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映画『デスノート Light up the NEW world 』感想 頭脳戦は描かれないものの、キャストはお見事!【ネタバレ】

人気漫画の実写映画化で大ヒットした「デスノート」シリーズの続編。映画『デスノート Light up the NEW world』が10月29日より公開されています。

主要キャストは、東出昌大池松壮亮菅田将暉で、そこに前作のメインキャストもちょこちょこ出て行くるという形になっています。

評価では、かなり酷評されている作品だったんですが、逆にどんな映画なのか気になって見に行ってきました!

ということで、期待値はかなり低めでの鑑賞でした。笑

ハードルは、低く設定しておくに越したことないですよね。

客席はかなり埋まっていて、10代から20代前半の人たちが非常に多かった印象です。いまだに原作パワーがすごいということでしょうね。

デスノートといえば、死神すら超越する頭脳戦が展開されるというのが一貫したテーマでした。残念ながら、それが今作ではほとんど描かれていません。

そういう意味で、原作ファンの期待を裏切るような展開であったのは、間違いないと思います。

ただ、映画としての面白さは単にファンを裏切ったかとは、関係ないと思うのであくまでそこはフラットにして、レビューしていきたいと思います。

※このあとの記事には、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評といった類のものではなく、感じたことをそのまま書き出しただけの寄せ集めのようなものです。見に来ていただいた方には、友人と映画を見終わった後にあーだこーだ言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

どこへ行った頭脳戦

レビューなんか見ていて一番酷評だったのが、デスノートらしい頭脳戦が全くないじゃないか!という点でした。

結構、皆さんお怒りみたいですね。笑

たしかに、私自身「そういう展開になるかなー」という予想をしていたんですが、結果全然違うタイプの話でした。

ただ、これはある意味「当然か」と私は、思った次第です。

だって、前作で既に天才同士の頂上決戦をやっているわけですから、ここで新たな天才を出しても陳腐になってしまうことは必至です。

仮に、ライトやLよりもキレ者を登場させたらそれはそれでまた違った形の酷評が待っているでしょう。

「いや、原作の価値観壊しすぎや!」とそっちの方が大炎上したと思います。

ですよね?たぶん。。。

そうであれば、いっそ全然違う形の「デスノート」にしてしまおう!という製作側の明確な意図があったんじゃないかと考えることができます。

原作の設定を生かして、「6冊のデスノート争奪戦アクション!これだ!」という感じでしょうか。

タイトルにも違うものが作りたい意思が現れています。『Light up the NEW world』あえて「新しい」という部分を大文字で強調していますよね。

なので、多分この映画の制作に関わった人たちは「今までとは全然違う!けど面白い!」そう見ている人たちに感じて欲しかったんだと思います。

ただ、実際は「これじゃない感」が多数だったというのは、皮肉ですが。笑

古き良き王道のバディ映画

前作のデスノートとは、全然違うコンセプトだったわけですが、内容としては結構ハズレがないタイプの王道バディ映画として作られた印象です。

『相棒』あるいは、最近だと福山雅治二階堂ふみの映画『SCOOP』なんかと一緒ですね。

そりの合わないタイプの二人が、紆余曲折を経てどんどん結束していくみたいな。この映画では、Lとは対照的な破天荒な竜崎と正義感の塊である三崎とのコンビだったわけです。

このタイプの映画ってアクションとの相性が良いのできっちりアクションも絡めていました。

この路線であるってことが最初から分かっていれば、全然楽しめる内容だったと感じています。(もちろん、ツッコミたいことが山ほどあるんですけど。笑)

私は、最初からこの部分をしっかり宣伝していけば、酷評は避けられたんじゃないかなと思います。

キャストの健闘

紫苑優輝を演じた菅田将暉、ちょうど最近「何者」を見たばっかりだったので、そのギャップに驚かされました。

女性人気も高いみたいで、劇場では登場するたびにひそひそ声が聞こえてくるレベル。笑

銃撃されたシーンのやられっぷりなんかは、印象に残りすぎていますし。

なんだか、俳優としての実力と人気の高さを感じさせられました。

また、竜崎を演じる池松壮亮も破天荒で感情表現豊かな難しいキャラをよく演じきっていたと思います。

おそらく、Lと真逆の設定でいこうという考えのもと作られたキャラだと思うんですが、ものすごい存在感がありました。(ただ、あのひょっとこのお面どんな意味?)

こういったキャストの健闘もあって、好きな俳優さんを楽しみたいという気持ちで見に来た人たちには、結構楽しめる部分があったんじゃないでしょうか。

また、前作のファンを失望せないように、ライト、L、ミサミサを邪魔にならない程度に出してくれたのは、個人的にすごく嬉しかったですね。

死神の人間らしさ

私が、個人的に好きなのはデスノートで描かれる死神の個性だったりします。

リュークは好奇心ありすぎだし、前作のレムはなぜかミサを溺愛していました。

今回は、デスノートが6冊あるわけで結構新たな死神が観れると結構期待していました。

結果、2体の新たな死神が出てきました。(他の死神はどうしたと思ったのは、私だけでしょうか?)

ただ、死神が干渉してくるシーンは残念なことにあまりありませんでしたね。

原作を読んでいる身からするとリュークが紫苑を手伝ったのもなんか違和感ありましたした。

ただ、アーマに関しては結構いい味出していたように思います。

セクシーすぎる死神。笑

あの声優さんアニメなんかでは、よくいろんなキャラクターをやられている方ですよね。

個人的には、なんで竜崎を救うのかっていうそこらへんの人間ドラマをしっかりやってほしかったです。

たぶん、竜崎もアーマも孤独だった。しかし、孤独なもの同士二人で時間を共有してるうちに。。。みたいなことですよね。

せっかくの見せ場なのに、登場シーンが少なすぎて全然感情移入できていませんでした。レムにしてもそうですが、なぜ死神がここまで人間に関心を抱くのかみたいなところ描いてくれていたらすごく良かったんですけどね。

個人的には。

そうすれば、アーマが犠牲になるシーンも竜崎と一緒に悲しめたかもしれません。

自己犠牲で自ら命を絶つシーンなんかは鉄板なんだから、絶対泣かせないとダメでしょうに。笑

まとめ

原作、そして前作に対する思いいれが強いと評価が厳しくなってしまうのは致し方ない部分もあると思います。

やっぱり、良いイメージってなかなか越えられないものですよね。

ただ、あまり期待値関係なくフラットに見れたとしても「1,800円払ってでも劇場に行くべきだ!」とおすすめはできない感じではあります。

エンドロール後の「計画通り」っていう終わり方で続編を示唆しましたけど、この評価だと多分なさそうですよね。

ただ、最近はデスノートの天使版とも言われている漫画『プラチナエンドが連載中です。

こっちも漫画としては、すごく面白いです。デスノートの世界観が好きな人は是非チェックしてみてください!