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映画『君の膵臓をたべたい/キミスイ』感想 恋のようで恋じゃないせつない関係性の二人

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2017年7月28日、実写映画『君の膵臓をたべたい/キミスイ』が公開されました。君の膵臓をたべたいという衝撃的なタイトルに反して泣けるストーリーになっていることからティーンから絶大な人気を誇る本作。公開初日に観てきましたのでその感想をお届けします。

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(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社

 

さてー!砂肝大好き、立川あつです!

初めてタイトルを見たときは「君の膵臓をたべたいってなんやねん」と衝撃的だった記憶があります。確か、本屋さんで平積みになっていたんだっけか。

なんかオドロオドロしい感じがしたので、人気があるのは知ってたんですが敬遠していた作品です。あと、朝の読書で中学生が読んでいる本のランキングに入っていたので、子供向けなのかなという印象もありました。なので私は原作未読。

しかし、プロモーションではサラリーマン限定試写会なんてのも行ってたようなので、映画は大人でも楽しめるように作っているようでした。

ファンも多く期待値も高い作品なので、一応予告動画や公式サイトもしっかり予習。

月川翔監督の作品は『君と100回目の恋』という作品を見たことがあります。「正直、あの感じでキラキラされると辛いなぁ」と身構えてしまって、ファンの方達とは違いかなりハードルが下がりました(笑)

脚本と音楽は『僕は明日、昨日の君とデートする』を手がけていた方のようです。こちらも見ていたので映画のテイストはだいたい予想できました。アラサーの私には辛いかもと・・・

まあ、あまり期待せず原作も知らないので「フラットに観られるのは悪くない傾向だ」と開き直っていざ劇場へ。

平日のお昼上映の回でしたが、座席は半分ほど埋まっていたのでまあまあの客入りなんですかね。ただ、ややカップルが多かったので肩身が狭かったというのは内緒です。

※これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評の類ではなく思ったことをそのまま書き出しています。映画鑑賞後に友達とあーだこーだ言い合うような軽い気持ちで読んでもらえると嬉しいです。後半に語りたいポイントも用意していますので、思うところがある人はコメント欄よりメッセージを残して頂ければ返信しますね。

感想(ネタバレあり)

ひたすらかわいい女の子に振り回されたい人生だった

というのが、隠キャとしてひたかくしにしていた妄想だったわけですが、まさにそれを実現してくれてるような映画になっていましたね。

私はひたすら本を読んで殻に閉じこもる【僕】の中に自分自身を重ねられたので、すぐ感情移入できました。(なんか映画の中に自分を見つけられると嬉しいですよね。邦画はそういう作品が多いのが良い!)

そして、主体性のない【僕】をぐいぐい引っ張っていく人気者で明るい【君】。完全にストライクなんだよなぁ。これが。(年齢バレそうだけど、アニメだと『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒと重なる部分も。ただ、こっちは変人で人気はありませんがw)

女子が溢れるスイパラに連れていかれるのはちょっと辛そうでした。私もあそこに自分が行くということはいまだに想像したくない・・・。

ただ、お泊まり旅行に連れ出されたりそこで無理やりゲームに付き合わされたり、やりたいことリストの彼氏以外といけないことをするに振り回されたり・・・はっきりいって全然嫌じゃないです。むしろ、振り回されたい。

それくらい強引さがないと自分自身誰かと仲良くすることはできないですからね。

この作者、隠キャの心理を完全に掌握してるなと怖くなりました(笑)

というか、カップルのためでもなくティーンのための作品ではなかったとすら感じます。この映画は青春時代を隠キャとして過ごしてルサンチマンに凝り固まったアラサー男の救いですよ。本当に。

サラリーマン限定上映をしていた理由はこの部分でしょう。

気持ちの良い裏切りにホッとする

レビューなんかを見ていてもこの映画はセカチューと比較する意見が非常に多かったように思います。実際、ヒロインが病気で死んでしまうことや年齢、青春要素などなどいろいろ類似点がありました。

というか、「それ完全にセカチューのこと言ってんだろ」ってシーンもありましたよね(笑)

ただ、決定的に違うのは病気につきものの悲壮感溢れる展開がほとんどなかった点。

てっきり病気で最期を迎えるのは確定だと思っていたので完全に裏切られました(一応伏線は張られていましたが鈍感なのでいつも伏線には気づかない・・・)

しかし、これはある意味ホッとする気持ち良い裏切りだったかなと思っています。膵臓の病気はゆっくり衰弱していくそうですが、それでもそんな姿は見せられたくないってのが本音です。感情移入してるとなおさら。

セカチューその他の難病を扱う映画でこりごりですね。はい。

通り魔に刺殺されるというあっけない最期には賛否あるのかと思いますが、個人的には悪くない展開だったのかなと思います。

映画オリジナルの12年後の方が泣けた

多くの人が涙を流したのは共病文庫を【僕】が読んで、どういう気持ちで【君】が【僕】と接していたのかが明らかになるシーンなのかと思います。

実際そこも感動的でした。

ただ、自分には原作にはないという12年後の手紙を見つけてからのシーンの方がぐっとくるものがありました。

というのは自分の場合、どうしても自分と【僕】とを同一視しているからなのかと思います。

劇中で「白状すると僕は、君になりたい 人を認められる人間に 人に認められる人間に」とメールで伝えようとするシーンがありましたよね。これってまさに殻に閉じこもってる自分のような人間の本音なんですよ。

好きで人と関わらないようにしてるように装っていても、本音では誰かを認めたい認められたいと思っているものです。

殻に閉じこもっているのは防衛本能のようなもの。どうせ【君】ようになれないなら自己完結の自分を演じている方が楽だと思い込んでいる状態なんでしょうね。(イソップ童話の酸っぱいブドウの話に似てるかも。どうせ手に入らないならそれは酸っぱいに違いないと考えて諦めてしまう)

だから、自分にとっては12年後その殻を破って【僕】が「友達になってください」と友人に伝えたシーンの方が泣けました。というか号泣ですね(笑)

自分にはできないことを変わりにやってもらったような気がします。溶け出すようなというか、正にカタルシスを感じるシーンでした。

観終わった人と語りたい気になったポイント

【僕】の名前はなんで最後まで出てこなかった?

【僕】の名前がハルキだったことが最後の最後に明かされるわけですけど、これにはどんな意味があったんでしょうか。【僕】が【君】を桜良と呼ばない理由は語られていましたが、それって別に【僕】の名前そのものを最後まで隠しておく理由にはなりませんよね。

ちょっと深読みかもですが私見を一つ。劇中で「桜は散ってもすぐ蕾になって次の春を待ってる」という桜良の言葉があったと思います。これはつまり、桜良はハルキの中で生き続けることの比喩になっているのかなと。

それに気づかされるのが最後の方が印象的ということでしょうか。確信はないけど、そんな気がしました。

『君の膵臓をたべたい』の解釈は?

正直私は観終わった後でも、ここまで刺激的なタイトルを使わないでもいいんじゃないかと思いました(笑)みなさんはどうしてこのタイトルになったと思いますか?

膵臓を食べることは病気を良くするっていう迷信の他に、その人の魂を宿して生きて行くみたいな意味もあるんでしたよね。

実際、ハルキも桜良も共通してたのは「お互いのようになりたい」「お互いの中で生きていたい」という気持ちでした。

ただ、どうもピースが抜けたような違和感がまだ残ります。私だけでしょうか?(笑)

星の王子さま』の本の意味とは?

ハルキが桜良から借りた本。劇中では間違いなくキーとなる役割を最初から最後までになっていましたよね。ただ、おそらくこれが『星の王子さま』であった理由があると思うんです。

私はこちらの作品も未読なのでそれがどういう意味を持つのかはわかりませんでした。

原作ではしっかり説明があるんでしょうかね。これだけ、ストーリーの中にしっかり意味を込めて作られている作品なので、きっとなにかあるはず。一応原作小説も読むつもりですが、わかるという方がいたら是非聞かせてもらいたいです。

最後に

最近、ブログの更新を完全にサボっていましたが、泣けるような映画を見るとなにか書きたくなってしまいますね。

評論家ではないので、演技がどうこうとかこのシーンはオマージュでとかそういう話ができないのが寂しいところです。

今回のように予習では期待値が下がってもいざ見てみると想像以上にハマる作品があったりするから映画鑑賞はやめれません。

私は帰りにパンフと原作小説もゲットしてきましたので近日中に読了したいと思います。その感想も時間があったら書こうかな。

パンフの他にオフィシャルガイドもあるみたいですね。そっちもポチっとくかな。