漫画『ぼくは麻理のなか』9巻完結 ネタバレ感想 小森はなぜ麻理のなかに入ってしまったのか。オチには賛否がありそう
9月28日に発売された『ぼくは麻里のなか』9巻でついに完結しましたね。押見修造先生の作品が好きな人にとっては終わりになって寂しい気持ちも大きいんじゃないでしょうか。
「どうして麻理のなかに小森が入ってしまったのか。」「麻理の人格はどこにいっていまったのか。」
まるで、アメリカのミステリードラマを見ているような展開で進んできましたが、その結末が今回の完結巻で明らかになりました。
ミステリー的に進んできて、かなり期待値が高くなっているなかのオチだったので、納得できるひととそうじゃないひとと大きく別れるんじゃないかと思います。
そして、相変わらずテンポが早くあっという間に読み終えてしまうので、私はあえてゆっくり読みました。新刊ごとに読んでいる身としては、何ヶ月も待って期待していたものが、10分程度で終わってしまうのはもったいない気がしてしまって。笑
押見修造先生のもう一つの連載『ハピネス』の方もいよいよ佳境といったところで盛り上がってきています。まだ見ていない方は試し読みもできる作品なので、是非チェックしてみてください。「ハピネス 押見修造」で検索!
※このあとには、本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評といった類のものではなく、感じたことをそのまま書き出しただけで寄せ集めのようなものです。見に来ていただいた方には、友達に借りた漫画を返す時にあーだこーだ言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。
目次
意外過ぎない結末。入れ替わりの真相
人格が入れ替わるというのは、ありきたりなテーマではありますが「この作品ではどうやら単に入れ替わっているわけではない」というのが見どころでしたよね。
結論としては、小さいころに名前を変えられたトラウマで自分を見失い「麻理」を演じるように。そんななかで、小森をコンビニで見かけて惹かれていき、監視や日記を通じて小森そのものの人格を自分のなかにつくり出していった。そんなところでしょうか。間違ってたらごめんなさい。笑
まあ、この漫画の設定的に超常的ななにかが起きたといういうよりは現実的な結末ですよね。
私は、正直完全に小森の人格が麻理のなかにはいりこんでしまったものと考えていました。
理由は、ゲームなど麻理が本来できないはずのことを完全にこなしていたからです。これは、いままでの流れと矛盾する結末なんじゃないかと正直思ってしまいました。ただ、家を覗くどころか、侵入して日記まで見ていたわけでゲームに関しても完全に小森になりきってやっていた時期があるのかもしれませんね。
結末を知った上で、最初から見た時どのように感じるのか。時間がある時にもう一度試しに読んでみたいです。一巻はほとんど小森サイドの話だったと記憶してますが、果たしてあれはオリジナルの小森だったのか。それともあれからしてもう麻理のなかで作りあげた小森だったのか。んー、難しい。笑
「こういうことだよ」って教えてくれる暇な方は、コメント欄にでも書いてくれると有難いです。
オリジナル小森の扱いが酷すぎる件
私の記憶では、この漫画の主人公はタイトルの通り「ぼく」つまり、小森だったはずです。ただ、最終巻での小森の扱いはあまりにも酷すぎて少しかわいそうになりました。
実家に帰る時に律儀にメールするも返信はそっけないし、実家に麻理が訪ねていった時には、依さんに自分の部屋から追い出されてしまうという。。。しかも、そこからの登場はありませんでした。笑)
まあ、最初に出てきていた小森も実は麻理が作り出した小森であって、オリジナルの小森ではないと考えると一貫してるのかもですが。ってこの文章ほんと分かりにくいですね。
自分の脳みそのスペックでは説明がなかなか難しいので、解説などでてきたらリンク貼っときたいと思います。
最後に
入れ替わりかと思いきや実は入れ替わってなかったという本作ですが、個人的には色々妄想が捗る結末でよかったんじゃないでしょうか。
ひょっとしたら、私のことをどこかで見かけた激かわJKが私になりきって訪ねてくるなんてことが微レ存だとこの作品は言ってくれてるわけですから。。。ないか。
あと、最後の他の漫画家さんからのお祝いメッセージは必見ですよ!特に押切蓮介先生のコメントはほとんど私信を届けているかのよう。間違えられて『悪の華』がいかにいいかを説明された件は笑えます。というか、私もなんか字面で間違えてしまうことありますしね。笑
押見修造先生の作品は、この『ぼくは麻理のなか』はもちろん『悪の華』冒頭に説明した『ハピネス』思春期から大人になるまでのドロドロした感情を描くのが上手な人です。
今作で押見修造ワールドにはまった人は是非、他の作品もチェックしてみてください。
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