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あんなことやこんなことをあなたに

ネタバレ感想『アイインザスカイ』あなたは80人を救うために1人の少女を犠牲にする決断ができますか?

 さてー!

正義とは何か?80人を救う為に1人の少女を犠牲にしても構わないか?

こういった答えの難しい…というか、答えがあるのかさえわからないことを考えるのが好きな立川あつです。

ドローンを使用する現代の戦争の闇を浮き彫りにした軍事サスペンスとして注目を集めている映画『アイ・イン・ザ・スカイ/アイインザスカイ 世界一安全な戦場』が1月14日に全国公開されます。

イギリスで脚本賞を受賞し評価の高い今作ですが、都内ではtohoシネマズシャンテで先行上映されています。

私は、いち早くクリスマスの日に観に行ってきました!

レビューやSNSなんかでは、ゴジラの出てこないシンゴジラなんて言う風に例えられています。

確かに、軍事的な決定にどれだけの人の思惑、思想、信念、葛藤があるのかということを描いているということでは一致しています。

ただ、この『アイインザスカイ』はあくまで現実に起こりうることを映画で表現していました

そういった点ではエンタメとしてだけではなく、戦争や国の安全について考える良い題材になる作品だと私は感じました。

みなさんは、80人を救う為に1人の少女を犠牲にしてでもドローンからミサイルを打ち込みますか?

後半に一応自分なりの答えも書いています。ヘタレ人間の臆病な決断を是非ご覧ください!

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

移民推進の闇が思ったよりも深刻みたい

この映画でに出てくるイスラム過激派のターゲットには、イギリス人女性が含まれていました。

移民推進をすると当然、様々な宗教を持った人たちが集まります。当然イギリスには宗教の自由があります。

イスラムが身近になり国内で改宗・先鋭化した結果、テロ活動に加わるようになったという設定です。

日本でも議論に上がる移民推進、反対の議論ですが、正直私はこんなリスクがあるなんてことは考えもしていませんでした。

「文化の違いからくる軋轢にどう対応するのか」くらいなものかと思っていましたが、現実にはもっと深刻なリスクが伴うようです。

日本は比較的イスラム過激派のテロの標的からは遠い存在ですが、それでも偶発的に被害に遭う人がいます。

それだけでなく、加害者になる可能性も現実的なものなんですね。

グローバリズムとか、多様性の受容とか差別反対など綺麗事で割り切れない問題も存在しているということが、この映画を見て分かりました。

もはや、戦争は会議室で起きてるんだ!

誰もが知っている踊る大捜査線の名言。

事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!という言葉は、現実をには当てはまらなくなってきているようです。

この映画では、ミサイル発射の決定までのプロセスのほとんどが現場とは離れた場所で行われていました。

副題の言葉を借りると「世界一安全な戦場」つまり、会議室や遠く離れた基地内が舞台になっています。

しかも、その決定を行う人たちは、会議室に入る直前まで娘のプレゼントをどうするか迷っていたり、エビに当たって下痢気味でトイレから連絡を受けたり、コミカルに描かれる始末。

現場の緊迫した雰囲気とは、かけ離れた空気感の演出も印象に残っています。

そして何より驚いたのは、ミサイル一つ打つのにこんなにめんどくさい手続きが必要なのかということ。

法治国家としてちゃんとしたプロセスを踏むということは必要なことです。しかし、現実は否応なしにイレギュラーな出来事が起こります。

想定外の自体への対処となると、これほどノロマになってしまうのかと半分呆れてしまいました。

映画だと分かっていながらもやきもきしたのは私だけではないですよね。

「テロリストは、なんでもありなのに…」と子供のような思いも、正直湧き起こりました。

子供の頃イメージしていた未来の戦争は、ターミネーターです。歩行型のロボットやラジコンのような機械にレーザー銃を取り付けとのドンパチ。

現実は、想像以上に地味で残酷なものです。空と小型の監視カメラによる状況把握。オモチャのようなドローンからのピンポイント空爆

一方、科学力を持たないテロリストは、いまだに前時代の装備でルール無用の戦争をしています。

米・英軍は相手に一切攻撃の余地を与えずに、ミッションを終えることができます。

テロとの戦いは、地道なスパイ活動による情報収集とピンポイントの空爆にによって行われている。恥ずかしながらそんな事実すら知りませんでした。

誰かの言葉で、「正義とは自己犠牲である」といいますが、この戦争には自己犠牲がほとんどありません。むしろ、テロリストの方が自己犠牲の元に目的を成そうとしています。

この戦い方では、兵士が病んでしまうのも理解できます。

正義を感じられ機会はなく、相手を一方的に殺すことだけをこなしていかなければいけないわけですから。

しかも、そこに至るまでのプロセスは会議室で決められて情報が降りてこない。

まさに、戦争は会議室で起きている!そんな十数年前なら、完全に冗談だったものが今や現実に近づいているということを実感しました。

あなたは80人を救う為に1人を犠牲にしても良いと思いますか?

劇中では、様々な要因が重なり推定80人の命を救うのか?その為に目の前の1人の少女を犠牲にして良いのか?という選択を迫られることになります。

究極の2択です。

現場では、なんとかして少女を遠ざけようと努力しますが、それは叶わない。

そうなった時、私たちはどういった選択をすれば良いのでしょうか?

この映画では、軍事的な目的と立場から一貫して爆撃を主張する人。

とにかく犠牲にすべきではないと主張する人。

意思決定できる立場にありながら、決定をたらい回しにする人。

疑問を感じながら従う人。

疑問を感じて権利の中で意見をいう人。

様々な立場の人の思惑・葛藤がでてきます。答えを出すのは、当然簡単ではありません。

ただ、これはやっちゃいけないということは明確だと思います。

それは、とにかくテロリストをやっつけろと少女の命に対して何も考慮しないこと。そして、選択を放棄して「とにかく戦争は反対だ」と国会前に逃げ込むことです。

現実に起こりうる問題に対しては、明確な答えを出しておく必要があると私は思います。

そう考えると、劇中にも1人やっちゃいけないことをやってる人がいました。あくまで逮捕を優先して「とにかく少女を犠牲にするべきでない」と主張していた女性です。(役職はなんだったかちょっと忘れちゃいましたが…)

これは、80人の犠牲が出るリスクを単に矮小化してないものとして考える逃避じゃないでしょうか?

そりゃ、その先にリスクがなければ何もこんなに右往左往しなくて済みます。しっかりと80人の犠牲が生まれる可能性も考慮した判断でなければ、答えにはなりません。

それをしないのは、単なる無責任でしかありません。

しっかりと条件を踏まえた上での答えが、検討に値するものだと私は考えます。

例えば、何人かの友達とこの映画を観に行ったら、それぞれ違う答えが出てくるでしょう。

そうやって、どうするべきなのか話し合うところまで楽しめる映画になっているんじゃないでしょうか。

自分なりの答え

ある意味逃げなんですが、この場合どちらの選択も正しさを求めることはできないように思いました。

1人の犠牲を選ぶか80人の犠牲を選ぶか比較することはできず、私の価値観からはどちらも間違いだからです。

それでも選択は、しなくちゃいけません。

私は、この先に80人程の犠牲が想定される場合、ミサイルを打たないという選択はないと思いました。

といっても、1人少女の命を軽んじているということではありません。今作のように最大限、犠牲が避けられるように努力する必要はあります。

それでもミサイルを撃ち込む決定をするのは、単に「責任」の問題に尽きます。ミサイルを撃ち込んで1人の犠牲の責任を背負うのか、無視して80人の犠牲の責任を負うのか。

私が当事者だとしたら、そこの損得感情が決定の要因になります。

80人の犠牲を背負いこむよりマシなような気がするのです。

というように、この決定には恥ずかしながら正しさみたいなものは、すでに追いかけていません。

正しさを求めること自体が本質的にできないのだと思います。

テロとの戦いはいくらこちらから避けようとしても、避けられるものではありません。もはや、不可抗力と言って良いと思います。

正しさを求めるならテロという手段を無くしてしまわなければいけない。ただ、そんな絵空事を可能にする方法論は世の中には存在してないことは、誰もが理解しています。

恥ずべき作戦だと言う人もいましたが、恥ずべきだと批判するならそれはまずテロに対してです。テロがなければ、こんな作戦もそもそもないわけなので。

なぜか批判の矛先を間違えている人たちというのが、政治活動の中にもありますよね。

そういう人たちは、いかに自分たちが正しいかを主張することが目的なので、色々条件があることは無視してしまうんでしょうね。

といっても、私自身専門家でも熱心なワケでもないので、ひょっとしたらこの問題に対して明確な正しさを主張する余地があるのかもしれません。

皆さんは、どのように答えを出しますか?

解釈は人それぞれなので、色んな人の意見に私は興味があります。

こういう考え方もあるよ!というものがあれば是非コメントを残して行ってください!

まとめ

この問題って、一昔前に流行ったこれから『正義の話をしよう』にそっくりですよね。

私も読んだはずなんですけど、びっくりするくらい何も覚えてないです。笑

もう一回読み直して、内容を理解した上でこの問題を考えるとまた違う答えが出るかもしません。

また、今作ではドローンを操作する兵士の心情というのは一つの要素でしかありませんでした。

しかし、映画『ドローンオブウォー』では無人戦闘機ドローンにより、戦地に行かずして空爆を行う現代の戦争の実態と、PTSD心的外傷後ストレス障害)に苦しめられるドローン操縦士の異常な日常をリアルに描いています。

今作が気になった人は、合わせて見るとより面白いんじゃないでしょうか。

ただ残念ながら、U-NEXTなどでは今の所、配信されていないようです。TSUTAYA DISCAS/TSUTAYA TVなら30日の無料体験で借りることができるようです。

『アイインザスカイの』予習・復習でチェックしてみてください!

映画『土竜の唄 香港狂騒曲』感想 菜々緒、仲里依紗のもろパンが観たけりゃ劇場へGO!【ネタバレ】

さてー!

下ネタ大好きな立川あつです!

三池崇史監督&宮藤官九郎脚本&生田斗真主演の映画土竜の唄が12月23日に全国公開されました。

私は、この下ネタ満載おバカ全開の映画をクリスマス・イブの夜に観ていってきました!笑

なんでイブにわざわざそんな映画を?なんて野暮な質問はやめて下さいね。

いや、聞かないで本当に。うん。

けど、意外とR指定付いていない作品のようです。子供に見せれるほどの健全なシーンはあまり無かった気がするんですが…。笑

私は、原作漫画未読でしたが、内容説明は最初にがっちりやってくれるので、初見でもなんの問題もありません。

監督、脚本、主演と根強いファンのいる作品なので、イブのレイトショーでも思ってたよりもお客さんが入っていた印象です。

とにかく、その日がどんな日かなんてのは忘れるほどのくだらないお話で、終始笑い声の聞こえる映画でした。

家に帰ったら何も考えずに爆睡。サンタさんは来てくれませんでしたが、主演女優さんたちのもろパンが私にとってのクリスマスプレゼントです!

ありがとう!菜々緒仲里依紗

雪は降りませんでしたが、ある意味ホワイトクリスマスでした。←馬鹿

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

エロいけど一線は越えないバランス感覚が良い

まぁ、もう先にふれちゃってるんですけど、この映画はとにかくエロ要素満載でした。

主演女優さんのパンツが見えてしまう…というよりもあえてパンツを見せるために用意したんじゃないかという演出。

そして、下半身が戦闘態勢になってしまった際のリコーダー音。

エロいシーンがあるというより、コミカルなエロシーンをたくさん盛り込みたいがために作ったような映画でした。

ただ、エロさを見せるというよりも下品さを強調した演出で、子供に見せてもギリギリアウトな内容といった印象です。あくまで、アウトはアウトなんですけど…。笑

特に個人的には菜々緒さんが凄く良かったです。

中国マフィアということもあってか、かなり香港アクションを意識したバトルが多かった今作。

正直、戦いっぷりなんかは良くあるやつといった感じです。

ただ、それを菜々緒さんがやるということに大きな意味がありましたね。

美脚を振り回して戦うシーンは、多くの男性が蹴られたいと思ったんじゃないかと思います。笑

さらに後半には、まさにキャラクターにぴったりのムチを持って登場してくれました。

完全に女王様ですね。

原作に忠実なのかは分かりませんが、見にくる人たちが観たいものを魅せることを徹底してくれる親切さを感じました。

まさに、はまり役でした。

ばっさーも他の映画では、見せないなかなかの攻めっぷり。

説明が難しいですが、またがってリコーダーが鳴るか確認するシーンは一番笑いました。笑

ただ、エロいといってもおっぱいの一つも出てこないのが、絶妙なバランス感覚だなと感じました。

少年漫画に出てくるような笑わせる為のエロで、本当にエロいわけではないといった感じでしょうか。

恐らくテレビでの放映を考えた配慮でもあるんでしょうね。

面白いキャラたくさん!

エロ要因としての菜々緒さんはもちろん今作では、キャラの立った人物がたくさん出てきました。

主人公がなんだか、薄く感じるレベルです。

を送り込んでいる上司の3人組。

踊る大捜査線の中にも出てきましたよね。

なんだかもの凄い既視感があったのは、私だけじゃないですよね。笑

今作では、土竜の唄二番を披露していましたが、恐らく一番を前作で披露してるんでしょうね。歌の内容よりも、そっちが気になってしまいました。

まぁ、続編があるかははてなですが、もしあれば是非三番も聞きたいですね。

そして、ヤクザのモモンガ古田新太さんが演じていましたがこっちも既視感が。笑

シリアスなシーンとコミカルなシーンで、声色を使い分ける難しい役でした。

演技力お見事というのは、もちろんですが私は、違うところが気になりました。

ししししという笑い方。

池袋ウエストゲームパークというドラマでチンピラをやっていた頃と同じ笑い方なんですよね。

ドラマで観たときと同じように印象的で、1人でツボに入ってました。笑

びっくりするほどの低評価!笑

Yahoo!の映画レビューサイトを確認してみると今のところ評価は、1.8と見たことのないレベルで低かったです。笑

まぁ、気持ちは分かります。

内容が薄いですもんね。それは、間違いないです。

黒幕に意外性があればもう少し深みのあるコメディになったのかもしれませんが、私黒幕ですって感じで登場して案の定黒幕でしたからね。笑

まったくストーリーに意外性がなかったのが、低評価の理由なのだと思います。

笑わせてくれるものの、特にひっかるものはなく2時間が過ぎていく感じは確かにありました。

お金を払ってて見るものなので、何か心に残るものが欲しいという気持ちもわかります。

私自身印象に残っているのは、菜々緒さんの美脚とムチと虎にがっぷりいかれながら落下するオチだけです。笑

ただストーリーの工夫のないB級感もくだらない下ネタも全て意図して作られていることは、間違いない作品だと思います。

ひたすらおバカを楽しむということに価値を感じられない人は、低評価をせざるおえなかったのかなと感じました。

まとめ

潜入捜査っていうのは、結構シリアスに描かれることの多い設定ですが、こんなおふざけしてて良いんでしょうか?笑

今作でも、メインテーマは人身売買ですからね。本来、あんまり軽んじて扱われるジャンルではないです。

まぁ、難しいことは考えず面白ければ良しとしましょう。笑

原作は、現在51巻まで続く超ロング連載作品なんですね。

こういったギャグテイストの作品結構好きなので、年末年始の時間があるうちにできる限り一気に読んじゃおうかと思います。

この映画に合わせて、じっくり試し読みできる漫画として配信しているようです。

1月10日まで、8冊分無料のキャンペーンになっています。気になる人は是非チェックしてみてください。

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映画『ポッピンQ』感想 かわいいポッピン族とキャラに癒されに行けば?【ネタバレ】

さてー!

みんなの大きいお友達の立川あつです。

東映アニメーションが創立60周年を記念して手がけた、完全オリジナルの長編劇場アニメ ポッピンQが12月23日に公開されました!

プリキュア」シリーズのダンス映像を数多く手がけてきた宮原直樹が監督を務めるということでも話題になっていましたよね。

正直、私はこの手の作品とはあまり縁がないというのが本音です。

ただ、私がまだ学生の頃、アイドルマスターが流行っていた頃にネットに挙げられている動画を観ていました。

そんなノリで観れば楽しめるでしょ!と思い公開初日に観に行きました!

劇場は、レイトショーということもあって、大きいお友達がいっぱいいてくれて安心しました。笑

というか、大きいお友達しかいませんでしたけどね。

内容は、思春期の葛藤を友情とダンスで乗り越えていくといった感じの王道青春ストーリーでした。

ポッピン族も異常なほど可愛かったですね。ベッドにぎゅうぎゅうに敷き詰めて寝たいレベル。

エロ、グロ、胸糞と心が汚れてしまうものばかりを好んで観ることの多い私は、汚れのないお話に心が洗われる気持ちになりました。

ただ、やや綺麗過ぎて招かれざるお客だったかなという気もします。

ダンスシーンなんかもきっと監督のファンの人なら興奮ものなんだと思うのですが、そこらへんの熱も私の中からは、かなり失われていたようです。

少し残念でしたね。

ただ、特に文句の付けるようのない安定感のあるアニメだったと思います。

プリキュアの名作と言われているものだけでもチェックして宮原直樹監督の作る世界感を知っておくともっと良かったのかもしれません。

気になっている人は、監督の作品を復習してから劇場に足を運ぶともっと楽しめると思います。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことを書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

私は完全にあさひちゃん推し!

ストーリー構成に伏線、舞台設定や演出。

色々楽しむ要素はあるんでしょうけど、このアニメ映画で観るべきはやっぱりキャラ設定なんじゃないでしょうか?

というこで、私の推しメンはあさひちゃんです。

合気道と柔道をやっているのに、女の子らしいことが好きというキャラクターでした。

ギャップ萌えだし、私自身格闘技が好きというのもあるので、どうしても贔屓して観てしまっていました。

劇中での技もしっかり合気道的な技を使っていて、経験者が観ても納得の出来なんじゃないかと思います。

一番良かったのは、ラスボスをがっちり脇固めに抑え込むところですね。

あれをやられると本当に逃げられないんですよ。

是非、自分もかけられたかった…。

というとあれですが、私には一番はまりましたね。あさひちゃんにはめちゃくちゃ癒されました。

というか、主人公のいすみに関しては推すための要素がなかなか見つけづらいキャラだったように思います。

最初は、「キャラ設定間違ってるんじゃないか?」というほどの違和感。

思春期特有の自意識からくる負けを認めたくない気持ちからくる嘘。

もちろんそれを乗り越えて素直になることがテーマなのはわかってるし、誰もが通る道でもあるから文句は言える立場じゃないんだけど、どうしてもうまく感情移入できませんでした。笑

いや、自分が通ってきた道だからこそ反発を感じるのかもしれませんね…。同類嫌悪的な意味で。

ダンスはどうだったか?

二次元でアイドル的なキャラが踊るといえば、私はアイドルマスター以外は知りません。それも初期のやつ。

プリキュアの監督の作品なので、そっちでも踊ったり歌ったりがあるんですかね?そこまでは、詳しくありません。

一時期、ニコニコ動画にはまっていた時期があり、そのときに良く再生回数が付いているのをなんとも言えないコメントと共に観ていました。笑

なんか、中毒性があるんですよね。かわいい女の子のダンスには、マイナスイオン的な何かを感じます。

それを観ていたから、今は実際のアイドル(乃木坂・欅坂)にはまっていったのかもしれません。

で、劇中にでてきたダンスシーンはどうだったかというと、確かに動きにぬるぬる感?があって映像の進歩を感じさせられました。

振り付けなんかも、私がアイマスで観ていたものよりもかなり複雑でした。

それに、最初のうちは心も振り付けもバラバラだったものが、困難を乗り越えて弱い自分に打ち勝って最終的に一つになって揃っていくというところにもある種のカタルシスを感じます。

ただ、いかんせんキャラクターに感情移入しきれてない部分がどうしてもあるので、その点乗り切れなかった感は否めません。

まあ、2時間のアニメ映画なので仕方がないんでしょうね。毎週のアニメで感情移入できているキャラであれば、また全然違う見方ができたのかもしれません。

どんな人に向けて作られた映画?

一応、全年齢対象のアニメとして作られたそうです。

私の印象しては、プリキュアのような小学生向けではないけども、大人が全力で楽しむのは少しつらいという印象でした。

舞台設定が中学生の卒業の時期ということもあり、思春期真っ只中でさらに、もともとプリキュアを楽しんでいた世代の人であれば、かなり刺さる映画になっているんじゃないかと感じました。

いすみは、負けを認めたくないという気持ちから嘘を付いてしまうことからくる葛藤。

あおいは、本音を隠して自分から人を遠ざけてしまう葛藤。

こなつは、緊張やプレッシャーに耐えることができず逃げ出してしまう葛藤。

あさひは、両親の期待と自分の気持ちにうまく折り合いがつけられない葛藤。

さきは、過去の友達との軋轢を引きずって立ち直れないという葛藤。

これだけ思春期あるあるを持ち出してきたら、ティーンには自分の悩みだと自己投影して見られるキャラが絶対一人はいるはずです。

なので私としては、これを十代の頃に見られていたらなぁと無慈悲な時間に憤りを感じざるを得ませんでした

エンドロール後の演出長すぎ問題と続編について

もし、まだ見ていない友達にはエンドロール後の演出が凄く長いから、最後まで見た方が良いよと教えてあげてください。

marvelなんかは結構しっかり作りますがそれ以上でした。というか、完全に次回予告といった感じで続編があることを示唆していましたよね。

内容としては、高校に上がって今度はリアルの世界で謎の少年レノとの対決が描かれるようです。

確かに、時間の関係は当然あるだろうけど一人一人のキャラの掘り下げが足りないなと言う感じは間違いなくありました。

さらに、劇中ではレノは悪役側のはずがやられることなくフェードアウトして、あれ?と思いましたよね。

彼の正体は、続編でのメインキャラクターだったと。いろいろ納得です。

さらに新キャラも多数いましたよね。単なるモブかもですが。

といっても、続編についてはあくまで示唆で、公式サイトなどを観ても今の所決定事項ではないことが伺えます。

もちろん、もう既に決定していて時期がきたら正式発表ということも十分あると思います。

ただ、評判や売り上げなどを考慮して決めるというのが、定番のやり方なんじゃないでしょうか?

ツイッターをフォローしているので、なにか続報があればこちらでも追記したいと思います。

まとめ

95分という時間のなかで、しっかりと起承転結をぎっちり詰め込んだ作品なので、ややダイジェスト感があるのはご愛嬌といったところでしょうか。

続編もあってそっちも含めて一つの作品ということであれば、映画をまた違った視点で観られる機会もあるかもしれません。

それは、一つの楽しみではあります。

原作ありきの作品が多いなかで、あえて完全オリジナルで攻めているのは少なくともそれだけで好感が持てます。

やっぱオリジナルって、事前情報が少ないので他の作品よりも見る前の期待感が全然違いますもんね。

これからも東映アニメーションでは、どんどんオリジナルアニメにチャレンジしていってもらいたいです。

ただ、個人的には結構がっちりとした大人向けの方がありがたいけど。

【絶対に面白い!おすすめ関連作品】

冒頭でもふれたようにこの映画は、プリキュア」シリーズのダンス映像を数多く手がけてきた宮原直樹が監督を務めた作品になっています。

言うまでもなく子供から大きいお友達まで、幅広く楽しまれている作品です。

今作を楽しむための予習にも、楽しんだ後の復習にもプリキュア」シリーズのアニメや劇場版を観てみれば絶対面白いはずです。

このシリーズはU-NEXTで見る事ができるようです。

31日の無料期間に加えていまなら月に600円、2ヶ月目から1000円分のポイントまで付いてくるそうです。

全シリーズを観たとしても、ポイントを考慮するとだいぶお得ですよね。年末年始の時間が取れる間に一気に見てしまうのもありなんじゃないでしょうか!

私も評価をチェックして良さげな回や映画があればチェックしてみようと思います。

映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』感想 やっぱりレーザートラップは最高にクールだった!【ネタバレ】

さてー!

完全バイオハザード世代の立川あつです。

ローラが出演したり、シリーズのファイナルを飾る作品として話題の映画『バイオハザード:ザ・ファイナル/バイオハザード ザ ファイナル』が12月23日に日本先行公開されました。

私は、ゲームを1、2、3とバリバリにバイオをやってきた世代です。

と言っても、映画は最初のやつしか観てないんですけどね。

正確には2も観てるはずなんどけど、寝てしまったのでその後のシリーズは観ていません。笑

しかし!

今作が映画版のファイナルということで「これはさすがに観なきゃでしょ!」ってことで公開初日に劇場に赴きました!

内容としては、終始戦いっぱなしで飽きることのない安定のアクション映画に仕上がっていた印象です。

冒頭に必要な部分をダイジェストで説明してくれるので、今作からでも十分理解できるようになっていました!

世界を救う的な作品は腐るほどあるので、難しさは1ミリもありません。

それに、「誰から死んでいくのか?」を楽しむホラー的な要素もあるので細かいツッコミは無し!というのがこの手の映画を観る大原則です。笑

その点を抑えていたら、誰でも楽しむことができるんじゃないでしょうか?

ただ、やはり完結に向けてシリーズの回想シーンや人物関係なんかも踏まえていらので、全部観ていた方が良いのは間違いありません。

観に行くまで時間があれば、復習してからみることをおすすめします!

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

みんな大好きレーザートラップがキター!

普段はみんな気になってるだろうなというところからレビューするんですけど、いきなりこの話ですいません。

完全に自分の好きに偏ったところから…といってもみんな好きですよね?いや、好きってことでいきます!

触れただけで切り刻まれるレーザートラップ!これを観る為だけでも、私にとってはお金を払う価値があります。

というか、映画のアクションの中で一番好きかもしれないレベル。

1では、仲間がバタバタとやられていく中、隊長一人が懸命に避け続けていく姿がカッコいいんですよね。

特に天井と並行になって避けるシーン。鉄棒を見かける度に練習していました。自分ならどうやって避けるか妄想してた人は、だいたい友達です。笑

まぁ、最終的には理不尽な網の目でやられちゃいましたが。

というか、あれはそもそも攻略できないトラップなのか。

それともレーザーが発生した瞬間に前に出て網の目になる前に乗り越えなきゃいけなかったのか。謎でした。

そのレーザートラップが予告編で出てきた時にはめちゃくちゃ興奮しました。これは観るしかないなと。

本編では、かなりクライマックスに近いところでの登場!

出てきた瞬間「キター!」と心の中で叫んでました。笑

天井に近いところでの180°開脚避け。

前中からの股間ギリギリでのまたぎ避け。

さらに、ファーストでも出てきた体操選手もビックリな天井張り付き避け。

やっぱりこのレーザートラップはいつ観ても面白いですよね。最高でした!観てる間息してなかったと思います。笑

そして長年の謎、網の目は?どうなる?と期待して観ていたわけですが…

なんと…

出て来ず…(´Д` )

非常に残念です。

このファイナルでレーザートラップには、完全攻略があり得るのかというのを楽しみしてた部分があったので。

結局そこは、分からずじまいでした。答えを知っている方がいたら教えて下さい!切実に。

と言っても、DVDが出たら絶対また何度も観ることになるんだろうな。笑

※追記

レーザートラップ攻略について情報をいただきましたので、気になる方はコメント欄よりご確認ください!

私は、映画を観るときはDVD/Blu-ray派ですが、U-NEXT なら現在全バイオシリーズを31日の無料トライアル中に視聴できるそうです。

このシーンが好きだった人は見直してみるのもイイかもしれません。

ローラ何ですぐ死んでしまうん?

この映画は、日本ではおなじみのローラがハリウッドデビューするということでも話題になりましたよね。

バイオハザードは、日本向けということもありタイアップする余地があっただけだと思うのですが、それでもなんだか友達が出ているような感覚で、なぜか嬉しい気持ちで観ていました。

スタイルの良いローラですが、ミラジョボビッチの前では、小さく見えてしまうのがちょっと気になるものの凄くカッコ良かったです。

英語の発音もほぼ完璧だったんじゃないでしょうか?

とは言っても、かなり序盤にやられてしまったのには、拍子抜けしてしまいました。

セリフに関しては予告に出てきてたのが、ほとんど全てでした。

もうちょっと、生き残ってよー!と思いましたが撮影スケジュールと日本での仕事の兼ね合いからあそこだけになっちゃったんでしょう。

こればかりは仕方ない。ローラ目当てで観に来たは、残念だったんじゃないでしょうか。

ローラのハリウッド女優への転換。多分ないのかな。見た目は様になってたんですけど。

大迫力映像!お化け屋敷並に心臓に悪いシーン多数!

ビルからガソリンをぶちまけるシーンしかり、絶望的なまでの大群アンデッドまでとにかく大迫力な映像が多数登場していました。

特に、戦車上での戦いなんかは、マッドマックスを観ているのかと錯覚するほどの世界観がありましたよね。

やっぱりこの手を映画は、劇場で観るに限ります。

マッドマックスをスマホで観るほど寂しいものはありませんが、この映画も観るなら劇場ですね。

そして、「くるか?いや、絶対くるでしょ」と思いつつも、ビックリさせられてしまうというのが、バイオハザードの良いところ。

ゲームが爆発的な大ブームになったのもこのハラハラドキドキ感が半端ないからだったと記憶しています。

3以降どうなってるのか調べたら、現在は7まで出てるんですね。相当進化してるんだろうな〜。

映画を観て夢中になってゲームをやってた頃の記憶が戻ってきました。

今作でもしっかり独特の世界観は引き継いでくれていて相変わらず心臓に悪かったです。笑

多分、監督がやりたかったアクションシーンやゾンビ、クリーチャーの登場は全部やりきったんじゃないでしょうか。

特にこだわりを感じたのは、足を原始的な罠に取られてからのアクション。

いやいや、不用意だろ。俺でもひっかからんわ。というツッコミはなし!

足をロープに捕らわれた状態からの無双アクションを魅せたかったんですよ。絶対。笑

実際、この映画では一番カッコイイシーンに仕上がっていると感じました。

今までになかったですよね。

ロープを使って後からCGで消すというのは良くありますが、あえてロープに吊るされている設定からのアクション。

なかなか斬新で、楽しめました。

終わり方は賛否両論みたい

私は、マッドマックスみたいな世界観に終始興奮しっぱなしで観ることができました。

ただ、長年観続けてきて人たちにとっては、物足りなさがあったようです。

確かに、アクションに次ぐアクションで内容があまりないんですよね。笑)この点に関しては、疑いようのない事実だと思います。

  • Tウイルスを死滅させるワクチンを手に入れる。
  • アリスとレッドクイーンの正体とは?

内容としては、これが全てと言って間違いないです。

期待していたのに、あっけなく終わってしまったという印象になってしまうくらいの薄っぺらさでした。

長年追いかけてきたファンの人たちにとっては、「もっと厚みのあるエピソードを」というのは気持ちとして十分理解できます。

しかし、こういうシリーズものって結局この映画から見ても楽しめるっていう内容で作らざるを得ないっていうのも現実です。

全部見てないとわからないじゃお客さんが集まらないですしね。

1しか見てない私が、楽しめたのは逆に言うと内容を薄くしてくれたからだともいうことができます。

『マッドマックス』に内容を求めないと一緒で、アクションを観る為の映画という視点じゃないと期待外れになってしまう作品だと私は、感じました。

SNSやレビューでの酷評は、この点に集中していたと思います。なので、ストーリーを期待しているファンの方は、レンタル開始したら確認してみるくらいで良いかもです。

まとめ

私の人生では、ゾンビとの初めての遭遇はバイオハザードでした。

それから、ゾンビものの虜になって漫画、アニメ、海外ドラマ、映画とあらゆるゾンビものを観ています。といっても、ゾンビものの8割はなかなかのゴミっぷりのものが多いんですけど。笑

今作の『バイオハザード』は、ゾンビとの戦いという感じでは正直なかったですが、長年楽しませてくれたことに感謝したい気持ちでいっぱいです。

とにかく、しっかり完結してくれた。それだけで、十分なんじゃないでしょうか。

それにアリスも生きていて、まだこの後の世界があるということもなんとなく示唆してくれましたしね。といっても、レッドクイーンのエンドロール後のセリフは意味不でしたけど。笑

【絶対に面白い!おすすめの関連作品】

やっぱりせっかく完結したシリーズものなので、もう一度1から復習して観てみたいですね。

私は、1しか観ていないのでまだまだ『バイオハザード』の世界観を楽しむことができそうです!

やっぱり、大好きなレーザートラップのシーンをもう一回見返したい。笑

特に1は、ラクーンシティを舞台にしてますしね。ゲームでは、2でしたよね。始まりの場所に帰ってきた本作から1を見直すとまた違った見方ができるかもしれません。

12月23日現在、U-NEXT で観れる動画になっています。

31日の無料期間に加えていまなら月に600円、2ヶ月目から1000円分のポイントまで付いてくるそう。

年末年始の時間が取れる間に一気に見てしまうのもありなんじゃないでしょうか!

私の場合は、そんなの関係ないので寝ずに見ちゃうと思うけど。笑

復習したい人は是非チェックして観てください!

映画『幸せなひとりぼっち』感想 最初は不快感でも最終的にはオーヴェ萌えになること間違いなし!【ネタバレ】

どうも!妻と生き別れた訳でもないのにひとりぼっちの立川あつです!

スウェーデンで5人に1人が観た!スターウォーズに勝った!と話題になっている映画『幸せなひとりぼっち』が12月17日に全国公開されました。

私は、新宿シネマカリテの割引デーの日に観に行ったのですが、劇場は満席でした。

しかも、自分が観に行った時間だけでなくその日の公開分、全てが満席だったようです。

今は、公開している劇場が少ないですが、これからどんどん増えていって欲しい映画です。

笑い声、すすり泣く音。一体感。

周りの人の反応まで含めた鑑賞体験は、劇場でしかできませんし、私は結構好きです。

子供からお年寄りまで楽しめる映画なので是非、身近な人を誘って観に行ってください。

【作品情報】

世界で250万部を売り上げたフレドリック・バックマンのベストセラー小説を映画化した作品。

主人公のオーヴェを演じるロルフ・ラスゴードはスウェーデンアカデミー賞と言われるゴールデンビートル賞で主演男優賞と観客賞をダブル受賞している。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことを書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

偏屈おじさんが出来上がるまでの軌跡に涙

セットで割引の花に対して怒鳴り声を上げて不満を訴える。

自動車の通行禁止のルールには、どんな例外も認めない。

その他、ゴミの分別、自転車の駐車、犬のおしっことどんな細かいことにも厳格で、違反している人には容赦無く怒鳴り声をあげる。

いわゆる、おせっかいの偏屈親父。私が育った北海道の地元にも、まさにこういう人がいました。

◯◯のおっちゃんと呼ばれて、忌み嫌われてたように記憶しています。

ひょっとしたら、近所の偏屈親父という存在は、世界中で普遍的に存在しているんでしょうか?笑

正直、冒頭の花のシーンなんかは、呆れてしまうようなクレイマー的な態度で、できるなら一生接点を持ちたくない人だなと感じてしまいました。

これは、むしろ周りの人がかわいそうだなと。

しかし、映画って言うものは不思議なもので、観ているうちにだんだんこの偏屈親父、オーヴェが愛おしくなっていきました。

父親から教わった正直さ

まず、その偏屈の根本的な原因になっているであろう父親とのエピソード。

父親の掃除の仕事を手伝っていたオーヴェは、汽車の中で財布を見つけました。

その財布を紆余曲折の末、父親からお前の好きなようにして良いと言われます。

見つけた時は、自分のものしようとしたその財布を、オーヴェは落し物として届けることにします。

その時に、父親から「正直であるのが一番だが、正直でいる為には後押しが必要だ」ということを教わり、オーヴェは死ぬまでそれを守り続けることになります。

私は、聞いたことのないタイプの人生訓ですが、なるほどなと共感することのできる言葉でした。

このエピソードを知るとあくまで正直でいようとする姿のようにも見えてきます。

ソーニャとの出会いで分かる不器用すぎる性格

そして、妻ソーニャとの出会いでオーヴェがいかに不器用な人間かということもわかります。

家を無くしたオーヴェは、仕方なく汽車の中で夜を明かすことになります。

しかし、起きた時には既に汽車は動き出してしまっていたのですが、そこで運命の出会いが待っていました。

それが、後に妻になるソーニャ。そこで、切符のお金も持ってないオーヴェはお金を借りることになります。

オーヴェは、明らかに一目惚れしていたので、そこで連絡先を聞けばいいのに聞けませんでした。

まあ、しょっぱなからだいぶ不器用なのが伺えましたよね。

さらに、レストランでも楽しい会話ができず切り出した話が車の話なのも不器用だし、好きなものを頼んで欲しいからと先に食事を済ましてきてしまうのも不器用だし、気を引くために軍人だと嘘をついていたことを打ち明けるというのも全部不器用でした。

とにかく不器用。不器用&不器用。

ただ、その不器用さの中に間違いなく優しさがあることもはっきりと感じられました。ソーニャがオーヴェのことを好きになるというのも十分理解できます。

ただ、ちょっと男の願望が入っている部分はありますよね。ソーニャみたいにありのあまの自分を受け入れて愛してくれる人がいて欲しい。

そんな人に巡り会いたいと。実際は、そんな天使はいないっすよ!そうでしょ?ってやさぐれる場面じゃないか。

まあ、あんまり映画の世界観の外に出ちゃうのは良くないですね。戻します!笑

オーヴェの秘密

そこで話が終わってくれれば良かったんですが、オーヴェはもっと大きな秘密を抱えていました。キッチンが低いことと関係しているエピソードです。

序盤から気になっていて、そこが核心だろうなと思ってはいたのですがなかなかつらい話
でしたよね。

旅行先のスペインでの事故でソーニャは子供を失い、さらに車椅子生活を余儀なくされます。

事故の原因は、「ルールを守らない人たち」によって起こされたものでした。

しかし、責任を追及しようにも裁判所に訴えは棄却されてしまいます。

さらに、車椅子であるという理由でソーニャの教師になるという夢まで閉ざされかけました。

こんな理不尽な現実にもソーニャはあくまで前向きで、オーヴェに「今を必死に生きるの」と語りかけます。

その言葉で、オーヴェは断られた学校にいき自らバリアフリーのスロープを作ってしまいました。

このシーン、なかなか胸にグッとくるものがありましたよね。

振り上げた拳を下ろす場所が、見つからないもどかしさ、怒り、悲しみがあったはずです。それを押し殺してソーニャのためにできることを全力でする姿。泣けます。

コメディタッチの部分もたくさんあり泣かなくて良い映画かなと思っていたので、不意打ちを食らった感じです。

死のうとする姿には笑わされ、前向きに生きようとする姿に泣かされるという不思議な映画でしたよね。

正直+不器用+理不尽な境遇=オーヴェという男

「車は思ったより単純には動いていない」というセリフが劇中で何度か出てきます。

このセリフは、まさにオーヴェのことを言っているんじゃないかと私は感じました。

オーヴェも単純に偏屈というわけではないことが、映画を見ていくなかで徐々に明らかになっていきました。

丁寧に挟まれる回想のエピソードを見るたびに、オーヴェがどういう人間かわかってきました。

極端なまでにルールに厳しいことにもちゃんと理由があったわけです。

一旦それを知ってしまうと、もう単なる偏屈おやじだとは見ることができなくなります。

原題は『オーヴェという男』と訳すそうなんですが、こっちの方がしっくりくるタイトルですね。

同じ人なのに映画の最初と最後では、全然別人のように感じました。

といっても、死ぬ間際でも救急車すら通そうとしないあたり、最後まで間違いなくオーヴェでしたけど…。笑

死に関わるシーンでは意地でも泣かせないとう、監督のこだわりがあったんでしょうかね。

まとめ

私は、今回初めてスウェーデンの映画を観ました。

スウェーデンと言われるとIKEA福祉国家というイメージしかありませんでした。

ただ、この映画では孤独死やマイノリティの問題、隣人愛などかなりどこの国にもある普遍的なテーマを扱っていて、知らない国のできこと思えないくらい身近に感じました。

というのも、冒頭でもふれたように私自身の経験でもオーヴェのような人が短にいたこと、さらに今は少ないであろう平屋が並ぶ横のつながりの深い地域で生まれ育ったことも親近感を覚えた理由かもしれません。

小さいころには、隣の知らない老夫婦のうちに預けられたりしてましたしね。まさにパルヴァネの二人の子供みたいに。笑

もし、自分がソーニャのような女性と巡り会えたら、この映画で観たような隣人に囲まれた場所で生活したいものです!

絶対に面白い!おすすめ関連作品

SNSやレビューサイトでも言われているようにこの映画は、クリントイーストウッド監督・主演の映画『グラントリノ』みたいと言われています。

それぞれ良さがあるので、あまり似てるっていう表現はしたくない派です。

ただ、この『幸せなひとりぼっち』を見て共感できる人であれば、『グラントリノ』も間違いなく響く作品だと思います。

私は、最近dTVに入ったので週末には、復習してみたいと思います。DVDも絶対買いですね。いつでるんだろ?

映画『ドントブリーズ』感想 劇場からポップコーンを食べる音が消えた!心臓バクバクしっぱなしの90分【ネタバレ】

観てるこっちまで息の止まる映画だったぜ。いや、マジで!これから見る人は覚悟してください!

全米でスマッシュヒットを記録した話題のショッキングスリラー 映画『ドント・ブリーズ/ドントブリーズ』が12月16日に全国公開されました。

ホラー好きには、おなじみの映画「死霊のはらわた」のリメイク版を務めたフェデ・アルバレス監督の作品ですね。

YouTubeに自主投稿した作品が話題になって、制作を依頼されるようになった異色の経歴を持つ人です。

私は、公開翌日に観に行ったのですが、なんと劇場は満席。一席の空席すらありませんでした。

全然期待していなかったのですが、劇場に着いた途端に期待値がぐんぐん上がっていきました。

内容としては、映画を観ていることを忘れてしまうくらい張り詰めた空気感で、息をしたらこっちまで殺されてしまうじゃないかという恐怖をリアルに感じる作品でした。

ポスターを見る限りではお化け的な話のようにも見えますが、今作では盲目の退役軍人が恐怖の対象として描かれています。

私は、お化けものは冷めた目で観てしまう方なので、こっちのほうが全然大好物です。

ドキドキハラハラする作品なので、カップルなんかで観に行ったら吊り橋効果的なやつで仲が深まること間違いなし!かも…

【作品情報】

サム・ライミ製作、リメイク版『死霊のはらわた』のフェデ・アルバレス監督の作品。

ホラーの鉄板を踏襲しつつ、ジャンル的にはクライムスリラーのテイストが強い。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

ネタバレ感想

ちゃんと誰が最初に死ぬか考えてましたか?

この手の映画の醍醐味は、なんと言っても「誰がどんな殺され方をするのか?」ということですよね。

「殺され方を楽しむ」というのもおかしな話ですが、観終わった後の満足感に関わってくるのでどうしても期待してしまうところです。

皆さんは、誰が一番最初に殺されると思いましたか?

無計画で破天荒、いかにも軽率そうなマニー。

お金を手に入れてなんとか妹と一緒にカルフォルニアで人生をやり直したいと考えているロッキー。

慎重で計画的、どっからどう見てもロッキーに片思いをしているアレックス。

ややメインの登場人物が少なくて物足りなさを感じてしまったのは、私だけでしょうか。

ただ、ホラーの鉄板で死んでくれても特に後腐れのない窃盗集団なので、とりあえずは安心しましたよね。

子供を失った障害者の家に強盗に入るという時点で、やられても仕方ない。というか、「むしろやられちまえ」くらいに思わせてくれる親切っぷりでした。

私は、冒頭からマニーの存在感にビンビンと最初の犠牲者としてのフラグを感じ取っていました。(たぶん、みなさんそうですよね?)

心の中で100万円かけるレベル。笑

老人を眠らせる為に、3人と別れて1人で2階に上がって行った時には、心の中でキター!と叫びましたが、ここでは肩透かしをくらってしまいました。

ただ…この監督分かってますね。

思っていた通りのタイミングだと、恐怖が半減してしまいます。

しかし!

最初の犠牲者はやっぱり予想通りマニーでした。

盲目にも関わらず、一瞬で銃を奪う動きは既に単なるイラクに派遣されていた一兵卒の動きではありませんでした。

座頭市勝新もビックリ。あるいは、ジェイソンボーン顔負けの身のこなしでした。それが、悪役側ってんですからヤバイですね。

一人で来たのかを確認され、一瞬解放のパターンがあるか?と思わせといてのズドン!ちびりそうになりました。笑

これで、もう目が見えないということは、必ずしもハンデではないということをまざまざと見せつけてきました。これは、良い一人目の犠牲者でしたよね。

そして、いくらお金があるからといってあまりにも厳重すぎる警戒体制もこれからの展開の伏線になっています。

ホラーにありがちな「なんで?」というツッコミがないように、しっかりと設定を作り込んでいて安心して怖がれることを序盤に確信できる作品でした。

盲目の退役軍人が怖すぎる

最初は、所詮普通の人だしなと思っていましたが、予想以上に怖いキャラクターでした。

まず、ビジュアル。

アメリカの軍人ってみんなこんなマッチョなんでしょうか?

最初はやや細身にも見えた老人ですが、シャツから覗く腕はがっちり筋肉がついていて、しかも体脂肪率まで低そう。

白髪の髭面で、目は負傷で濁って当然焦点は合っていません。

私なら見た目だけで、逃げ出す自信がありますよ。笑

こんな人と狭い家の中で鬼ごっこしなきゃいけないとか、想像するだけでも恐ろしいですね。

そして、いうまでもなく聴覚頼りで生活している為に、息をすることもできない緊張感が常に張り詰めていました。

息が詰まるという表現がありますが、まさにタイトルと映画で表現していることが見事にマッチしています。

そして、所詮は普通の人だというのも見事に裏切られましたね。

驚愕の事実。娘の死亡事故の加害者の拉致監禁

これは、多分実際の事件なんかのオマージュも入っているので、妙なリアル感がありました。ただ、監禁の被害者もお金で事件を解決したようで、同情は仕切れない存在でした。

ここら辺、設定がしっかり作り込まれているを感じました。かわいそうは、ホラーの敵ですからね。笑

お化けよりも、リアルな狂気の方がやっぱり断然恐ろしいです。

そして、レビューサイトやSNSでも指摘されまくっている恐怖のスポイト。

本来ならそんな回りくどいことしなくても良いはずなんですけど、退役軍人という設定上やや、遠慮があったんでしょうか。

ただ、かえってその方が狂気が際立っていたようにも感じました。

最初、盲目で娘まで失っているという点に同情すらありましたが、この設定でそんな感情は全部ぶっ飛びましたね。

深刻なシーンですが、ロッキーの見事すぎる拒否っぷりはちょっと笑ってしまいました。笑

希望からの絶望に振り回される…けど、それが良い

通風口から逃げ出せそうになったり、体液軍人いや退役軍人の意識を奪うことに成功したり。

単に怖がらさせられるだけじゃなくて、「いけるか」と思わせてから突き落とす演出にも引き込まれましたよね。

決定的なのは、外への脱出に成功した時。

これは、さすがに勝負ありでしょうと思いましたが、最初驚かされた犬がきっちり最期まで絡んできました。

この終わりかと思わせてからのひとひねりもすごく楽しめました。

やっとエンドロールが流れた時には、安心したのかため息や笑い声も聞こえてくるというのも劇場で見る映画体験の一部で、見に行ってよかったと思える映画でした。

まとめ

映画を観終わった後は、ちょっとしたテーマパークで遊びまくった時のような満足感を得られるほどの作品でした。

こういう低予算の映画で生まれてしまうB級感もありません。

DVDやストリーミングで見るのと、劇場で見るのとでは全然評価の違ってくる作品だと思いますので、是非映画館に足を運んでみてください!

細く作り込んだ設定。感情を揺さぶってくる演出など特に文句のつけようがない今作ですが、自分がアメリカ育ちでないのがちょっと悔やまれる部分でした。

デトロイトの過疎って荒廃した街、退役軍人。アメリカの社会問題を風刺するような部分もありそうですよね。

デトロイトは空洞化が問題になっていて、退役軍人の精神疾患は以上に高い。知識では知っていても感覚的には、よその国の話と突き放して見てしまう要素になっています。

ここらへんの設定に関しては、どうも現実感を持つことができませんでした。ただ、まあ盛り上がっているところでは、全然そんなこと考えてる余裕はありませんでしたけど。笑

絶対に面白い!おすすめ関連作品

冒頭でも触れた異色の経歴を持つフェデ・アルバレス監督。

いまだにカルト的人気を誇る映画『死霊のはらわた』をリメイクしています。この映画ですが、いわゆるB級のスプラッターホラーで今の価値観の中で見ても楽しめるかというと私は、難しいかなと思っています。

ただ、このリメイク版は映像技術も格段に向上していることもあり「受ける」内容になっているんじゃないかと思います

『ドント・ブリーズ』のように怖がらせるのがメインではありません。ドタバタ劇や過剰なカッコつけ演出を楽しんで見るという見る側の受け入れ態勢が必要なんですが、はまる人には絶対はまる作品です。

 Huluにて無料で配信されていますし、なんと好評につき2017年1月からセカンドシーズンも始まります。

30日の中の無料体験で見ることができますので、ホラーが好きなら是非チャレンジして見てください!

ネタバレ感想『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を算数の問題のように考えたら普遍的な愛についての考察に繋がっていた件

みんさん!『ぼく明日/ぼくは明日昨日のきみとデートする』は絶対にカップルで見た方が良い映画ですよ!絶対!まじで!

人気の原作がコミカライズされ、さらに今回映画化までされた「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が12月17日、全国公開されました。

『ぼく明日デート』なんていう企画で広告なんかも出たりしてて、カップル多いだろうなと思っていたのですが予想通り…というかそれ以上でした。昨日見た、ローグワンとは客層が違いすぎ。

まぁ、私は思いっきりぼっちで見ました。よりによって20分前に劇場に入ったので、息苦しいことこの上なかったです。1人で見に行った戦士が無事帰還していることを祈ります。笑

初めてタイトルを見た時は、こういうラノベ感あるタイトル好きじゃないんだよなと思っていました。ただ、見終わってみると、これ以上ないくらいしっくりきます。

そして、語りたい!何度も読み返したくなるめちゃくちゃ面白い設定の作品だったからです。

頭が固くて分かりにくかったという人なんかも、私の考え方ではありますが分かりやすいように説明していますので、理解の為の参考にしていただければと思います。

やや深読みや勝手な解釈の過ぎる気持ち悪いレビューですが、暇であれば覗いていってください!笑

カップルにとっては何度もループしてみるべき映画かもしれません。内容としては、失恋映画なんですけどね。

二人でいる時間を大切にしようと思えるそんな作品でした。私にそんなひとがいないことは、置いておいて…。

【作品情報】

福士蒼汰小松菜奈の初共演作品。

七月隆文氏の人気原作小説を『アオハライド』などを手がけてきた監督・三木孝浩がメガホンをとり映画化。

「このマンガがすごいweb」より大谷紀子の綺麗な絵によってコミカライズもされている。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

ネタバレ感想

時系列は複雑なようで超シンプル!算数の問題のように考えるとわかりやすい

時間が真逆に進んでいるという斬新な設定を採用している今作。

時間を行ったりきたりするので複雑なようにも見えますが、実態は凄くシンプルだったように感じています。

まさに、『僕は明日、昨日の君とデートする』というタイトルの通りでした。

僕を中心に考るなら、今日1日を終えるとその思い出は、相手から消え去った状態で明日を迎えなければいけないません。

「分かってるよ!」と怒られそうですが、もうちょっと説明させてください。自分がその方が感想を書きやすいだけなんですけど。笑

算数の問題のように考えると非常にシンプルで、分かりやすいんです。

30日一緒に過ごす間、1日が終わる度に高寿君と愛美ちゃんでそれぞれ一個ずつ、思い出として石をバスケットに入れていくことを想像してください。

寿君は青。愛美ちゃんはピンクとしましょう。

本来であれば、1日目には2個。二日目には4個。30日目には60個の思い出の石がそのバスケットには入っているはずです。

そして、二人の関係が成熟したものになるタイミング。キスしたり云々は、色々なステップを踏んで15:15、つまり15日目の二人の思い出が30個分になった時に成立するものとします。

どんなに日が経っても1:1の状態で2個づつ対になって増えていく。これが、普通のカップルの思い出の形です。

しかし、この映画の2人の場合、出会った時には既に30個の思い出の石がバスケットの中に入っている状態になっています。

時間が逆に流れているので、高寿にとっての1日目は、愛美にとっての30日目だからですね。

つまり、思い出の総量的には、出会ったその瞬間から二人は成熟した恋人同士であるはずなんです。←これがポイント!

こう考えると、高寿が愛美に一目惚れしたという設定に明確な説明がつきます!本編では、明確に言われていませんがその理由は、このように考えると明らかになります。

思い出の総量が、成熟した恋人関係の数15日目と等しいからです。

そして、これは現実世界での長年の恋に関する疑問に対する答えにもなります。

「一目惚れは、本当にあるのか?」という問いです。笑

数々の血で血を洗う議論がされてきたテーマですが、ついに自分のなかで決着がつきました。

「相手が、逆方向の時間軸からきた人ならありえる!」

いや〜!スッキリしましたね。

今までは、一目惚れなんてありえない一派の代表を務めていましたが、これからはありえる派といして泥臭く戦っていこうと思います。

話が逸れまくったので、以後戻します。そして、この後も石を使って感想を書いているので、覚えておいてください。

出会った時から、別れる時までずっと同じ数の石を持つ二人の関係性について

出会った瞬間から、成熟した恋人同士と同じ総量の思い出を抱えている二人。

しかし、それは0:30というアンバランスな形であるため、愛美としては恋人としては振舞うことができません。(正確には、過去に命を助けられてるので0ではない。)

もし、愛美がいきなり30個分のお思い出があるものとして接してきても、高寿がそれを理解することはできないし「一目惚れだと思ってたのに変な人だった」で終わる可能性すらあります。

そうなると愛美からすると、今までの思い出すらなかったことになってしまいます。有名なタイムパラドックスっていうやつが、逆方向の時間軸を共有するときにも起こるようです。

高寿にとっては、出会いの瞬間。愛美にとっては、別れの瞬間。愛美は、今までの思い出を存在させるためにも30個分の気持ちを押し殺して接する必要が、絶対にあるわけです。

ノートに書かれているシナリオが必要な理由でもありますね。

だからこそ、同じシーンなのにもかかわらず、逆再生になって愛美の立場から描写されるときには胸が潰れる思いがしました。

恋人同士の関係で触れ合いたい。けど、それはできない。切ないです。

そして、1日目を終える時、僕の立場からすると最初の青い石を入れると同時に、対になるはずの相手のピンクの石はこぼれ落ちることになります。

一方、愛美からすると自分の思い出の石を入れると同時に、対になる最後の青い石がこぼれ落ちることになる。劇中の言葉を借りると「自分にとっての初めては、相手にとっての最後」というやつですね。

これが、逆方向の時間を生きる二人に起こることです。

対になるはずの思い出の石が、同じバスケットに入ることはない。つまり、積み重ねたはずの思い出を共有することは絶対にできないわけです。

それでも二人は、30個分の思い出の石を抱えた状態で毎日デートすることになります。本来ならキスをしたり、抱き合ったりするのに十分な思い出の個数であるはずです。

ただ、その関係性が成立しない期間が大半を占めるというのがこの映画になっています。

恋人としてのピークについて

全てを知っている愛美からするといつ打ち明けるのかが大事になってきます。

そして、そのタイミングというのは、ここしかないという場所があります。

二人にとって、バランス良く恋人の関係で居られる瞬間というのはどこでしょうか?

言わずもがなですが、15日目あたりですよね。ここで、初めて1:1という比率で普通の恋人関係になれるわけです。

申し訳ないのですが、正直これがきっちり15日目だったかは覚えていません。笑)一日くらいずれてたような気もしますが忘れちゃった…

ただ、必然的に中間地点くらいが恋人としての山場となります。

普通の恋人同士である場合も15日目には、15+15で30個分ですからね。バランスのとれた恋人関係でいられる瞬間は、ここしかないんです。

映画至上もっとも短いかもしれません。

映写機でキャンバスに映画を写して見る二人。見つめあう二人。はじめてキスをする二人。王道のラブロマンスがこれから始まるぞというシーンですね。

しかし、二人にとってはこのシーンが普通の恋人関係である最初で最後のタイミングでした。

それをわかっているからこその愛美の涙。

ひたすらせつないですね。前半部分を振り返って初めて涙がでてくるという不思議な映画です。

ここからは、タイトルの通り見てくださいねということが示唆されます。映画のテイストがガラッと変わりました。確かここではじめて映画タイトルが表示されたんじゃないでしょうか。

打ち明けたことで、映画のテイストがガラッと変わる

いままでは、高寿視点だけ見ていると単なるリア充映画だったわけですが、愛美にとっては相手の思い出の数に応じて振る舞いを変えて行くというアンバランスな関係だったわけです。

私たちが映画を鑑賞している時には、ここではじめて愛美の涙の本当の意味や「全部分かっていますよ!」という感じのリードっぷりが繋がるようになっていました。(感の良い人は気づいていたと思いますが。)

私は、この時点で「ちょっと待って!巻き戻して見たいとこあるんだけど!」と心の中で叫んでいました。笑

今度は高寿に相手の思い出の数に応じた振る舞いをするというバトンが回ってきました。

普通に恋人同士だと思っていた。これからも今の関係が続いて欲しい。

心からそう感じはじめた瞬間から、今度は自分がその立場になってしまいます。

高寿は二人で少しずつ積み重ねてきた石がやっと30個になったと、感じていたわけです。

これからも増えていくと思っていたその石は、それ以上になることがないと悟ります。

むしろ、これからは自分の青い石ばかりが溜まっていき、相手のピンクの石はどんどん失われていきます。

思い出30個分の恋人にとって一番良い状態の関係性は残したまま、減っていく相手の思い出の数に配慮した振る舞いをしなくちゃいけません。

初めての経験。これからも続けていきたいと思うことは、これからは全部最後になってしまうわけですね。

何度言ったかわかりませんが、せつな過ぎます。なんとかしてあげてください。笑

高寿の後半の振る舞いはいただけない

ただ、こっからの展開に関しては、少し物申したい!

愛美は、15日目を境に高寿のために相手の思い出の数に応じた振る舞いを自分を押し殺してしてきたわけです。

だからこそ、二人の関係は成熟していき15日目には結ばれることができました。

なら、ここからの高寿は二人が結ばれるような振る舞いをするべきです。じゃないと15日目を迎えるのが厳しくなります。

愛美のように、リードしてぐんぐん距離が縮まるようないい男になっていく必要があります。

しかし、高寿の振る舞いは苦悩が多すぎたように感じました。もちろん、かっこいい部分もありましたが、あまり印象に残っていません。(一応、変わったことが指摘されてるんでしけど。)

愛美からするとスタート地点からして、苦悩しまくりだとあまりそこから感情移入していくことが難しくなるんじゃないかと思いました。

家族に会いに行った帰りなんか特にそうですね。

本来、こういうところで高寿の人となりを知って、ますます惹かれるような振る舞いじゃなきゃいけないわけですけど、帰りのバスで泣いちゃいましたよね。

愛美にとっては、会って二日目時点の話だったと思います。

運命を感じるような素敵な人であっても、会って二日目に苦悩からくるマジ泣きを見せられたら引くんじゃないかと感じてしました。(まあ、そういう苦悩もあらかじめシナリオとして知っていることではあったんですけど…)

これは、どうなんでしょう?

高寿は別れが近づくにつれて、そういった部分を隠していくべきだったんじゃないかと私は思います。

いや、15日目に向かうにつれて苦悩していくほうがまずいのかな。。。ちょっと書きながら考えているので頭がこんがらがってきました。笑

単純だと言っときながら、混乱し始めるという失態。失礼しました。

とにかく後半を見て「愛美は頑張ってたんだから、高寿も頑張れや!」とツッコミをいれたくなったということですね。

愛美ばっかり負担が大きくて、高寿はきっちりやり切れてなかったのが気になったとういお話しでした!

やっぱり、考えながら何度も振り返ったりして、色んなことに気付く度に泣けてくる…そういう映画なんだと思います。

この映画の中で普遍的な恋愛が生まれている件

恋人同士は、本来思い出を積み重ねていくものですが、この映画ではそれができません。

その代わり、二人にとっての思い出の総量は、出会ってから別れるまで、そして別れた後も変わることがないわけです。

現実には、30個分の時を一番良い瞬間とするなら、そこから先には悪い思い出も加わっていくのが普通です。

100日目のカップルのバスケットを覗いてみると200個の石のなかには、ゴミが混ざっていることもあり得ます。

10年目に至っては、ゴミしか入っていないように見えるかもしれません。

しかし、この映画にでてくる二人のバスケットには宝石のような石がたくさん残っています。

当然、後からゴミが入ってくる余地は一切ありません。

そして、これもまた現実の恋愛に関する疑問に答えてくれることになります。

「普遍的な愛は、存在するのか?」という問いです。笑

答えは当然、「相手が逆方向の時間軸からきた人ならありえる!」ということになりますね。笑

ただ、単に空想のお話しに止めておくにはもったいないことも実感しました。

例えば、自分に恋人がいるとして、明日も今日と同じように好きでいてくれるとは限りません。

それを当然と思い始めるところから、バスケットのなかにゴミが溜まりはじめるようにも思えます。

「どうせ今の関係性が続くんだから」と思って、色んなやるべきことをサボり始めてしまうというのは現実にたくさん起きているんじゃないでしょうか。

二人の場合は、時間という不可抗力の前にどうすることもできませんでした。ただ、現実はありがたいことに今の関係性が続くかどうかは、お互いの今日の振る舞い次第であることが多いように思います。

だからこそ、この映画をカップルで見ることでゴミの溜まらない関係性を築く手助けになるんじゃないかと、私は感じました。

まとめ

劇場では途中すすり泣く声もかなり聞こえてきていました。

私はというと、泣けたのは逆再生での回想シーンですね。愛美サイドから見た展開の方が、何倍も心にグッとくるものがありました。

自分にとっては最後でも、これからの相手の為に素敵な自分でいようという気持ちが伝わってきたからかもしれません。

そして、逆再生のところからまた高寿サイドで映画を見たくなってしまいます。

ループものでは、ループから抜け出すことがテーマになります。ただ、この映画では、時間がループしているわけではないけど、ループにはまっていたくなるような不思議な作品でした。

私は、漫画も好きなのでまずは、コミック版を読んでみたいと思っています。さくっと読めるし、何回でも思う存分ループできますしね。笑

絶対に面白い!おすすめ関連作品

『ぼく明日』の三木孝浩監督は、数々の青春ラブストーリーを手がけてきた監督です。今回の作品の世界観が気に入った人は、是非『陽だまりの彼女』や『アオハライド』も合わせて観てください。

私は、小松菜奈さんが好きなので、今作とは全然雰囲気の違う『渇き』をU-NEXTで復習したいと思っています。