TOKYO ALONE

あんなことやこんなことをあなたに

映画『ネオン・デーモン』感想 強烈過ぎる美への執着とエログロと

1月13日より公開されている映画『ネオンデーモン』の感想レビューをまとめています。今年5作目の劇場鑑賞になります!

さてー!

サスペンスホラー大好き、立川あつです。

公開から5日ほど経っている平日の鑑賞だったんですが、劇場の席は半分以上埋まっており、なかなかの盛況でした。

事前情報など一切なしで観たのもあって、なかなかどういうタイプの映画なのか測りかねる作品でした。

正直、全部観てもよく分からないというのが本音です。SNSなんかでは、映像ドラックなんて言われ方もしています。

例えるならば、世にも奇妙な物語のホラー回を超アーティスティックな映像と音楽で表現している感じでしょうか。

安っぽい例えで、すいません。笑

ただ、分からないものを分かったように語るほどダサいものはないので、あくまで分からないなりに感じたことをレビューしていきたいと思います!

【作品情報】

『ドライヴ』でカンヌ映画祭監督賞を受賞したニコラス・ウィンディング・レフン監督 の作品

マレフィセント』のエル・ファニングが主演、キアヌリーブスやアビー・リーが脇を固める

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で分かるあらすじ

誰もが羨む美貌を持った16歳のジェシーは、夢であるトップモデルになるために田舎から単身ロスに訪れる。

エージェント、カマラマン、デザイナーなどすぐにモデル業界の重要な人物の心をとらえチャンスを掴んでいくジェシーをみて、ライバルは嫉妬し狂気へと走りだす。

ジェシーもまた、自身の美しさを評価されることに取り憑かれ、純朴さを失っていく。

ネタバレ感想

美しさにまつわるおどろおどろしい空気感を超アーティスティックに描いている

ストーリーとしては、絶対的な美に取り憑かれた人たちが狂気へと走っていく姿を描くホラーといった感じでした。

ただ、そういった言葉では言い表すことのできないものを映像として表現した作品なのかなという印象です。

一つ一つの映像が、なんだかファッションショーを見ているような感じでしたしね。

そう。

なんだか、ファッション誌の編集長やデザイナーがモデル業界のホラー映画を撮ったらこうなりますという作品でした。

冒頭のジェシーがパーティーに連れ出されるシーンからして、なんだか幻想的な雰囲気を強調しまくりの演出。BGMの絡むシーンは、一切リアル感が排除されていました。

このリアルじゃない演出というのが、おそらく映画でしかできない表現ですごく印象的でした。

ただ、個人的にはその表現している世界観を全然追えていないというのが本音です。笑

例えば、ニュースでパリコレを見てもおしゃれなんだろうけど、感覚的にはあまりにも世界観が違いすぎて、そのおしゃれさを実感できないことってありますよね。

いうなれば、そんな戸惑いを感じてしまいました。

たぶん、その手の業界に精通している人であれば、この映画で表現されている世界観はすごく刺さるものがあるのかもしれませんね。

ただ、ストーリーだけ切り取って見ると、ホラーとしての恐怖を感じさせられる映画でもあります。

レズビアンのメイクの女性が、ジェシーとまぐわることを想像して遺体を陵辱するシーンなんかは、不気味すぎて目を背けたくなりました。

また、最後の吐き出された眼球を飲み込んでしまうのも、本能に訴えかけてくるよな恐怖がありましたよね。

ストーリー展開としては、後半にかけて急激にホラー色が強くなっていく感じで、官能的な表現も後半に集中しています。

この点に関しても、普通のホラーとは違うところですよね。

怖がらせるのが目的ではなく、結果怖かったと印象が残るように描かれています。

ここら辺もなんで?と考え始めると分からないことだらけで、たぶん相性の問題なんでしょうね。笑

感覚的にフィットしていないので、違和感だけが残ってしまう感じでした。

ファッションに疎い人たちは、私と同じような感覚の人が多いんじゃないかと思います。そうですよね?

美貌で得られる万能感は、ドラッグやお金以上か

女性たちが美に対してこだわりを持って追い求めているといういのは、一般社会でも当てはまることですよね。

男からすると、どうしてそこまでと感じることも多々あります。

ただ、美しさというのは持っているか持っていないかで、その後の人生の価値までも決めてしまうというのを女性は実感としてしっているんでしょうね。

だからこそ、こだわるしこだわりすぎて取り憑かれる人まで出てくる。

美貌を持っているというだけで、女性は根拠のない自信を持つことができるし、そこからくる万能感というのも測り知れないものがあるようです。

正直、美しさにまつわることに関して、蚊帳の外にいる私は普段全く意識することがないことです。

ただ、美というのは、ドラックやお金以上に人を狂わす。

そういった性質のものだというのは、この映画を見て嫌という程伝わってきました。

この映画では、モデル、ファッション業界なのでそういった真理みたいなものがより顕著になるんでしょうね。

劇中では、「美は世界共通の通貨だ」とまで言い切っていました。

ただ、言われて見るとその通りですよね。

美しさがあれば、お金を持っているいる男を動かすなんてことはたやすいことなのは、想像がつきます。

美しさを追い求める女性からの尊敬も。

男性の心も。

欲しいものは、すべて手に入ると言っても過言ではないかもしれません。

そう考えると、世界中で最も価値のあるものは女性の持つ「美」だというのが、正解のような気がしてきます。

なんだか、あれこれ考えているうちに話しが大きくなってしまいましたね。笑

最初はファッション業界というニッチな分野を扱った映画なのかと思っていましたが、ちょっと考えただけでも普遍的なテーマが見えてきました。

自分のアンテナの感度の弱さと思慮の浅さに若干落ち込んでしまいますが、これからネットやSNSなどにたくさんのレビューが出てくるかと思います。

まだまだ、見つけられていない視点などたくさんあると思う作品なので、逐一チェックしてこの映画に対する理解を深めていくつもりです!

まとめ

分からないことだらけですが、セリフやストーリーを追いかけるのではなく、映像、音響体験を重視している作品なのは間違いと思います。

どんな映画なのかというのを知りたい方は、是非劇場に足を運ぶことをおすすめしたいです。

ただ、監督はこの映画をナルシズムの祝福だと言っているそうです。

その言葉通り、作り込まれすぎた世界観に拒否反応が出てしまう人もいるかと思います。

ある意味、観る人を選ぶ作品なのでプロモーションビデオなど事前にチェックするといいかもです。また、評価の高い過去作品のチェックもした方が間違いないでしょう。

カンヌ映画祭監督賞を受賞している『ドライヴ』なんかは、U-NEXTで見ることができます。

『ネオン・デーモン』のテイストが好きだった人も、『ドライヴ』を観てこの監督独特の世界観を堪能してはいかがでしょうか?