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『君に愛されて痛かった』ネタバレ・感想/まんが王国で復活きたぜ!メンヘラJKの最底辺の恋愛が痛すぎる!

漫画『君に愛されて痛かった』の作品情報(試し読み)、あらすじネタバレあり)感想を書いてみました。

作品情報(試し読み)

『君に愛されて痛かった(知るかバカうどん)』は、2017年5月に『漫画アクション』(双葉社)にて連載を開始、11月に打ち切りが発表された漫画。その後、新潮社に移籍が決定。コミック配信サイト「まんが王国」で2018年4月13日より定期連載がはじまる。歪んだ愛に囚われたメンヘラJKが病んで暴走、最期には彼氏に殺されてしまうというストーリー。作者である知るかバカうどんさんはpixivで絵師として活躍し、R18コミックも経験している女性漫画家。絵柄だけでなくキャラクターの内面に及ぶ嗜虐的な描写が男性だけでなく女性にも刺さり人気がある。6月9日に『BUNCH COMICS』よりコミックス1巻を発売予定。

公開日よりサイト内で『君に愛されて痛かった』で検索したら出てきます

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あらすじ(ネタバレあり)

女子高生のかなえは、スクールカースト上位に属して学校生活を送っていた。そのため友達は、クラス内の陰キャラに対しての当たりが強く、席を返して欲しいと発言するだけで罵詈雑言を浴びせかける。中学生の頃に周りに馴染めずイジメられていた経験を持つかなえは、なんとか周りに合わせようと必死になっていた。「陰キャラに人権なんてないのにね」過去に、自分が傷つけられたセリフをグループの違う同級生に浴びせる。常に、周りの反応にビクビクしながら生活し合わせようとする自分に対していつも自己嫌悪に陥っていた。

そんなある日、周りに誘われ高校生同士の合コンに参加することになる。貴族の上流階級のような雰囲気の集まりに場慣れしているみんなを見て、かなえは余計に疎外感を持つ。なんとか馴染もうとするが、隣に座る男子は冷たくおどおどしているかなえの姿に嫌気が指しそっぽを向いてしまう。話相手が居なくなり、ジュースを持ってきてみんなの役にたとうとするが、昔のイジメられていた経験がフラッシュバックしその場にへたり込むかなえ。

しかし、その時合コンの中心であり王様の立場にいたが優しく声をかけてくれた。「上流階級なのに…」と感謝を伝える。寛自身は当たり前のことをしたつもりであったが、ジュースを持って部屋に帰ってきた時のかなえと寛へ向けた反応でその意味に気づく。

帰宅する振りをしたかなえであったが、ネットで知り合った援助交際目当てのおじさんとホテルへと向かう…。

感想

 現代のスクールカーストとその中で消耗する女子の心理をこれでもか誇張して描いている作品。テイストとしては青年向けなんだけど、少女漫画に出てくるようなドロドロとした人間関係の話です。周りの反応が怖くて無理に合わせて仲良くしようとするというのは、現実に悩んでる女の子がたくさんいるんじゃないでしょうか。本当の自分を表に出せず、常に抑圧されながら周りを傷つける立場に置くかなえのメンタルが病んでしまうというのは、非常に共感できる部分があります。そのヘラっぷりには、若干引いてしまう部分もありますが、同じ悩みを持つ人たちにとっては自分だけじゃないというある意味救い的な話になりそうです…が、そうはならないことが冒頭で描かれています。最終的には、彼氏に殺されてしまうんですよね(笑)

この恋人に殺されてしまうという事件。確か実際にありましたよね。打ち切りとなった経緯が出版社から説明されていないのですが、個人的にはその事件が関係しているのかなと邪推しているところです。フィクションと現実は、別物で創作とは無関係というのが基本の立場ですが、この点においては色々と物議を醸してしまうのは仕方ないかなとも思います。自分はネットニュースの連載再開でこの作品を知りましたが人気のある漫画だったんですよね。にも関わらず打ち切りというのは、のっぴきならない理由があったはずなので…。

とにもかくにも、前半のドロドロとした人間関係のなかでのかなえの葛藤は、女性に刺さる。後半の援助交際での行為と内面描写は男にとっても感心するものがあり、ネットを中心に人気が出るのもよく分かる漫画でした。まだ、1話しか読んでないので、次が気になるところです。