での潰し合いを覚悟して乗り込むも、警察との癒着により圧倒的に不利な戦いを強いられる龍彦たち。さらに、ケツ持ちのヤクザとの裏取引にまで踏み込む滝の策により、後ろ盾を失い窮地に陥った新宿バーストは、龍彦の破門で事態を回避しようとする。

そして新宿と横浜は全面戦争へ突入していく。

ネタバレ感想 酷評

ストーリーについていけなかった…

この点に関しては、私自身にも問題があるのですが、正直内容があまり頭に入って来なかったです。

というのも、まずスカウトという存在が良く分からない。

確かに、一時期繁華街を歩くとスカウトに当たるという時代があったような気がします。

ただ、それも今は昔のはなし。

現在は、いわゆるぼったくりの飲み屋や風俗の客引きくらいしか見かけないですよね。

なので、龍彦のように歌舞伎町で信頼を得て、街を歩けば声をかけられるという存在感にあまりにも現実感がありませんでした。

さらに、スカウトという仕事を取り巻く裏社会の内情についてはさらに謎。

ヤクザのケツ持ちがたり、ライバル会社との軋轢、抗争、権力争い。

そこら辺の事情というのは、いわゆる任侠の世界とも違うし、会社の出世争いとも違う。

スカウト界隈の事前知識なんてものはほとんどないですし、独特なヤクザとも普通の企業とも違う立ち位置に対する理解がなかなか難しいものがありました。

正直、ヤクザと私企業の板挟みなるような業界が今作のように羽振りの良い華やかな存在になり得るはずがないですしね。

このように業界の裏側に対する理解が不足していたり、設定に違和感を感じてしまうと、どうしてもストーリーを必死に追いかけて、楽しむということが私にはできませんでした。

途中から、頭の中で整理する事すら放棄してしまいましたしね。笑

ただ、原作を知っていたらまた違う見方をする事ができるんじゃないかと思います。

複雑な関係性、登場人物のキャラクターなどあらかじめ頭に入っていれば、スッと世界観に入っていけるんでしょうね。

映画化される作品ってある程度一般化されて観やすくなるイメージがあったのですが、思ってたほど初見の観客に優しくはなかったなというのが本音です。

広瀬アリスのムチムチ感は良いけど…

妹が女優として大活躍しているので、容姿が似ていることも含めどうしても重ねて観てしまいますね。

やや、姉アリスの方がムチっとしていて個人的には好きです。笑

ただ、今作で演じていたキャラクターは正直今作に必要だったのか?というレベルで謎です。

今作の主軸は、関VS滝、白鳥と洋介の関係がメインでした。

映画の都合上ヒロインが必要だからという理由で捻じ込まれたとしか思えないくらいメインのストーリーには絡んで来ませんでした。

しかも、キャラ設定と容姿があまりにもかけ離れていたなという印象。

広瀬アリスさん自体は、言うまでもなくモデルもしっかりこなす美形の女性です。

ただ、今作のマユミはちょっと頭の弱い感じの子なんですよね。信じてたら空も飛べるんだよと言っちゃうくらい。

ピュアなんだけど、頭のネジが一本抜けてるのかなと思わせる天然キャラ。

自分で橋から飛び降りておきながら、助けられて泣き出しちゃうというのもそうですね。

借金も闇金から借りていて、しっかり働くようになったのに元金が増えている始末。

全然、見た目とキャラが釣り合っていませんでした。

というか、この彼女との一連のエピソード必要でした?笑

何か、伏線として後から絡んでくるということもなかったと思います。

男と男のぶつかり合いばかりのハードボイルドな世界観に迷い込んでしまったような意味のない絡みの連続に違和感しか感じませんでした。

コンテストのダンスシーンもなんで、あの踊りが評価されるのかさっぱり。

自信満々の女性陣の中で、スレてないピュアな動機からのパフォーマンスがウケたとも理解できますが、だとしたらもうちょっと説明が必要な気もします。

このよううな一連のシーンをもうちょっとストーリーの方に割いてくれていれば、映画の世界観に入っていけたんじゃないかと私は感じました。

まとめ

喧嘩に始まり、喧嘩に終わる。この血なまぐさい感じが好きな人には、十分飽きずに楽しめたとは思います。

ただ、やっぱりいかんせんストーリーが薄い。

滝と関の関係を掘り下げるんでも、龍彦と洋介のシャブをめぐるシーンを増やすのでも、あるいはヒロインとの恋愛要素をがっつり描くのでもいいから、とにかくどこかに集中してほしかったです。

伊勢谷友介金子ノブアキ綾野剛浅野忠信など出演者は文句なしで豪華だし、一人一人のキャラクターも濃くて面白くなりそうなんだけどな…という残念感が非常に大きい作品でした。

園子温監督が得意な過激な暴力シーンは、確かに迫力満点だったのですがやっぱりストーリーに入り込めていないと単に消費されていくだけな気がしてなりませんでした。

原作は、超ロング連載の作品なのでまだまだ描ききれていないストーリーはたくさん残されているようです。

次回作に期待したいですね。新宿スワン3!待ってます!

おすすめ関連作品

園子温監督の作品は、その独特な世界観からファンもすごく多いですよね。もちろん、私もその一人です。

時効警察』というテレビドラマをやっていた頃から好きでした。

今作でも、期待感が高かったからこその酷評といった感じです。

中でも、『ヒミズ』なんかは特に園子温監督らしさが出ている非常に評価の高い作品で、おすすめです。

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