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『てのひらに秘密をひとつ』ネタバレ・感想/第一話 恋に落ちるその日まで

不倫漫画『てのひらに秘密をひとつ』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

てのひらに秘密をひとつ 1 (フラワーコミックスアルファ)

作品情報(試し読み)

ダメ男ぶった切る痛快の短編オムニバス「ダメ恋」の著者・尾崎衣良の新刊漫画。姉系プチコミック小学館)にて掲載されている。「不倫」をテーマに、みずみずしく恋情を描ききる長編シリーズ。

comics.shogakukan.co.jp

あらすじ(ネタバレあり)

第一話 恋に落ちるその日まで

会社員の沙季は、後輩のフォローから残業の代わりまでなんでも引き受けるお人好しな性格。そのため、周りからはいつも慕われている。しかし、先輩の高野尾からは、「いい人はどうでもいい人扱いされているだけだ」と突き放した言い方をされてしまう。「自分のしたことは自分に帰ってくる」そう信じる沙季は、あくまで自分の考えを貫いて仕事に取り組んでいた。

そんなある日、同僚のマミからとある相談を持ちかけられる。それは、妻子持ちの彼氏との旅行に行くアリバイ工作として、沙季と一緒だったことにして欲しいというもの。そういった不適切な関係に肩を貸すことは出来ないし、マミのことを考えたら別れた方が良いと言い聞かせる沙季。相手のことを思って口にした言葉であったが、マミは「どうせ本気で人を好きになったことないでしょ」と突き放されてしまう。

その後、マミは会社で沙季の悪口を言いふらすようになる。単なる偽善者で自分にとって都合の良いことしか引き受けないと。それを偶然聞いてしまった沙季は、ショックを受ける。しかし、そこに高野尾が現れてその態度を徹底的に批判する。そんな高野尾に思わず自分が学生時代ハブられていたことを告白する沙季。慰めを期待していたわけではないが、そこでも高野尾は相変わらずで自信のない態度を批判されてしまう。

会社からの帰宅途中、沙季はかつての恋人と再開する。しかし、その恋人には妻子が持ちだった。友人には反対されていたが、その関係を断ち切ってでも一緒にいたいと思える本気の恋だったのだ…。

感想

 んー、なんか嫌。何が嫌って、自業自得の結果に如何に正当性を与えるかみたいなとってつけた設定がいっぱい出てくるから。不倫をテーマにしたものってそういうものが多いですよね。どこかで見た言葉ですが、「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」みたいな都合の良い解釈をされるものだったりするので、テーマ自体に結構抵抗感があります。

第一話では、お人好しの沙季が不倫をする友人を咎めたのは、実は自分が過去に痛い目に合っていたからだという内容。いや、だから最初からしなきゃいいんやって話なんだけど、まあ世の中には結婚を隠して女に近寄る不届きものがたくさんいますしね。現実では、はっきり言ってカラダだけ搾取されて、相手の男には感情なんてないんじゃないかと思われるんですが、優しい態度が伴っているとそれも恋愛になっちゃうのかなと。もやもやするし、どっちにも感情移入できない難しい漫画です。

ただ、マミのように狡猾で憎まれ役に徹したキャラクターがいたりで、グイグイ話に引き込まれて行くのは事実。高野尾もオネエなんじゃないかってくらいズバズバ周りの甘さを切っていく。その姿には痛快さすら感じます。「もっとやれ高野尾!」と心の中で応援していたのは私だけではないでしょう。良くも悪くも尾崎衣良テイストが存分に出ている本作。ファンじゃなくても必見です。