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ネタバレ感想 『屍囚獄(ししゅうごく)』が怖過ぎて泣いた!独特の風習を持つ限界集落の恐ろしい実態とは?【3行でわかるあらすじ】

室井まさねのサスペンスホラー漫画『屍囚獄(ししゅうごく)』は、コミック・ガンマにて大人気連載中の作品です。いわゆるクローズドサークル系で、ホラーが苦手な人は、絶対に見ない方が良いです。今回は、あらすじや登場人物、ネタバレを含む感想などをまとめています!

 

さてー!

年末年始で、バイオレンスホラー系の漫画を読み漁っている立川あつです。

漫画のホラー作品ってどうしてもB級感が避けられないんですけど、怖さや気持ち悪さの瞬発力が凄いですよね。

一度読み始めると止まらない中毒性があります。

内容としては、独特の風習を持つ限界集落に、女子大生が閉じ込められてしまうという設定で進行していきます。

正直、その設定だけでも嫌な予感がしてきますよね。

極限状態での恐怖や絶望が、意外な展開と共に描かれる良作で私は一気に読んでしまいました。

表紙からしてかなり恐怖を掻き立てられてしまいますが、テイストとしてはサスペンスホラーになっています。

登場人物が多いのですが、一人一人を覚える必要はありません。理由は単純で、映画のB級ホラーよろしく次々に消えていくからです。笑

誰が最初に消えるんだろう?と考えながらみるのも、この手のホラーの楽しみ方ですよね。私だけでしょうか?笑

本来、こういう見方しちゃダメなんですけど、ホラーならありかな…。

なので、怖がるという要素よりもドキドキ感を楽しむという感じのレビューで、そういった見方が反映されています。

その点、ご了承ください!

【作品情報】

  • 短編漫画『るべどの奇石』で評価の高い室井まさね先生の長期連載作品。
  • コミック・ガンマにて連載中で、現在第4巻まで発売中。

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登場人物

人が減っていくホラーの性質上あまり詳しい解説はいらないのですが、人物関係を把握してないと混乱することもあると思います。よそ者と村人側という対立で把握しておくとすんなりストーリーに入っていくことができるはずです。

よそ者

教授と女性の助手

葦原・香坂

女子大生6人

沙霧・美琴・比奈・さより・美耶・このは

村人側

村長と寝たきりの奥さん

野猿田彦・未智乃

二人の息子

貴彦・伊助

3行で分かるあらすじ

※面白さを損ねるような核心的なネタバレは避けながらあらすじをご紹介!

第1幕

50年間で一度も女児が生まれたことのないという閉鎖的な村に、教授と女子大生6人が研究旅行に訪れる。

6人は旧式の不便なトイレや、村人たちからの気味の悪い歓迎に戸惑うばかり。

そんな中、女子大生の比奈はウォシュレット付きのトイレを借りられる家を見つけて喜ぶが…。

第2幕

謎の仮面を被った男による村人の殺人を目撃した比奈は、沙霧を置き去りにして逃げ出してしまう。

突如降り出した大雨の中、比奈はなんとか村長の家にたどり着くが、さよりはタバコを買いに行かされたまま帰ってこれずにいた。

雨宿りをするさよりは、村人が穴を掘っているのを不審に思い覗いて驚愕することに。

第3幕

女性の遺体を目撃したさよりは、道に飛び出し迎えに来た教授の車に轢かれてしまう。

気を失ったさよりを車に乗せ病院に向かう教授だか、土砂崩れにより唯一の道が分断されていることを知る。

動転した教授が保身の為に良からぬことを思いついてしまったところに、新たな惨劇が起こる。

第4幕

沙霧が殺される悪夢から目覚めた比奈は、夢だと気づき安堵するも置き去りにされた恨みをぶつけられる。

一方さよりは、目の前での惨劇から命からがら逃げ出し村人に助けられるも、今度はその村人に襲われてしまう。

美琴は料理をしているところを無理矢理伊助に引っ張られて、寝たきりの母親の元に連れて行かれるが…。

第5幕

認知症だという伊助の母だけでなく、貴彦もこの村は異常だから逃げるべきだと言い脱出を試みる。

しかし、さよりを襲った村人に車で追突されクラッシュし、貴彦が村人を食い止める間に助手、さより、美耶の3人は小屋に逃げ込む。

助手が外の様子を見にいって2人きりになったところで、混乱しているさよりにある変化が起き始める。

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ネタバレ感想

閉鎖的な村は、やっぱり鉄板で不気味だ!怖過ぎる!

同じ日本なのに自分たちが当たり前だと思っている価値観が通用しない。そんな地域が、実際にあるということをたまにニュースでみることがあります。

土着の宗教だったり、信仰。あるいは、民族的な文化やお祭りなどこれって本当に同じ国の話なの?と思うことってありますよね。

あんまり具体的に言っちゃいけないのかもですが、閉鎖的過ぎてお医者さんですら追い出してしまう村があったりするようです。

だからこそ、日本では村を扱ったミステリーやホラーが鉄板設定として定着しているんでしょうね。

今作では、猿田彦など日本神話に登場する実際の神様がモチーフとして登場します。恥ずかしながら、ググってはじめて日本の神話に登場することを知りました。

天狗の原型にもなっている猿田彦。私にはどっからどう見ても天狗です。違いがわかりません。

ただ、何にせよ天狗って私たち日本人には本能的に畏怖の対象になっている気がします。

そんな、信仰がまだ残っている村。しかも、女性がここ何十年も生まれていないという設定ですからね。

そんなところに女子大生6人、女性の助手も合わせると7人一気に放り込まれるわけですからね。

これで、何も起こらなかったら正直詐欺でしょう。笑

誰が最初に殺されるか?

さてさて!

バイオレンスホラーの醍醐味、最初の犠牲者は誰か?これで、その作品の良し悪しが決まったりしますからね。

まず、私が目をつけていたのは、タバコをプカプカ吸って優等生的なさよりをパシリのように扱う美耶。

嫌ってほどのフラグをビンビン感じました。笑)海外のB級ホラーで例えるなら、イケイケで周りを小馬鹿にしているアメフトのクオーターバックチアリーダーカップルくらいの存在感。

これは、完全に直ぐ殺られちゃうやつですねと見ていたんですが、最初の犠牲者は意外でした。

村人と部外者という対立構造なので、ありがちな文法では被害者は部外者側になるはずなんですよ。ただ、この作品では女子大生を襲おうとした、村人A的な立ち位置の人が最初の犠牲者となります。

村人・殺す側、部外者・殺される側というのは成り立たなくなったわけですね。

多分、作者もホラー好きで鉄板は踏襲しつつも、単調にならないように工夫するということを意識してやってるんじゃないかとこの時点で感じていました。

こういう風に、意外性をしっかり最初に持ってくるあたりがこの作品の人気の秘密なんでしょうね。

そして、その意外性は私が目をつけていた美耶に対しても発揮されていました。第1巻のラストのシーンですね。

正直、美耶が序盤で消えるのは当然なんですよ。さよりをパシリにしていたのも、序盤で消すためのヘイトチャージのようなものです。笑

ただ、それが猿田彦のお面をかぶった殺人鬼ではなく、パシリにされていたさよりによって手をかけられるというのもホラーの文法から外れる意外な展開でした。

ぞくっとすると共に、嫌なやつをいじめらていた側の人間が殺すというカタルシスまで感じられる。

いやー!予想以上に瞬発力ありますね!第2巻を読まずにはいられません。笑)

まとめ

うずめという少女は一体誰なのか?なぜ、唯一の道路が寸断されてしまったのか?

そういった、明らかになっていない設定がたくさんあります。

そして、敵味方に関してもまだまだはっきりしていないので、いつ誰がどんな形で命を落とすのか全くわからない状態です。

この漫画山場は、まだまだ先になりそうですね。現在、第4巻まで発売されています。この手のホラーとしては異例の長さですね。

まだまだこの世界観が楽しめるようです。第2巻を購入しだいまたレビューしたいと思いますね!

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