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ネタバレ感想『ヒメノスピア』虫に寄生された少女はその能力で自分の楽園を作れるのか?

人という『種』を刺し貫く、インセクト・エボリューション・サスペンス

ヒメノスピア 1(ヒーローズコミックス)

 

作品情報

原作:村田真哉

月刊ヒーローズにて『キリングバイツ』を連載中の実力派マンガ原作者。

作画:柳井伸彦

コミックフラッパーで人気ラノベ魔弾の王と戦姫』のコミカライズを担当。

ネタバレあらすじ

 学校では全裸にさせられネットで生配信。家では母親の連れの男にイタズラをされるもそれが原因でDVを受ける。日常生活のなかで受け続けてきた暴力は壮絶で子供の頃に受けたアイロンの火傷の後は今も消えずに残っていた。そんな園遠姫乃にとって安心出来るのは自分の部屋で1人でいる時だけであった。

ある日、学校の花壇に水を撒いている時、首筋に痛みが走る。反射的に手で潰したそれは見たこともないような色をした蜂だった。偶然そこに居合わせイジメっ子は姫乃にその虫を食べるように命令する。無理矢理蜂の死骸を食べさせられるも、何故かイジメの主犯格は気が変わったようにその場を立ち去る。

帰宅後、母親にいつものように暴力を受けそうになるが、そこでも何故か突然思い留まりその場を離れていく。何かおかしいと感じる姫乃は、自分の下半身から蜂の針のようなものが生えているの気付き驚愕する…。

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感想

復讐教室や監獄実験と言ったイジメからのリベンジ系漫画は無数にあって、ある種のカタルシスがあるので結構好きで読んでいました。今作『ヒメノスピア』は、蜂を食べさせられるという、現実にあった事件に着想を得ているからかイジメのシーンがリアルで、胸糞悪いことこの上ないです。さらに、主人公を裸にして生配信をすると言う残酷なシーンから始まるので、イジメのトラウマがある人には吐き気を催すかも。

さらに虫の寄生というマニア受けする設定を組み込んでいるのも特徴。虫を扱う漫画というのははっきり言って苦手な人は苦手でかなり嫌悪感があるかもしれません。蜂の針はかなりグロテスクではありますが、人を指すシーンなんかは余りグロさはなくおどろおどろしさを強調して一部のマニアを取り込むことを意図している感じはしませんでした。

ただ、1番印象的なのはイジメシーンから始まる漫画でありながら、リベンジ漫画ではないところ。あらすじで書いたように、蜂の針を使って自分を嫌悪している人達を仲間に取り込んでいく。この針には自分を愛するように人格を変貌させる効果があるようです。自分を愛する人を増やし自分の楽園を作る。そこに、寄生蜂を取り締まる警察組織を対立させることで、新たなストーリー展開があるようです。

ヒメノスピア 1(ヒーローズコミックス)

ヒメノスピア 1(ヒーローズコミックス)