映画『ドントブリーズ』感想 劇場からポップコーンを食べる音が消えた!心臓バクバクしっぱなしの90分【ネタバレ】
観てるこっちまで息の止まる映画だったぜ。いや、マジで!これから見る人は覚悟してください!
全米でスマッシュヒットを記録した話題のショッキングスリラー 映画『ドント・ブリーズ/ドントブリーズ』が12月16日に全国公開されました。
ホラー好きには、おなじみの映画「死霊のはらわた」のリメイク版を務めたフェデ・アルバレス監督の作品ですね。
YouTubeに自主投稿した作品が話題になって、制作を依頼されるようになった異色の経歴を持つ人です。
私は、公開翌日に観に行ったのですが、なんと劇場は満席。一席の空席すらありませんでした。
全然期待していなかったのですが、劇場に着いた途端に期待値がぐんぐん上がっていきました。
内容としては、映画を観ていることを忘れてしまうくらい張り詰めた空気感で、息をしたらこっちまで殺されてしまうじゃないかという恐怖をリアルに感じる作品でした。
ポスターを見る限りではお化け的な話のようにも見えますが、今作では盲目の退役軍人が恐怖の対象として描かれています。
私は、お化けものは冷めた目で観てしまう方なので、こっちのほうが全然大好物です。
ドキドキハラハラする作品なので、カップルなんかで観に行ったら吊り橋効果的なやつで仲が深まること間違いなし!かも…
【作品情報】
サム・ライミ製作、リメイク版『死霊のはらわた』のフェデ・アルバレス監督の作品。
ホラーの鉄板を踏襲しつつ、ジャンル的にはクライムスリラーのテイストが強い。
※これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!
ネタバレ感想
ちゃんと誰が最初に死ぬか考えてましたか?
この手の映画の醍醐味は、なんと言っても「誰がどんな殺され方をするのか?」ということですよね。
「殺され方を楽しむ」というのもおかしな話ですが、観終わった後の満足感に関わってくるのでどうしても期待してしまうところです。
皆さんは、誰が一番最初に殺されると思いましたか?
無計画で破天荒、いかにも軽率そうなマニー。
お金を手に入れてなんとか妹と一緒にカルフォルニアで人生をやり直したいと考えているロッキー。
慎重で計画的、どっからどう見てもロッキーに片思いをしているアレックス。
ややメインの登場人物が少なくて物足りなさを感じてしまったのは、私だけでしょうか。
ただ、ホラーの鉄板で死んでくれても特に後腐れのない窃盗集団なので、とりあえずは安心しましたよね。
子供を失った障害者の家に強盗に入るという時点で、やられても仕方ない。というか、「むしろやられちまえ」くらいに思わせてくれる親切っぷりでした。
私は、冒頭からマニーの存在感にビンビンと最初の犠牲者としてのフラグを感じ取っていました。(たぶん、みなさんそうですよね?)
心の中で100万円かけるレベル。笑
老人を眠らせる為に、3人と別れて1人で2階に上がって行った時には、心の中でキター!と叫びましたが、ここでは肩透かしをくらってしまいました。
ただ…この監督分かってますね。
思っていた通りのタイミングだと、恐怖が半減してしまいます。
しかし!
最初の犠牲者はやっぱり予想通りマニーでした。
盲目にも関わらず、一瞬で銃を奪う動きは既に単なるイラクに派遣されていた一兵卒の動きではありませんでした。
座頭市の勝新もビックリ。あるいは、ジェイソンボーン顔負けの身のこなしでした。それが、悪役側ってんですからヤバイですね。
一人で来たのかを確認され、一瞬解放のパターンがあるか?と思わせといてのズドン!ちびりそうになりました。笑
これで、もう目が見えないということは、必ずしもハンデではないということをまざまざと見せつけてきました。これは、良い一人目の犠牲者でしたよね。
そして、いくらお金があるからといってあまりにも厳重すぎる警戒体制もこれからの展開の伏線になっています。
ホラーにありがちな「なんで?」というツッコミがないように、しっかりと設定を作り込んでいて安心して怖がれることを序盤に確信できる作品でした。
盲目の退役軍人が怖すぎる
最初は、所詮普通の人だしなと思っていましたが、予想以上に怖いキャラクターでした。
まず、ビジュアル。
アメリカの軍人ってみんなこんなマッチョなんでしょうか?
最初はやや細身にも見えた老人ですが、シャツから覗く腕はがっちり筋肉がついていて、しかも体脂肪率まで低そう。
白髪の髭面で、目は負傷で濁って当然焦点は合っていません。
私なら見た目だけで、逃げ出す自信がありますよ。笑
こんな人と狭い家の中で鬼ごっこしなきゃいけないとか、想像するだけでも恐ろしいですね。
そして、いうまでもなく聴覚頼りで生活している為に、息をすることもできない緊張感が常に張り詰めていました。
息が詰まるという表現がありますが、まさにタイトルと映画で表現していることが見事にマッチしています。
そして、所詮は普通の人だというのも見事に裏切られましたね。
驚愕の事実。娘の死亡事故の加害者の拉致監禁。
これは、多分実際の事件なんかのオマージュも入っているので、妙なリアル感がありました。ただ、監禁の被害者もお金で事件を解決したようで、同情は仕切れない存在でした。
ここら辺、設定がしっかり作り込まれているを感じました。かわいそうは、ホラーの敵ですからね。笑
お化けよりも、リアルな狂気の方がやっぱり断然恐ろしいです。
そして、レビューサイトやSNSでも指摘されまくっている恐怖のスポイト。
本来ならそんな回りくどいことしなくても良いはずなんですけど、退役軍人という設定上やや、遠慮があったんでしょうか。
ただ、かえってその方が狂気が際立っていたようにも感じました。
最初、盲目で娘まで失っているという点に同情すらありましたが、この設定でそんな感情は全部ぶっ飛びましたね。
深刻なシーンですが、ロッキーの見事すぎる拒否っぷりはちょっと笑ってしまいました。笑
希望からの絶望に振り回される…けど、それが良い
通風口から逃げ出せそうになったり、体液軍人いや退役軍人の意識を奪うことに成功したり。
単に怖がらさせられるだけじゃなくて、「いけるか」と思わせてから突き落とす演出にも引き込まれましたよね。
決定的なのは、外への脱出に成功した時。
これは、さすがに勝負ありでしょうと思いましたが、最初驚かされた犬がきっちり最期まで絡んできました。
この終わりかと思わせてからのひとひねりもすごく楽しめました。
やっとエンドロールが流れた時には、安心したのかため息や笑い声も聞こえてくるというのも劇場で見る映画体験の一部で、見に行ってよかったと思える映画でした。
まとめ
映画を観終わった後は、ちょっとしたテーマパークで遊びまくった時のような満足感を得られるほどの作品でした。
こういう低予算の映画で生まれてしまうB級感もありません。
DVDやストリーミングで見るのと、劇場で見るのとでは全然評価の違ってくる作品だと思いますので、是非映画館に足を運んでみてください!
細く作り込んだ設定。感情を揺さぶってくる演出など特に文句のつけようがない今作ですが、自分がアメリカ育ちでないのがちょっと悔やまれる部分でした。
デトロイトの過疎って荒廃した街、退役軍人。アメリカの社会問題を風刺するような部分もありそうですよね。
デトロイトは空洞化が問題になっていて、退役軍人の精神疾患は以上に高い。知識では知っていても感覚的には、よその国の話と突き放して見てしまう要素になっています。
ここらへんの設定に関しては、どうも現実感を持つことができませんでした。ただ、まあ盛り上がっているところでは、全然そんなこと考えてる余裕はありませんでしたけど。笑
絶対に面白い!おすすめ関連作品
冒頭でも触れた異色の経歴を持つフェデ・アルバレス監督。
いまだにカルト的人気を誇る映画『死霊のはらわた』をリメイクしています。この映画ですが、いわゆるB級のスプラッターホラーで今の価値観の中で見ても楽しめるかというと私は、難しいかなと思っています。
ただ、このリメイク版は映像技術も格段に向上していることもあり「受ける」内容になっているんじゃないかと思います
『ドント・ブリーズ』のように怖がらせるのがメインではありません。ドタバタ劇や過剰なカッコつけ演出を楽しんで見るという見る側の受け入れ態勢が必要なんですが、はまる人には絶対はまる作品です。
Huluにて無料で配信されていますし、なんと好評につき2017年1月からセカンドシーズンも始まります。
30日の中の無料体験で見ることができますので、ホラーが好きなら是非チャレンジして見てください!