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『ノイズ【noise】』ネタバレ・感想/筒井哲也の新連載は衝撃的なサスペンス!第1話から不穏な空気が漂って怖すぎる件

サスペンス漫画『ノイズ【noise】』の作品情報あらすじネタバレあり)、感想を書いてみました。

ノイズ noise 1 (ヤングジャンプコミックス)

作品情報

映画化もされた『予告犯』に数々の賞を受賞した『有害都市』で有名な筒井哲也による新作漫画『ノイズ【noise】』は、グランドジャンプ集英社)にて連載中。今作では、田園風景が広がるのどかな猪狩町を舞台にしたサスペンスを描く。

あらすじ(ネタバレあり)

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第1話

舞台は、高齢化や過疎化の波に押されて活力を失っていた猪狩町。特産品の黒イチジクがふるさと納税返礼品に指定されるとともに、動画サイトの人気者に取り上げられることでブレイク。テレビの取材まで受けることに。助役の計画のもと役所の新設から図書館建設まで決まり町はにわかに活気付いていた。

そんな中、イチジク農園を営む泉圭太の前に、「自分を雇ってほしい」と辺鄙な町に似合わない不審な雰囲気の男・鈴木睦雄が現れる。その風貌や雰囲気から睦雄のことを怪しむ圭太。仕事を求めていることから無下には扱えないと感じているところで、友人の田辺純の機転で自然と距離を置くことに成功する。

名前に聞き覚えのあった純がネットで名前を調べると、睦雄が過去にストーカー殺人事件を起こした元受刑者だということが明らかになる。人格に問題のある元犯罪者に警戒する2人。警察官に報告をすることを思い立つが、運悪くちょうど新しい駐在員の引き継ぎのタイミングとかぶってしまう。

その頃、愛知県警本部では警察官を退官し、犯罪者の更生の手助けをしていた鈴木賢が失踪する被害が報告されており…。

第2話

泉圭太の元に別居中の妻と娘が訪れていた。名古屋で暮らしたい妻は、婚約指輪を外し別れる覚悟を伺わせている。それに気付いた圭太は憤りを隠せない。そんなおり、若い女のいない村で性欲を持て余し、公衆便所で自慰行為をしていた睦夫と鉢合わせする。仕事につけるかの確認をしに来たのだ。丁重に断る圭太。しかし、「若い女がいるじゃねーかよ」と睦夫は、圭太の妻に心の中で目を付ける。

その頃、県警の警部と失踪中の警察OBの妻は、元受刑者を保護するアパートへと赴いていた。元受刑者が住んでいた部屋を確認すると睦夫宛の裁判所からの出頭命令の文書が見つかる。さらに、鈴木賢治の住んでいた部屋を確認すると、睦夫についての保護観察の書類が不自然に抜け落ちていた。かろうじて残っていたメモには睦夫の就職先として猪狩町のイチヂク農園が候補として上がっていることを見つける。

警部は、睦夫が猪狩町に居ると目星を付け地域に情報を上げるよう通達し現場へと向うのだが。

感想

いきなりですが、『予告犯』好きなんですよ。漫画版はもちろん映画化もされた作品で、特に映画に関しては話の展開を知っているのに泣けてきました。筒井哲也の作品の特徴なのか、社会派というか現在進行形で存在している問題を取り扱っているので、すごく作品に現実感があります。

さらに、いつも全3巻程度で完結させるので無為作品間延びのしない完成度の高い作品が多い印象です。

今作の『ノイズ【noise】』もおそらくその1月に数えられるでしょう。凶悪犯罪を犯した人間の更生と再犯。しばじばネットニュースなんかでも炎上する案件です。ストーカー殺人を犯した睦夫が、好景気にわく限界集落に来ることで鳴り響く不協和音。まだ、話は序盤の序盤ですが非常に不気味な雰囲気を漂わせています。

自分にとっての損得に合わせてコロコロと態度を変える睦夫は典型的なサイコパスと言ったところでしょうか。場所を弁えず自慰行為を行う剛胆なところが気持ち悪く、圭太の妻に目を付けた時の表情には寒気がしました。はっきりいってこの後の展開には嫌な予感しかしません。

同時進行で進む愛知県警の捜査ですが、どうやら次からは警察を交えてのトラブルに発展していくようです。しかし、到着する前に間違いなくひと悶着あるでしょうね。何かが起きそうで起きない。けど、確信的に何かが起こる。ハラハラドキドキが止まらない漫画になっています。

次を読み進めるにはちょっと勇気が必要かも…。