TOKYO ALONE

あんなことやこんなことをあなたに

『君に愛されて痛かった』ネタバレ・感想/第2話〜第3話 これがメンヘラの心の中か…心の中の罵詈雑言と自己嫌悪の闇が深すぎる件

メンヘラ漫画『君に愛されて痛かった』のあらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

前回までの『君に愛されて痛かった』の内容 

kracpot.hatenablog.com

あらすじ(ネタバレあり)

君に愛されて痛かった』は、下記のまんが王国』独占配信作品となっており、他では読めないみたいです。連載を追いたい人は是非。

>>無料試し読みはこちら

第2話「普通」

 かなえは見知らぬおじさんと援助交際をしていることをに見つかってしまう。そんなのは普通じゃないと咎められるもパニックに陥ったかなえは、暴言を吐いてその場を立ち去ってしまう。帰宅中の電車の中でもそれは収まらず「死ね死ね」と異常な言動を繰り返すありさま。無事帰宅するもそこでは親からも弟からも、疎ましがれ居場所はなかった。

 居場所がないと感じた時に訪れる公園で、偶然鳴海と出くわす。鳴海は、先輩に他人の原付きを無理やり買わされ持ち主にボコられていた。エンコーをしていることがバレるのが不安だと打ち明けるも、何か起きるまではじっとしているしかないと助言を受ける。それだけでなく、鳴海は何かあったらこの原付きで迎えに行くからと励ましてくれた。

翌日、学校に行くとどうやらエンコーのことはバレていないらしかった。しかし、友達からあの後寛とやっていたのではないかと疑われてしまう…。

第3話「願い」

「寛くんとエッチしたのか聞いてるんですけどォッ!?」友人の一花に詰め寄られるかなえ。普段出さない大声を出して否定することで、なんとか疑惑を払拭しようとする。しかし、確信を持てない一花は、かなえに寛と上手く付き合えるようサポートするように圧力をかける。

一花は、かなえと近くで遊んでいたという口実を作り寛を呼び出す。寛の顔を見たかなえは、援助交際咎められたことを思い出し心の中で「偽善者野郎」と罵る。しかし、コンビニに寄った寛が頼んでいないはずの飲み物を買ってきてくれる優しさを見せられ自己嫌悪が肩をもたげる。

帰宅途中、一花が計算していた通り神社に寄って縁結びのお参りをすることになるが、そこはかなえが寛におじさんと歩いているのを見つかり咎められた場所でもあった。浮かれる一花と寛がいる気まずさで追い込まれたかなえは、ひたすら「ごめんなさい」と祈り続ける。

その後、三人別れて帰宅することになったのだが、引き返してきた一花はかなえと寛が抱き合っているのを目撃することに…。

感想

あれ?鳴海って第1話で出てきてましたっけ?なんか、かなえと同じように虐げられてるポジションで良き理解者って感じなんだけど、ほとんど説明的な描写なくしれっと出てきて関係性がよくわからないんですが…。幼馴染みたいな感じですかね。

まあ、どっちにしろ先輩の不条理のターゲットになる男子というは身近にいたので、なんだか親近感の持てるキャラクターで良いですね(笑)ただ、境遇はもちろんあまりにも悲惨なので笑ってる場合じゃないんですけど、今後の活躍に期待したいところです。

そして、女子のイケてる男子争奪戦というのは、見てて気持ちの良いものではないですね。一花のかなえに対する詰め寄りは、全国ありとあらゆる場所で見られる光景なんでしょう。ひたすら怖い限りです。期せずしてその戦いに勝ってしまうかなえが受けるであろう攻撃。正直、考えたくないですね。

この板挟みになってる状態ですでにいっぱいいっぱい。ものの数分くらいの間に、心の中では罵詈雑言の嵐から強烈な自己嫌悪へと落ちていくヘラりっぷり。ここからさらに落ちていくことは確実な訳で、次回が見たいような見たくないような…。

パニックホラー漫画『服従都市』のクセが強すぎる件(笑)

次々と人間が襲われるパニックホラーは数多くあれど、遂にこんなに斬新なものまで登場してしまいました。

その名も『服従都市』。人は、服に服従するしかない。単なるダジャレ的なタイトル。馬鹿野郎って感じです(笑)

圧倒的なB級感を漂わせる本作ですが、まあB級でしょうね(悪口ではない)。 

本作の主人公・綾羽京は、代わり映えのしない毎日にウンザリしている無気力な高校3年生。友人たちとボーリング場に訪れたある日も、京はいつものようにくだらない1日が過ぎていくと思っていた。しかし、トイレから戻ってきた京の前には、“衣服”が次々と人を襲っていく光景がひろがっていた……。友人のTシャツにも異変が起き、京の平凡な日常が崩れ去っていく。

パニックホラーあるあるを早く言いたいから言ってしまいますが、主人公がつまらない日常に飽きてやれやれしがちですよね。本作でもご多分に漏れずやれやれしてます。

これは中高生をターゲットにしている作品なら致し方ない設定ですかね。ターゲット層の首根っ子を掴んでグイグイ引き寄せる必要があるわけで、そうなると同じ悩みを抱えてる主人公は必要です。まあ、こういった圧倒的な既視感はスルーしてしまうのが吉。

と言っても、やっぱり自分はパニックホラー好きなんですよ!個人的には。ゾンビモノもサバイバル系もそうですが、生存本能をビシビシ刺激してくれる作品が大好きです。

電子コミック界隈では、この手の作品が大流行しましたし、そういったテイストと同じように瞬発力がありそうなのは事実。ただ、耐性がやや付いている自分のような人間を満足させてくれる内容になるのかは不安です。そんな本作の良きところを上げるなら、冒頭でも言った普段身につけている服に襲われてしまうという発想力でしょう。

普段、身に着けているモノが突如として自分に牙を向いてきたらと思うと怖いですよね。はっきり言って色モノであることは避けられない本作ですが、この瞬発力を体感したい人は連載を追って見るのも良いかもです。

『てのひらに秘密をひとつ』ネタバレ・感想/第一話 恋に落ちるその日まで

不倫漫画『てのひらに秘密をひとつ』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

てのひらに秘密をひとつ 1 (フラワーコミックスアルファ)

作品情報(試し読み)

ダメ男ぶった切る痛快の短編オムニバス「ダメ恋」の著者・尾崎衣良の新刊漫画。姉系プチコミック小学館)にて掲載されている。「不倫」をテーマに、みずみずしく恋情を描ききる長編シリーズ。

comics.shogakukan.co.jp

あらすじ(ネタバレあり)

第一話 恋に落ちるその日まで

会社員の沙季は、後輩のフォローから残業の代わりまでなんでも引き受けるお人好しな性格。そのため、周りからはいつも慕われている。しかし、先輩の高野尾からは、「いい人はどうでもいい人扱いされているだけだ」と突き放した言い方をされてしまう。「自分のしたことは自分に帰ってくる」そう信じる沙季は、あくまで自分の考えを貫いて仕事に取り組んでいた。

そんなある日、同僚のマミからとある相談を持ちかけられる。それは、妻子持ちの彼氏との旅行に行くアリバイ工作として、沙季と一緒だったことにして欲しいというもの。そういった不適切な関係に肩を貸すことは出来ないし、マミのことを考えたら別れた方が良いと言い聞かせる沙季。相手のことを思って口にした言葉であったが、マミは「どうせ本気で人を好きになったことないでしょ」と突き放されてしまう。

その後、マミは会社で沙季の悪口を言いふらすようになる。単なる偽善者で自分にとって都合の良いことしか引き受けないと。それを偶然聞いてしまった沙季は、ショックを受ける。しかし、そこに高野尾が現れてその態度を徹底的に批判する。そんな高野尾に思わず自分が学生時代ハブられていたことを告白する沙季。慰めを期待していたわけではないが、そこでも高野尾は相変わらずで自信のない態度を批判されてしまう。

会社からの帰宅途中、沙季はかつての恋人と再開する。しかし、その恋人には妻子が持ちだった。友人には反対されていたが、その関係を断ち切ってでも一緒にいたいと思える本気の恋だったのだ…。

感想

 んー、なんか嫌。何が嫌って、自業自得の結果に如何に正当性を与えるかみたいなとってつけた設定がいっぱい出てくるから。不倫をテーマにしたものってそういうものが多いですよね。どこかで見た言葉ですが、「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」みたいな都合の良い解釈をされるものだったりするので、テーマ自体に結構抵抗感があります。

第一話では、お人好しの沙季が不倫をする友人を咎めたのは、実は自分が過去に痛い目に合っていたからだという内容。いや、だから最初からしなきゃいいんやって話なんだけど、まあ世の中には結婚を隠して女に近寄る不届きものがたくさんいますしね。現実では、相手の男には感情なんてないんじゃないかと思われるんですが、優しい態度が伴っているとそれも恋愛になっちゃうのかなと。もやもやするし、どっちにも感情移入できない難しい漫画です。

ただ、マミのように狡猾で憎まれ役に徹したキャラクターがいたりで、グイグイ話に引き込まれて行くのは事実。高野尾もオネエなんじゃないかってくらいズバズバ周りの甘さを切っていく。その姿には痛快さすら感じます。「もっとやれ高野尾!」と心の中で応援していたのは私だけではないでしょう。良くも悪くも尾崎衣良テイストが存分に出ている本作。ファンじゃなくても必見です。

 

『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』ネタバレ・感想/これは読むべき!2世信者による衝撃の告白漫画に色々と考えさせられる件

エッセイ漫画『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 (ヤングマガジンコミックス)

作品情報(試し読み)

twitter上に発表した8Pの告白漫画が、わずか2日間で3万RTを超える大反響を呼びヤングマガジンサード講談社にて連載開始。作者であるいしいさやの実体験を元にとある宗教の二世信者として育った少女の生活を描いた実録漫画。

あらすじ(ネタバレあり)

主人公・さやの母親は新興宗教を信仰していおり、さや自身はいわゆる二世信者。信仰の内容は、神・エホバの教え通りに規律正しく行動し、崩壊後の世界で復活し、楽園で暮らすこと。母親や周りの信者と共に長時間の宗教活動に参加し、厳しい監視の中、禁止だらけの生活を送っている。

その1 私のお母さん

さやは、お友達のまゆちゃんに家で遊ぶ誘いを受ける。お母さんに相談するといつもはダメだと言われるにも関わらず特別に許可をもらう。まゆちゃんのうちでは、普段飲むことのできないコーラに感激、いつも着ている地味な服とは違うかわいい服までもらい楽しい時間を過ごした。しかし、帰宅するとお母さんは「楽しくなかったでしょ?」と同調圧力をかけてきて…。

感想

 作者のいしいさやさんは、特定の宗教への批判ではないと断りを入れてこの漫画を書いています。そういうことを書かないといけないレベルで、宗教というのは批判の対象としては聖域化してるということでしょうか。あまり声を大にして言って良いことなのか分からないですけど、おこですよ。個人的には。

日本では、宗教的なものって実はありふれていてお寺や神社があちこちあるし、お守りを買ったり年始におみくじを買ったりと文化として根付いている側面があります。こういった家庭と決定的に違うのは信仰心や敬虔さ?みたいなものでしょうか。どっちみち馴染みのない価値観ばかりで違和感しかありませんでした。

宗教の自由があるというのは、学校で習うことですが、果たしてこの家庭環境に住む子供に自由はあるのかというのも疑問。自由ってあらゆる選択肢のなかから自分の意思で選べるってイメージですが、2世信者のこの子にはないですよね。

それに世界はもうすぐ滅びるというのも、人の恐怖心に漬け込んでいるようで胸糞が悪いです。それだけでなく災害の被災者を悪い人たちが受ける天罰だとしているところも納得行きません。かつては、天変地異が人智の測り知らぬものだったから、それを神の怒りとして宗教家たちが利用して、恐怖心を植え付け自分たちの教えに従えば救われるとしたのはある種の合理性があったのかもしれません。が、今になってそんなやり方するのは、客観的に見ると洗脳しているようにしか見えないというのが本音です。

昔はセフティーネットとして機能したり、人に倫理観を植え付けより良く生きるための指針になっていた感のある宗教ですが、現代には変わりになる社会福祉や教育があるし、果たして宗教が必要なのか大いに疑問です。

といった感じで、文句を言い始めたらきりがないのですが、私自身いわゆるミッション系の大学に通っており無関係で生きてきた訳ではないので、宗教全部を否定するつもりはさらさらないんです。というか、大学寮では礼拝の義務があって週2で参加していました。でも、その間一度も勧誘なんて受けたことなおんですよ。神様を信じなさいとも。まともな宗教ってそういうものなんじゃないかと個人的には思っています。自分には機会がありませんでしたが、人生に悩んでいた時にカウンセリング以外の選択肢として良き相談場所になるのがそういう宗教施設なのかもしれません。

正直こういったいわゆる信仰心が矯正されるものは、宗教の皮を被った集金システムなのかなと邪推したりします。信仰宗教の2世信者の人たちが直面している問題。難しいですが、外から人権的な観点からツッコミを入れられるようになったりしないものかなと思うところです。

 

『僕たちは元気です』ネタバレ・感想/“肉喰い”を突破して母のもとへ!ゾンビの世界を旅する兄妹サバイバルが面白い!

漫画『僕たちは元気です』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

僕たちは元気です(1) (講談社コミックス)

作品情報(試し読み)

11月13日にマガジンポケットにて連載がスタート。4月9日に講談社より単行本第1巻が発売される。作者・摺澤翔にとっては初の単行本刊行作品。近未来の日本を旅する兄妹の二人・裕貴と唯が、“肉喰い”と呼ばれる怪物が支配する世界でサバイバルする姿を描く。

サイト内で『僕たちは元気です』で検索したら出てきます

>>無料試し読みはこちら

あらすじ(ネタバレあり)

第1話  遠くのあなたに

2021年春、とある病院にて死亡したはずの患者が蘇り、人を喰らう怪物へと変貌する。“肉喰い”と呼ばれる彼らは捕食による感染によって急増。日本は地獄と化していた。なんとか生き延びている22歳の裕貴と14歳のの兄妹は、母に会うため、“肉喰い”と格闘しながら日本を旅している。

富山の田舎を移動中、二人は物資の確保の為にコンビニへよることに。そこは比較的安全で、二人はしりとりをして遊んだり、裕貴が唯に“肉食い”の倒し方を教えたりしながらこの世界での日常を楽しんでいた。しかし、唯がトイレに入ろうとするとそこには大量の“肉食い”が潜んでおり、一気に襲いかかってきた。

唯の機転によりなんとかピンチを脱出する。こんな悲惨な世界になっても唯は、いつも通り明るく元気だった。母のもとを離れて12年。もう会うことはないと思っていた母に会いたくなった二人は、東京を目指して旅を続ける・・・。

感想

ゾンビは漫画に限らず映画、海外ドラマと全部好きで見かけたびにチェックしています。昨今のゾンビ作品の多様化は、異常と言えるレベルですがコンテンツとして優秀なのかどんなジャンルでも大ハズレがなく楽しめるのが良いですよね。“肉食い”と呼ばれるゾンビは、ぽぽぽとおかしな音を発するのが特徴ですが、これが今後どういう意味を持ってくるのか気になるところです。

ストーリーとしては、離れ離れになった母に会いにいくという結構王道中の王道。ゾンビものでなくても泣かされるやつですね。ただ、ゾンビコンテンツにありがちなサスペンス感よりも、こんな悲惨な日常でも明るく元気な唯のキャラクターを全面に押し出してる印象があります。裕貴がコンビニでしりとりに付き合わされたりするのがまさにそれですね。このキャラクター重視というのは漫画ならではの重心の置き方で、感情移入しやすいです。今後も、兄がこの唯にやれやれしつつ旅を続けていくという感じなんでしょうか。

『君に愛されて痛かった』ネタバレ・感想/まんが王国で復活きたぜ!メンヘラJKの最底辺の恋愛が痛すぎる!

漫画『君に愛されて痛かった』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)感想を書いてみました。

作品情報(試し読み)

『君に愛されて痛かった(知るかバカうどん)』は、2017年5月に『漫画アクション』(双葉社)にて連載を開始、11月に打ち切りが発表された漫画。その後、新潮社に移籍が決定。コミック配信サイト「まんが王国」で2018年4月13日より定期連載がはじまる。歪んだ愛に囚われたメンヘラJKが病んで暴走、最期には彼氏に殺されてしまうというストーリー。作者である知るかバカうどんさんはpixivで絵師として活躍し、R18コミックも経験している女性漫画家。絵柄だけでなくキャラクターの内面に及ぶ嗜虐的な描写が男性だけでなく女性にも刺さり人気がある。6月9日に『BUNCH COMICS』よりコミックス1巻を発売予定。

公開日よりサイト内で『君に愛されて痛かった』で検索したら出てきます

>>無料試し読みはこちら

あらすじ(ネタバレあり)

女子高生のかなえは、スクールカースト上位に属して学校生活を送っていた。そのため友達は、クラス内の陰キャラに対しての当たりが強く、席を返して欲しいと発言するだけで罵詈雑言を浴びせかける。中学生の頃に周りに馴染めずイジメられていた経験を持つかなえは、なんとか周りに合わせようと必死になっていた。「陰キャラに人権なんてないのにね」過去に、自分が傷つけられたセリフをグループの違う同級生に浴びせる。常に、周りの反応にビクビクしながら生活し合わせようとする自分に対していつも自己嫌悪に陥っていた。

そんなある日、周りに誘われ高校生同士の合コンに参加することになる。貴族の上流階級のような雰囲気の集まりに場慣れしているみんなを見て、かなえは余計に疎外感を持つ。なんとか馴染もうとするが、隣に座る男子は冷たくおどおどしているかなえの姿に嫌気が指しそっぽを向いてしまう。話相手が居なくなり、ジュースを持ってきてみんなの役にたとうとするが、昔のイジメられていた経験がフラッシュバックしその場にへたり込むかなえ。

しかし、その時合コンの中心であり王様の立場にいたが優しく声をかけてくれた。「上流階級なのに…」と感謝を伝える。寛自身は当たり前のことをしたつもりであったが、ジュースを持って部屋に帰ってきた時のかなえと寛へ向けた反応でその意味に気づく。

帰宅する振りをしたかなえであったが、ネットで知り合った援助交際目当てのおじさんとホテルへと向かう…。

感想

 現代のスクールカーストとその中で消耗する女子の心理をこれでもか誇張して描いている作品。テイストとしては青年向けなんだけど、少女漫画に出てくるようなドロドロとした人間関係の話です。周りの反応が怖くて無理に合わせて仲良くしようとするというのは、現実に悩んでる女の子がたくさんいるんじゃないでしょうか。本当の自分を表に出せず、常に抑圧されながら周りを傷つける立場に置くかなえのメンタルが病んでしまうというのは、非常に共感できる部分があります。そのヘラっぷりには、若干引いてしまう部分もありますが、同じ悩みを持つ人たちにとっては自分だけじゃないというある意味救い的な話になりそうです…が、そうはならないことが冒頭で描かれています。最終的には、彼氏に殺されてしまうんですよね(笑)

この恋人に殺されてしまうという事件。確か実際にありましたよね。打ち切りとなった経緯が出版社から説明されていないのですが、個人的にはその事件が関係しているのかなと邪推しているところです。フィクションと現実は、別物で創作とは無関係というのが基本の立場ですが、この点においては色々と物議を醸してしまうのは仕方ないかなとも思います。自分はネットニュースの連載再開でこの作品を知りましたが人気のある漫画だったんですよね。にも関わらず打ち切りというのは、のっぴきならない理由があったはずなので…。

とにもかくにも、前半のドロドロとした人間関係のなかでのかなえの葛藤は、女性に刺さる。後半の援助交際での行為と内面描写は男にとっても感心するものがあり、ネットを中心に人気が出るのもよく分かる漫画でした。まだ、1話しか読んでないので、次が気になるところです。

 

『メイト』ネタバレ・感想/幼馴染として過ごしてきた二人に訪れる変化とは?

漫画 『メイト』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

作品情報(試し読み)

罪の淵』や『同居』など大人気作品を多数掲載するRush!にてフルカラーで掲載中、作者はカメノアシ。15年間幼馴染として過ごしてきた男女の友情が変化していく様を描く。紙媒体での発売はまだないが、電子コミックとして常にランキング上位にランクインしている。

あらすじ

15年間、幼馴染として過ごしてきた未央公平。お酒を飲み過ぎた未央を介抱して家に泊めたり、とりとめのない愚痴を言い合うくらい仲の良い二人。同じ部屋にいても気を使わずいつでも気兼ねしないで一緒に過ごすことができる関係が、子供のころから長く続いていた。しかし、公平は密かに未央を大人の女性として見るようになっていく。

公平は、以前という女性と付き合っていた。しかし、酔っ払った同僚麻美との浮気現場を目撃され破局。その後悔からずっと禁欲生活を送るようになる。一方、未央は携帯の電源を切っていたというささいな理由で、同棲中の恋人から家を追い出されてしまう。行き場のない未央は、真夜中にも関わらず公平の家を訪れるのだが…。

感想

幼馴染だと思っていた二人が…というのは、ありがちなストーリーですがそれを踏みとどまろうとする公平の姿がリアルです。結局、こういう関係って男のほうは、ビシビシ意識してるパターンが多いんですよね。相手の未央が、素直な感じで憎めないタイプのキャラクターなのも感情移入しやすくて良いですね。

それになんと言っても絵がきれいで、一コマ一コマ丁寧に書いている印象。癖のない絵柄で万人受けするんじゃないでしょうか。『罪の淵』にしてもそうなんですけど、Rush!掲載作品って絵柄のハードルが高い雑誌なのかと思います。それに女性向けの浮気・不倫漫画によく見られる展開があったりして、必ずしも男向けというわけでもないように思えます。男友達の多い人は、こうならないようにと気をつけている人もいて共感できるかもしれません。

最終的には、子供の頃のような関係ではいられなくなった二人ですが、その描写だけでなくその後の二人や取り巻く関係も気になります。未央の彼女はどう考えても一筋縄ではいかないタイプの男だし、公平と不倫関係にあった麻美の小悪魔的なキャラクターも二人の関係を深刻化させる鍵となってくるでしょう。1話1話ちゃんと見どころを作って次を読みたくさせるところが憎い!