TOKYO ALONE

あんなことやこんなことをあなたに

映画『沈黙 サイレンス』感想/本当に160分もあった?っていうくらいの没入感でした

1月21日に公開された映画『沈黙 サイレンス』のネタバレを含む感想レビューをまとめています。今年の劇場鑑賞6作目の映画です。

さてー!

バリバリの無心論者、立川あつです。

大学がミッション系で、住んでいた寮では二週間に一回礼拝があったので、身近にキリスト教があった時期があります。

といっても、恥ずかしながらキリスト教について恥ずかしいくらい何も知りません。

そんなに身近にあったのに?と思われる方もいるでしょうが、今の時代勧誘もされないし感化されるということもありませんでした。もちろん、私だけじゃなくて周りも。

なので、何も宗教的に深いことは言えないので、その点ご了承ください。笑

しかも、キリスト教徒の弾圧に関しては歴史の教科書で習ったくらいで、踏み絵、カタコンベなどテストに出るキーワードを知ってるという程度の知識しかありません。

しかし!

この映画自体は、かなり胸を打たれる内容でした。それは、信仰を持った人たちの強さや弱さ、そして葛藤がこれでもかとふんだんに盛り込まれているからだと思います。

人間味溢れるドラマなので、宗教をテーマとしていながら普遍的な人のあり方をのぞきみることが出来た気がします。

興味がない人のほうが、かえって宗教を信じている人たちの信仰心はどこからくるのかなど素朴な疑問に対する答えに触れられて、新鮮に観ることができる気がします。

ただ一方で、ずるいなと感じる部分も結構ありましたが…。

是非、気になっている人は劇場に足を運んで見てください!

【作品情報】

ネタバレ

ハイライト

江戸時代、キリスト教を禁止された影響で棄教したと噂されているフェレイラ神父の行方を確かめるべく、日本へと向かう若き宣教師のロドリゴとガルペ。2人は旅の途上で知り合ったキチジローという日本人を案内役に、なんとか長崎へとたどり着いた。

日本はキリシタンを密告したものには報奨金を出すほどの厳しい取り締まりを行っていることを知る二人。その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会い匿ってもらう。そこで、全く文化の違う国でも自分たちの信じる宗教で多くの人を救うことができると実感する。

それも束の間、キチジローの裏切りによって遂にロドリゴらも捕まってしまう。棄教を迫るも頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は厳しい拷問、そして処刑を見せつける。次々と犠牲になる信者を前にしてついに、ある決断をする。

ネタバレ感想

踏み絵の演出は、印象的!けど、ずるいぜそれはと思うところ

本作では、最初から最後まで踏み絵をものすごく印象的に描いていました。

っていうか、踏み絵って紙でできた絵じゃなかったんですね。確かに、紙じゃなん度も踏めないか…。

日本人なら「踏み絵」という単語を知らない人はほとんどいないんじゃないでしょうか?

というのも、学校の授業で習うとき必ず「いや、踏んだらいいじゃん?」「俺なら、100回踏むね」などと違和感に耐え切れずたくさんの素朴な意見が飛び交うというのが、あるあるですよね。

キチジローのようにその場では踏んどいて、後で反省すればいいじゃんみたいな。笑

しかし、劇中でも多くのキリシタンが、イエスキリストの顔を踏むことができず処刑されました。

磔にされて、海に入れられる人。

縛られて生きたまま火あぶりにされる人。

いきなり、首を切られる人。

動けない様にされ、海で溺死させられる人

逆さ吊りにされて、首から先を穴に入れられる人。

かなり残虐なやり方での、拷問・処刑が行われていました。正直、見ているだけで目を背けたくなるレベルです。

そうなることが分かっていても、信じている神様を裏切れない多くの敬虔な信者たちがいた…ように描かれていましたが、私は正直ここら辺はずるいなと思いました。

いや、はっきり言います。この描き方はずるいでしょ!

絵を踏めなかった人たちは、神様が尊かったからではないと私は思います。

宗教の本質は、不安を煽りそこに救いの手を差し伸べて、人を取り込んでいくということです。キリスト教も例外ではありません。

天国に行けるのは信者だけで、棄教すれば地獄に落ちるというのは王道の宗教的な教えですよね。

つまり、キリストの顔を踏めば自分は地獄に落ちると信じていたから踏めなかったんです。この映画では、この点がすっぽり抜け落ちてしまっていました。

弾圧に屈せずに、信仰を守るというと確かに聞こえが良いです。

ただ、当時の農民は知識とは切り離された人たちだし、当然聖書を読むことすらできません。キリスト教についても実際はほとんど知らなかったというのが本当のところでしょう。

小松奈菜ちゃんが、「(キリシタンのまま)死んで天国に行けることは良いことなんじゃないですか?」とパードレに尋ねるシーンが印象的でしたよね。

生きているだけで苦しい時代。死んでまで地獄に落ちて苦しい思いをしたくない。それなら、キリシタンのまま死んで天国に行きたい。

穿った見方かもですが、こうやって純粋な人の気持ちを利用して殉教者を作り出す仕組みが宗教には確実にあります。

そして、その殉教者の存在は、生きている信者の信仰心をより強固なものにしていくという性質があるようです。

確かに、神様を信じて殺されてしまった仲間をみて、じゃあ信じるの辞めようじゃ犬死になってしまいますしね。

別に、宗教の種明かし映画ではないので、全部つまびらかにとは言いませんが、地獄に対する表現が少しでもあったらなと残念な部分がありました。

ロドリゴと幕府側との議論が潔い

上では、ちょっとキリスト教の悪口みたいになってしまったのですが、布教する側と幕府側とでちょっとした宗教論争が交わされるのもかなり印象的でした。

つまり、キリスト教が善で、弾圧する側が悪だという価値観ではなかったようにも取れます。

主役のいるストーリー上、ロドリゴ側の視点ではありますが、井上筑後守(イッセー尾形)や通辞(浅野忠信)あるいは棄教したフェレイラとのやりとりで、幕府側の主張を説くシーンもたくさんでてきました。

日本は当時すでに独自の宗教、文化を確立していたこと。統治上、異分子が入り込んでくることは脅威であること。

頑な信仰心よりも幕府側の主張の方が、むしろ合理性を感じられる内容だったんじゃないでしょうか?

これを、カトリックの司祭を目指していたことのある監督が作っているというのが凄いですよね。

宗教をテーマにして描くストーリーというのは、ツッコミを許さないのが基本的なスタンスなような気がします。キリスト教徒なら、誰もが如何に弾圧が残虐なものだったか、日本が酷い国だったかに当然目がいくでしょう。

しかし、この映画ではきっちり弾圧する側の論理も潔く描いていました。スパイス程度ですが。これが、あるかないかで私のなかでは全然評価が変わっていたかと思います。

もしなかったら、残虐な日本人がいかにロドリゴをダークサイドに落とすかという、SFがはじまりそうな安易な内容になっていたんじゃないでしょうか。

この映画を観て宗教の自由をという願いを持つのは当然ですが、一方的な理屈での布教にも問題意識を向けるべきだと私は感じました。といっても、日本ではそういった宗教はカルト扱いですが。

世界的には、まだまだ神の教えは真理だからで思考停止している人たちがたくさんいるでしょうしね。

そういう人たちが、この映画を観てどう感じるのかすごく興味があります。

映画を観た人と語りたいこと

この映画は、観終わった後に誰かと語りたくなるような映画でしたよね。観る人の立場、感性によってだいぶ解釈の変わってくる内容だと思いました。

数人で観に行って、感想を良いあったりすると盛り上がるでしょうね。

私は、映画はいつも一人で観に行くので正直今回は、寂しい思いをしました。笑

ということで、もし友人と観に行っていたらというのを仮定して、聞いてみたいポイントをまとめてみます。

もしあなたがキリシタンなら、踏みますか?

上でも述べましたが、学生のころなら踏むと当然答えますよね。

ただ、この映画を観たあとだと同じように答えられる人はかなり減るでしょう。

正直、私が当時の時代の隠れキリシタンだと考えるなら、踏めません。

理由はいろいろありますが、一番は自分の性格的にかなり感化されがちだからです。笑

人が良いと言うものは良く見えてしまうし、みんなが持っているものは欲しくなりますしね。

まだ、キリスト教が禁止される以前、爆発的に改宗者がでていたのなら自分もとなることは容易に想像できます。笑

もし、ロドリゴのように宣教師側の立場なら、信者になんて伝えますか?

劇中では、ロドリゴとガルペの意見は違っていました。ロドリゴは踏んで良い、ガルペはダメだと。

これは、かなり厳しい選択ですよね。

敬虔なクリスチャンであるなら、踏めということは難しい。宗教的な教えとの一貫性がとれなくなります。かといって、神様は沈黙です。答えを教えてくれません。

難しいですが、天国に行けるということを信じているのであれば、踏んではいけないという答えになる気がします。

メタ的な視点で、なんの責任もなければ当然、苦しい思いをするなら踏んで良いよとなりますが、一応史実に基づくフィクションですからね。

できる限り登場人物に感情移入すると私は、ガルペ寄りの判断をすると思います。

まとめ

160分という全部集中して観るのは難しいほどの長さですが、全然気を抜く瞬間はありませんでした。

そのくらいの没入感で観られる映画です。

自分はこれからもキリスト教を信じることはないですし、心の拠り所としてなにかに信仰心を持つこともありませんが、それでも語りかけてくるメッセージのようなものを受け取りました。

この作品は、かなり原作小説に忠実な内容になっているそうです。

これは、熱が冷めないうちに読まなけれということで、早速ポチっちゃいました。

今作で興味を持った方は、ぜひ原作の方もチェックしてみてください!

映画『ネオン・デーモン』感想 強烈過ぎる美への執着とエログロと

1月13日より公開されている映画『ネオンデーモン』の感想レビューをまとめています。今年5作目の劇場鑑賞になります!

さてー!

サスペンスホラー大好き、立川あつです。

公開から5日ほど経っている平日の鑑賞だったんですが、劇場の席は半分以上埋まっており、なかなかの盛況でした。

事前情報など一切なしで観たのもあって、なかなかどういうタイプの映画なのか測りかねる作品でした。

正直、全部観てもよく分からないというのが本音です。SNSなんかでは、映像ドラックなんて言われ方もしています。

例えるならば、世にも奇妙な物語のホラー回を超アーティスティックな映像と音楽で表現している感じでしょうか。

安っぽい例えで、すいません。笑

ただ、分からないものを分かったように語るほどダサいものはないので、あくまで分からないなりに感じたことをレビューしていきたいと思います!

【作品情報】

『ドライヴ』でカンヌ映画祭監督賞を受賞したニコラス・ウィンディング・レフン監督 の作品

マレフィセント』のエル・ファニングが主演、キアヌリーブスやアビー・リーが脇を固める

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で分かるあらすじ

誰もが羨む美貌を持った16歳のジェシーは、夢であるトップモデルになるために田舎から単身ロスに訪れる。

エージェント、カマラマン、デザイナーなどすぐにモデル業界の重要な人物の心をとらえチャンスを掴んでいくジェシーをみて、ライバルは嫉妬し狂気へと走りだす。

ジェシーもまた、自身の美しさを評価されることに取り憑かれ、純朴さを失っていく。

ネタバレ感想

美しさにまつわるおどろおどろしい空気感を超アーティスティックに描いている

ストーリーとしては、絶対的な美に取り憑かれた人たちが狂気へと走っていく姿を描くホラーといった感じでした。

ただ、そういった言葉では言い表すことのできないものを映像として表現した作品なのかなという印象です。

一つ一つの映像が、なんだかファッションショーを見ているような感じでしたしね。

そう。

なんだか、ファッション誌の編集長やデザイナーがモデル業界のホラー映画を撮ったらこうなりますという作品でした。

冒頭のジェシーがパーティーに連れ出されるシーンからして、なんだか幻想的な雰囲気を強調しまくりの演出。BGMの絡むシーンは、一切リアル感が排除されていました。

このリアルじゃない演出というのが、おそらく映画でしかできない表現ですごく印象的でした。

ただ、個人的にはその表現している世界観を全然追えていないというのが本音です。笑

例えば、ニュースでパリコレを見てもおしゃれなんだろうけど、感覚的にはあまりにも世界観が違いすぎて、そのおしゃれさを実感できないことってありますよね。

いうなれば、そんな戸惑いを感じてしまいました。

たぶん、その手の業界に精通している人であれば、この映画で表現されている世界観はすごく刺さるものがあるのかもしれませんね。

ただ、ストーリーだけ切り取って見ると、ホラーとしての恐怖を感じさせられる映画でもあります。

レズビアンのメイクの女性が、ジェシーとまぐわることを想像して遺体を陵辱するシーンなんかは、不気味すぎて目を背けたくなりました。

また、最後の吐き出された眼球を飲み込んでしまうのも、本能に訴えかけてくるよな恐怖がありましたよね。

ストーリー展開としては、後半にかけて急激にホラー色が強くなっていく感じで、官能的な表現も後半に集中しています。

この点に関しても、普通のホラーとは違うところですよね。

怖がらせるのが目的ではなく、結果怖かったと印象が残るように描かれています。

ここら辺もなんで?と考え始めると分からないことだらけで、たぶん相性の問題なんでしょうね。笑

感覚的にフィットしていないので、違和感だけが残ってしまう感じでした。

ファッションに疎い人たちは、私と同じような感覚の人が多いんじゃないかと思います。そうですよね?

美貌で得られる万能感は、ドラッグやお金以上か

女性たちが美に対してこだわりを持って追い求めているといういのは、一般社会でも当てはまることですよね。

男からすると、どうしてそこまでと感じることも多々あります。

ただ、美しさというのは持っているか持っていないかで、その後の人生の価値までも決めてしまうというのを女性は実感としてしっているんでしょうね。

だからこそ、こだわるしこだわりすぎて取り憑かれる人まで出てくる。

美貌を持っているというだけで、女性は根拠のない自信を持つことができるし、そこからくる万能感というのも測り知れないものがあるようです。

正直、美しさにまつわることに関して、蚊帳の外にいる私は普段全く意識することがないことです。

ただ、美というのは、ドラックやお金以上に人を狂わす。

そういった性質のものだというのは、この映画を見て嫌という程伝わってきました。

この映画では、モデル、ファッション業界なのでそういった真理みたいなものがより顕著になるんでしょうね。

劇中では、「美は世界共通の通貨だ」とまで言い切っていました。

ただ、言われて見るとその通りですよね。

美しさがあれば、お金を持っているいる男を動かすなんてことはたやすいことなのは、想像がつきます。

美しさを追い求める女性からの尊敬も。

男性の心も。

欲しいものは、すべて手に入ると言っても過言ではないかもしれません。

そう考えると、世界中で最も価値のあるものは女性の持つ「美」だというのが、正解のような気がしてきます。

なんだか、あれこれ考えているうちに話しが大きくなってしまいましたね。笑

最初はファッション業界というニッチな分野を扱った映画なのかと思っていましたが、ちょっと考えただけでも普遍的なテーマが見えてきました。

自分のアンテナの感度の弱さと思慮の浅さに若干落ち込んでしまいますが、これからネットやSNSなどにたくさんのレビューが出てくるかと思います。

まだまだ、見つけられていない視点などたくさんあると思う作品なので、逐一チェックしてこの映画に対する理解を深めていくつもりです!

まとめ

分からないことだらけですが、セリフやストーリーを追いかけるのではなく、映像、音響体験を重視している作品なのは間違いと思います。

どんな映画なのかというのを知りたい方は、是非劇場に足を運ぶことをおすすめしたいです。

ただ、監督はこの映画をナルシズムの祝福だと言っているそうです。

その言葉通り、作り込まれすぎた世界観に拒否反応が出てしまう人もいるかと思います。

ある意味、観る人を選ぶ作品なのでプロモーションビデオなど事前にチェックするといいかもです。また、評価の高い過去作品のチェックもした方が間違いないでしょう。

カンヌ映画祭監督賞を受賞している『ドライヴ』なんかは、U-NEXTで見ることができます。

『ネオン・デーモン』のテイストが好きだった人も、『ドライヴ』を観てこの監督独特の世界観を堪能してはいかがでしょうか?

映画『本能寺ホテル』感想 燃える本能寺!揺れる綾瀬はるか!

1月14日より公開の映画 本能寺ホテル の感想レビューをまとめています。アイディア盗用で話題となった本作ですが、作品に罪はないと思うので、公開当日に鑑賞してきました!今年、4作目の劇場鑑賞作品です。

https://www.toho.co.jp/movie/lineup_images/honnouji_thumb3.jpg

(C)2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ

さてー!

タイムスリップもの大好き立川あつです。

信長が生きる時代にタイムスリップする話ですが、正直日本の歴史に疎すぎる私は蘭丸すら知らない有様。

知っていることと言えば、本能寺の変で信長が明智に討たれるということだけです。笑

ただ、特に思い入れがないからこそ、ハードルを上げずに観ることができました。

内容としては、タイムスリップものというより流されてばかりの綾瀬はるか演じる繭子の成長譚といった趣きの強い作品でした。

なので、歴史が好きで観にいった方には少し物足りないものがあったかもです。

私はというと、本当に肩の力を抜いて笑いながら観れる娯楽作品といった印象決して悪くは無かったです。

何よりも、綾瀬はるかちゃんが走り回る、色んなところが揺れる。それを見れただけでも満足できましたよ!

【作品情報】

  • 『プリンセス トヨトミ』の綾瀬はるか堤真一が再共演、監督に関しても同作の鈴木雅之がメガホンを取っている。
  • 本能寺の変“をオリジナル・ストーリーで描く歴史ミステリー。しかし 万城目学氏よりアイディアの盗用が指摘されている。
  • 『プリンセストヨトミ』は、フジテレビオンデマンドで観ることができます。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で振り返るハイライト

結婚という人生の岐路に立った時、本当に自分のやりたいことってなんだろうと思い悩む繭子。

現在と戦国時代を行ったり来たりしながら、信長、婚約者の父親の生き方に感銘を受ける。

繭子は、経験からではなく歴史の中から自分の生きる意味を見つけて、婚約の白紙を受け入れ自らの人生を歩みはじめる。

ネタバレ感想

主人公の繭子=綾瀬はるか

繭子のほんわかした雰囲気や天然っぽいところなんか、そのまま綾瀬はるかな感じで全く違和感を感じませんでした。

テレビ局や芸能事務所がメインで作っている映画なので、役者の宣伝的な意味合いもある作品なのかもしれませんね。

イメージそのままなので、特に演じているという感じがしませんでした。

婚約者の自分が守ってあげなきゃ、幸せにしてあげなきゃという気持ちも十分理解できます。

確信犯的な身体にフィットした服を着ながら、自分には何の取り柄もないという繭子に違和感を感じたのは私だけではないでしょう。

これみよがしにボディラインを見せつけられながらの、自分に自信ない発言は少々説得力に欠けました。笑

だからということではありませんが、悩める女性の成長譚とタイムスリップものというのは、あまり相性が良いとは思えませんでした。

成長譚を描くなら現代の世相を反映させて、もっと婚約者の父親との人間ドラマを深く描いていたら心に響いたような気がします。

また、タイムスリップの方は信長や蘭丸との絡みがあったら楽しめるような気もしました。

個人的には、どっちかに寄せて作ってくれたら良かったのかもという印象でした

コメディ要素は結構笑える!

この映画では、終始あまり深刻さがないところが良かったです。

人生の葛藤やあわや殺されてしまうのかというシーンもありますが、あくまでコメディタッチなので安心して見ていられました。

特に、戦国時代から現代に戻るタイミングがいつも絶妙でしたよね。

最初は靴を忘れちゃうだけだったのが、着物を着て戻って着たり、最後はすすまみれで死ぬ寸前に帰ってくる。

ホテルのエレベーターの中という状況からかけ離れたタイミングであればあるほど笑えました。笑

また、友情出演的な扱いなのか、八嶋や加藤なんかもちょっと出るだけなのにかなり存在感がありましたよね。

ただ、あまりにも存在感があって伏線的な何かなのかとも思ったのですが、それは深読みでした。

本当にエキストラ的に出てるだけという。笑

何も考えなければ、たくさん笑うことのできる映画だと思いました。

信長という男の中の漢

私は信長という人物については、ホトトギスを殺してしまえというようなエピソードしか知りません。

実際は、本人が言ってるわけではないそうなので、何も知らないと言って良いレベル。

今作では、冷血で容赦ないながらも人間味のある器の大き漢として描かれていました。

特に、チラシを見ただけで繭子が未来から来たことを見抜いてしまうあたり、かなりの切れ者かつ柔軟な判断力まで備えているようでした。

地球が丸いことも今まで知らなかったし、見た目の違う人間がいることも。ただ、自分が知らないだけだったというのは、非常に印象的でした。

そして、自分の運命を悟ってなお逃げも隠れもしない姿勢は、まさに王の風格がありました。

自分が本当に欲しいものは民が笑って暮らせる太平の世であるということに気付かされた信長は、謀反の前に秀吉にその意思を引き継ぐことを選びました。

繭子が信長に謀反であることを伝えたからこそ、歴史は今の形になったという話でした。

これまた、歴史に疎いので分からなかったのですが、本来なら信長の意思を継ぐ近しい人物がいたんでしょうね。

そこらへんの事実関係を知らなかったので、ポンと膝を打つような納得感はなかったが残念でした。

ストーリー展開としては、自分が歴史を変えてしまうのではなく、自分が関わったからこそ歴史はこうなったんだという王道過ぎるもの。

正直、新鮮さはないやつですが王道は王道なのでこれからも使われる設定なんでしょうね。

ただ、何かもうちょっと捻りを加えてくれると嬉しかったというのが本音でした。

脚本に関するいざこざに関して

万城目学氏とのいざこざで悪目立ちしてしまった今作。

一体、どこのシーンにアイディアの盗用があったのかは明らかになっていません。

ご本人は、小説として書くこともできなかったと言っているので明らかにして良いような気がします。

ただ、全体的な流れからすると正直これはというオリジナリティ溢れる展開というのは無いんですよね。

もし、この良いシーンのアイディアが盗まれたなら酷いなというのも今の所、レビュー、SNSでも言及されていません。

なので、盗用アイディアといのはかなり部分的なものになるのかなと個人的には思います。

正直、作り手の苦労を知らない私には、部分的なアイディアの盗用の重みを知らないというのが本音です。

本来、脚本を担当するはずで2年も制作に関わっていたのに降ろされてしまったのには、決定的な意見の相違があったのでしょう。

その事を考慮すると、話題になったツイートにはかなりの私怨も込められているはずです。そのまま受け取ることは、出来ない気がします。

両方の意見が聞けると良いんですけどね。ただ、フジテレビ側がだんまりということは非を認めているとも取れます。

まぁ、どっちみち部外者にはあまり多くは語れそうにないので、この程度にしておきます。笑

まとめ

いろいろごたごたもありましたが、誰と見に行くにしても安心して観られる映画になっていたと思います。

京都の町並みも綾瀬はるかのボディーラインも美しくて、飽きることがありませんしね。笑

本能寺ホテルがもし実在していたら、是非泊まってみたいです。

Amazonで調べていたら、ホテルはありませんがミニタオルやロックグラスなどのアメニティが売り出されていました。

特に私が、気になったのがこちらの金平糖キーホルダー。

 

これをかじって私も、戦国時代にタイムスリップしたいと思います!笑

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ネタバレ感想『BEASTARS』本能に悩まされる肉食動物の本気の葛藤は必見!オンリーワンの世界観を是非楽しんでください【3行で分かるあらすじ】

板垣巴留の漫画『BEASTARS/ビースターズ』の作品情報、あらすじ、ネタバレ感想などをまとめています。動物たちのヒューマンドラマという実写化不可能な作品。試し読みもありますので、是非チェックしてみてください!

さてー!

あまりにも新ジャンル過ぎる漫画を読んだので、皆さんとシェアしたいと思います。

青春群像劇というと、思春期の悩みと共に語られることが多いですよね。

しかし!

この漫画では、肉食動物としての本能に悩むハイイロオオカミを中心に描かれています。

そう!この漫画は、思春期の動物たちが本能に悩みながら青春する群像劇を描いているんです。

なかなか、斬新ですよね。

肉食動物と草食動物が共に生活する全寮制のチェリートン学園が舞台になっています。

主人公は演劇部で美術を担当する気弱なハイイロオオカミ・レゴシ。

物語は、彼が通う学校で、アルパカのテムが肉食動物に食い殺されてしまうところから始まります。

この新しすぎる世界観。かなり斬新で一気に引き込まれること間違い無しです!

気になる人は、試し読みもできる作品なので是非チェックしてみてください。

【作品情報】

48時間レンタル300円で読める作品です。単行本を買うより断然お得!

登場人物

レゴシ

周りに馴染むことのできないハイイロオオカミ。他の肉食動物よりも大きな体、獰猛な牙、顎の力を持っているが、内向的な性格の持ち主で、その特性を活かす機会はあまりない。

3行で分かるあらすじ

1

ある日、チェリートン学園でアルパカのテムが肉食動物に殺されているのが発見される。

演劇部に所属しているハイイロオオカミノのレゴシは、テムと仲が良かったのにも関わらず、その人を寄せ付けない性格から部員に疑いの目を向けられる。

アンゴラヒツジのエルスは、忘れた腕時計を稽古場に取りに戻るが、そこにはレゴシが待っていて…。

2

テムの死後、肉食と草食のわだかまり余波はまだまだ残っていた。

そんな中テムの代役として舞台アドラーに出演できると思っていたカイは、自分が役者から広報、美術チームに異動させられることを知る。

怒ったカイの暴走を止めたレゴシは、アシタカのルイにある提案をされることに。

3 霧の中の警鐘

アドラーの主役を務めるルイに校則違反となる夜中の稽古が見つからないよう監視を頼まれるレゴシ。

監視中、近くに一匹の草食動物がいることを察知する。

自分が追いかければ、その場を逃げ出してくれるだろうか思惑するが…。

4 ウサギ史上でもかなり悪い日

メスウサギのハルは、学内で自分が周りに避けられていることに気づく。

それは、血統種ウサギのカップルの男かがハルにキスをしたことに嫉妬したミズチによる嫌がらせであった。

強がって見せているものの、いっそ死んでしまいたいと考えているところを肉食動物に襲われる。

5 ねえ僕らだよ

ウサギの感触に肉食動物としての本能を呼び起こされるレゴシ。

自分の中の悪魔と戦っている最中、稽古場からヤギのゾーイが慌てて駆けつけて来る。

暗い稽古場でのトラブルで、主役のルイは足にケガを負ってしまっていた。

6 ケモノたちの一等星

レゴシはウサギを食べたいと思った罪悪感から食事も喉を通らない。

そんな中、食堂で肉食同士の喧嘩に遭遇して、巻き込まれてしまう。

どう負けるのかを考えているところを称号ビースターを目指すルイがその場を治める。

7 禁猟区レベル100

新歓で披露する演劇アドラーのリハは、ルイの動きの悪さな気づいた部長によって中断される。

テムが殺した影響が残るなかで、ルイはこの劇で死神を演じることの重要性を自覚していた。

美術要因のレゴシは、装飾に使う花を演芸部の庭園に貰いに行くが、そこにはあのウサギがいた。

ネタバレ感想

ファンタジーじゃないリアルな獣人たちの世界観

動物が人のようにしゃべるというのは、どうしてもファンタジーと結びつけがちですが、この作品はそういった世界観とは一線を画しています。

もし、様々な種類の動物が一堂に会する学園があったらという仮定をかなりリアルに生々しく描いています。

作品世界の社会ルールもしっかりしているので、違和感なくストーリーにのめりんでいけます。

動物たちも大変だなと、今まで感じたことのない心の動きがあったのは、私だけではないはず。

作者の方が冗談交じりに、動物たちのヒューマンドラマという表現をしているのですが、言い得て妙といった感じです。

肉食動物と草食動物の間の軋轢。血統による差別意識。ステレオタイプなイメージとは違う個性。

動物達が人のように生きていたら起こりうるであろう葛藤をドラマとして見事なまでに表現しています。

特に、レゴシがウサギを追いかけ捕まえた時に自分の中にある本能に気づいた瞬間。

漫画の枠を超えた古典的な名作小説を読んでいるような深みのある表現に驚かせれました。

そう。

なんか何処か北欧の文豪が書いたんじゃと思わせられんです。笑

気になる人は、是非チェックしてみてください!

まとめ

大まかなストーリーは、決して珍しいものではありません。

それなのにここまで新鮮に感じるのは、言うまでもなく登場人物が人じゃないからでしょう。

同じ人間でも軋轢、不条理、差別など様々な問題が起きるのだから、それが種の違う動物たちなら、いわんやをやです。

これは、2017年の『このマン』ランクイン間違い無しの作品だと個人的には思っています!

>>無料試し読みはこちら

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映画『僕らのごはんは明日で待ってる』感想 この映画が好きだ!と誰かに伝えたくなる

1月7日より全国公開している映画『僕らのごはんは明日で待ってる/ぼくごは』の感想レビューを書いています。今年、3作目の劇場鑑賞作品になります!

http://libao1031.com/wp-content/uploads/2016/11/11111.jpg

さてー!

たそがれてるやつは大体友達!立川あつです。

いきなりですが、どういうことでしょうか?

一応、成人の日で休日のはずなのですが、劇場に着いてビックリ。

完全に1人…。私しかいない状態での鑑賞となりました。笑

確かに、レイトショーということもありましたし、しょうがないところもあるんでしょうか。

なんだか、非常に寂しかった…というのは嘘で、すごくのびのび観ることができました!笑

年に何度もないでしょうしね、映画館をひとりじめ!

ホームシアターのように完全に寛いで観られるというなかなか良い体験でした。

さて、個人的には良かったのですが、客入り的には不人気を思わせる今作。

個人的には、めちゃくちゃ刺さりました!この映画大好きです!

映画の言葉を借りると誰かに伝えたくなりました!だから、とりあえずこのブログにたどり着いたあなたに伝えます。笑

私はこの映画大好きです!

実は、ジャニーズの方が主演ということもあり、アイドルに役者経験を積ませる的な役割の映画かなと思って直前まで観るかどうか迷っていた作品でした。

結果、観にいって良かったです。本当に。

私のように劇場に足を運ぶか迷っている方にも是非おすすめしたい映画です。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で分かる個人的なハイライト

  • 米袋のなかで告白する上村さん萌え
  • 自分から足の上に座りにくるえみりちゃん萌え
  • 卒業式にも行かずたそがれてる時に、訪ねてきて差し入れしてくれる塚原萌え

うるキュンだけじゃない!これは、処方箋映画だ!

そう。

これは、恋愛映画の皮を被っていますが、実体は違いました。

たそがれがちに生きてきた男のコンプレックスを溶かす処方箋映画になっています。

原作者や監督が意識していたかどうかは、定かではありません。

いや、全然そんなつもりなかったんじゃないかと思いますが、自分のなかでは確かにコチコチに固まったコンプレックスが溶け出していくのを感じました。

というのも、この主人公は私自身がこんな人たちと出会いたかったという登場人物に巡り会えているからです。

自分が出会えなかった人たちに出会えているような気持ちになって、救われるような気がしました。

主人公の葉山は、死にゆく兄を見てきたショック。そして、兄が亡くなった時やっと解放されたと思ってしまった自分への自己嫌悪から、人がたくさん死ぬ小説を読みながらたそがれるようになってしまいます。

ほとんどこの状況は、不可抗力といって良いケースです。ただそうでなくても、色んな事情で葉山のように一人誰とも関わらずたそがれて生きている人はたくさんいて、自分もそんな一人です。

そんなやつが出会いたいと心で願っているのが、今作に出てくる3人です。

たそがれている中でもズケズケと踏み込んでくる恋人・上村小春。

自分以上に自分のことをわかってくれる友人・塚原。

頼んでいないのに自分から足の上に乗ってきてくれるかわいい系彼女のえみり。

誰に嫌われても構わんよ!ふんっ!って感じの男というのは、内心では自分が動かなくても向こうから積極的に絡んできてくれる。そんな都合の良い存在がいてくれたらなと、恥ずかしいことを考えているものです。

って、完全に個人的な感情ですけど。笑

とにかく私は、冒頭のたそがれて教室で空を眺めているところからこれは好きかもと思ったし、上村さんが誰もやりたがらない米袋に入ってジャンプするレースに誘ってきた瞬間にはもう完全にこれは好きな映画だと確信していました。

おまけに、葉山が暗いため誰もペアを組みたがらないから、私が一緒にやってあげるんだからね!なんていうのは、完全にどストライクなキャラクターです。

そして、イエスというあだ名を付けたであろう大学の友人・塚原もそうですね。ちょっと軽いところがあって、誰にでも好かれて、友人の多い博愛主義的な男。

これもまた、友人が少ないたそがれがちな男が妄想する友人像なんです。

そして、言うまでもないですがいかにも女の子らしくてかわいい系のえみり。料理も上手で客観的にはこっちのタイプの方がモテるでしょう。

あれもしてくれる、これもしてくれる。至れり尽くせりの女の子。

これも完全に妄想の具現化です。

ただ、どっちを選ぶかといことでいうと上村さんなんですよね。

これは、ドラクエビアンカを選ぶかフローラを選ぶか問題で、男ならほぼまあ違いなくビアンカを選ぶということに似ています。

伝わるかな…。男なら分かりますよね?笑)

といっても本来こういったキャラ設定は、ルサンチマンとコンプレックスを抱えて身動きが取れなくなっているようなどうしようもない男の妄想からでてくるものです。←自分のこと。

なのに、原作者の方は女性なんですよね。びっくりしました。この方知らなかったのですが、原作小説絶対チェックしたいと思います。

そして、なによりも主人公の葉山そのものも、なりたい自分の姿でもあります。

最後、殻をやぶって元気付けるためにカーネル像を運んでいきました。それこそ日本国憲法を破る勢いで。正確には憲法じゃないですけどw

自分は、主人公に完全に感情移入していたので、やりきったという妙な達成感がありました。笑

ひたすら落ち込んで、たそがれているだけじゃなく、本当は正直に思いを伝えられるようになりたいんです。

引っ張られてるだけじゃなくて、大切な人がいれば主体的に守ってあげたいんです。

。。。といったことを主人公になりきって実際にやった気になになって救われる。そんな処方箋のような映画でした!

うるキュンと女子向けを謳ってたけど、ちょっと控えめだった?

正直、この点が少し心配でした。いかにも女子向けなキュンキュンシーンの連続だとアラサーのおじさんには耐え切れないものがあるからです。

ただ、この映画では、流行りの壁ドン、顎クイなどの流行りものは封印していた印象です。

告白シーンも米袋のなか。

抱き合うシーンでいつもフライドチキンの油に邪魔される。

思いをぶちまけるのもカーネルサンダースと一緒。

あるとしたら、静電気が苦手だと話すところの後ろからのハグとラストの食事前のキスでしょうか。

まぁ、全然微笑ましく見れるレベルで、全然心配は杞憂に終わりました。なので、ジャニーズの中島くんを見に来た人たちにとっては逆に物足りなさがあったかもしれません。

というか、なんどもいいますがキャラクター設定が男向けなんですよね。やっぱり、そこらへん女性視点だとどう見えていたのかが、逆に気になるくらいです。

印象的なセリフもたっぷり!

全体的にというかほとんどが、会話劇を中心とした作品なので印象的なセリフもたくさんありました。

好きになるのが怖いんだというシーン。おばあちゃんに見られちゃう間の悪さは置いておいてすごく印象に残っています。

美味しいハンバーグを食べるとして、なくなっちゃうなら最初からない方が良かったと思う感じ。正直めちゃくちゃ共感できるんです。笑

良いことがあった後って、その分跳ね返りでなんか寂しさみたいなのを感じちゃうですよね。

恋人を作ることもそう。仮に、新木ちゃんのような子に好かれて告白されたとしても、それを素直に喜んで受け入れるなんてことやっぱり、自分にもできないと思います。←ありえなすぎる仮定だけどw

終わりを想像すると今の幸せなんてない方がいいかも。そういう主人公の感性も感情移入できた理由だと思います。

あと、片桐はいりさん演じる同じ病室のおばさんの言葉にも身につまされるものがありました。

生きてることが恥ずかしいことなんだから、とことん青くなりなよと!

確かにそうかもしれないと思います。

自分を含め恥ずかしくないような生き方をしてない人なんてそうそういないのかなの。

私自身は、恥ずかしくならないように、恥をかかないようにそんなことを過剰な自意識の中で考えながら生きている感じです。ただ、ちょっと俯瞰で見てみるとそれ自体もなかなか恥ずかしい生き方のような気がしています。

同じような生き方なら、とことん青くなる機会があっても良かったのかなと。

いまさら、そんなことを考えさせられました。

まだまだ、たくさんでてきそうなんですがこのくらいにしておきます。笑

探偵小説が出てくるだけあって、伏線がいっぱい!

この映画の中には、探偵小説のタイトルが結構いっぱい出てきました。原作者の方は、結構そういった類の小説が好きなんでしょうか。

それとも監督の演出かわかりませんが、一つ一つのシーンに出てくるアイテム、単語、シーンが後に色んな形で繋がっていくのには、驚かせれました。

ミステリーでもサスペンスでもないので、正直伏線ありきでストーリーを追っていなかったので、話が進むごとに新鮮な気づきがありました。

望遠鏡を覗く屋上デート。

涙を流す時の話。

元気がもらえるというカーネルおじさんとの握手。

兄との食べること飲むことの話。

細かいのをあげるとポカリもそうだし、フライドチキンを食べた後の手の演出なんかもそうですね。

上げ始めるとキリがないくらい伏線だらけのストーリー展開なんです。おそらく、私が気付いていないだけで、他にもたくさんあると思います。

話のジャンル的に伏線てきな演出が必ずしも重要ではないとは思います。

ただ、比較的淡々と進む二時間にわたる会話劇なので、観客を飽きさせない工夫がふんだんに詰め込まれていたんじゃないでしょうか。

実際、私はあっという間に時間が過ぎた気がしました。笑

ちょっと話は違いますが、ところどころにスポンサーの影が見え隠れしたのは気になりましたよね。笑

ポカリにKFCにガスト。ちょっと小腹が空いた状態での鑑賞だったので、軽い飯テロでした。

ただ、この点はある程度仕方ない部分もありますよね。上でも書きましたが会話劇が淡々と二時間続く映画はテレビドラマなら絶対成立しません。

CM前にチャンネルを変えさせない無意味な盛り上げや、壁ドンが代わりに必要になってくるでしょう。

そうなるとスポンサーを抱え込まないとこういった映画はできないのかもしれませんし。

と分析してみたものの、全然映画界の実情は詳しくないので、まと外れかもですが。笑

まとめ

個人的には非常に心に残る映画でしたが、他の人はどうかというとどこか感情移入するポイントがないと厳しい評価をする人もいるかもしれません。

私の場合、今作に関してはかなり偏った見方をしているはずです。イケメンっぷりやかわいさにも、もっと触れなきゃいけないのかもしれません。

一般的には、7年越しで愛を誓い合うほっこりラブストーリーという見方になるんだと思います。

ただ、映画の見方・解釈は人それぞれと言いますし、そこらへんは大目に見ていただけるとありがたいです。笑

それでは、最後まで読んでいただいた方はありがとうございました。

なにか、気になったことやここでは書いていない見方をしてる人などいたら、なんでもいいので是非コメント残していってくださいね!

映画『疾風スプリンター』感想 友情・努力・勝利!ジャンプ的王道ロードレース・エンターテインメント!

1月7日から全国公開している映画疾風スプリンターの感想レビューを書いています。自転車ロードレース、香港映画とあまり接点のない分野の映画。新年2回目の劇場鑑賞になります!

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さてー!

全然熱い男じゃないのに、熱血スポ根大好き立川あつです。

今年は、劇場で100作映画を観る予定なので、疾風スプリンターのごとく飛ばしていかなきゃですね。

今作は、香港映画でかつプロの自転車ロードレースを扱った作品です。

正直、両方とも馴染みはないのですが、同監督の激戦ハートオブファイトはかなり楽しんで観れたので、公開初日での鑑鑑賞です。

内容としては、プロロードレーサーたちの努力、友情、勝利を扱った王道ジャンプ漫画のような作品でした。

かなりベタベタな展開ばかりなのですが、ロードレースという馴染みのないジャンルだったので、個人的には新鮮な気持ちで観ることができました。

ただ、レース以外の恋愛パートなどはひと昔じゃ済まないほど、昔ながらのテレビドラマのような展開でちょっと恥ずかしくなってしまうかもです。

とは言っても、王道が好きだという人なら十分楽しめると思います。

気になる人は、是非劇場に足を運んでみてください!

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で振り返る個人的なハイライト

  • 無念!チーム・ファントムの幻のゴール!
  • ヒロインより圧倒的にかわいい!メカニック!
  • チウ・ミンの自転車トラブルを待つ男のなかの漢!チョン・ジウォン!

ネタバレ感想

ジャンプもビックリな王道ストーリー

よく言えば王道、悪く言えばワンパターンな展開。

この映画は、プロのロードレーサーを目指す若者に向けて作られたのかなという印象です。

ストーリーよりもキャラクター重視の映画で、日本であれば間違いなくこの手の作品は、漫画やアニメの役割なのかと思います。

破天荒なチウ・ミンに真面目過ぎるティウン。そして、2人が追いかけるのがチームの絶対的なエースであるチョン・ジウォン。

心の中で、ジャンプかよ!とツッコミを入れていたのは、私だけじゃないですよね。

そして、序盤はこの3人に対比する形で登場するダーティーなレースを仕掛けてくるチーム・ファントム。

ジャンプだなぁーと改めて思いました。

そして、チームの解散を機に3人はそれぞれの道に進むも挫折を経験することになります。

もう、ジャンプですよね。これ。完全にジャンプです。

さらに、最後にはかつてのチームメイトで絶対的なエース、チョン・ジウォンを2人の力を合わせて打ち破る。

もう、言う必要がないほどのジャンプ感。

数十巻に渡る長編スポ根ジャンプ漫画を1冊にぎゅっと凝縮したのがこの映画なのかなという印象です。

子供の頃から何度も読んできた王道のストーリーだからこそ、あまり馴染みのないジャンルですがスッとのめり込むことができました。

正直、全くの素人にはアシストの価値や進路妨害にも思えるブロックなど、分からないことだらけです。

ただ、そこも観ている人がおいていかれないように、実況の人が丁寧に解説してくれるので、徐々に飲み込むことができました。

ある意味、メタ的に映画を観ている人にしゃべりかけてくれている感じです。笑

ここら辺も少年漫画っぽいですよね。

もし、子供の頃にこの映画を観ていたら間違いなくロードレースがやりたくなっていたと思います。

それほど、自転車競技のいろはが分かる映画でした。

人間ドラマがいまいち

プロの世界を描いているだけあってロードレースに関しては、迫力や魅力が十分に伝わってきました。

反則行為にドーピング。裏で金を渡しての妨害工作などかなりシビアな世界観で描かれていました。

ただ、一歩日常に戻るとあまりにもベタ過ぎるメロドラマに恥ずかしくなってしまう感じがしました。

あの子かわいいな。と2人のライバルがヒロインを巡ってのドタバタ劇。

出てくるたびに、ここは良いから早くレースいってくれと願ってました。

今時、少女漫画でもないんじゃないかという演出の数々に、悪い意味で胸が締め付けられるレベル。笑

まぁ、こういった正統派を正面から観れなくなったのは、私の心が汚れてしまったからですね。

きっとそうです。すいません…。笑

そして、メカニックの子のほうが今作のヒロインよりも100倍かわいいというのも気になりました。

もちろん、スタイル等を考えるとアスリートにはできないでしょうが、日本人には絶対メカニックのこの方が、好みですよね。って、あくまで個人的な好みですけど。笑)

あっ、あと補足ですがその子は欧陽菲菲さんと親戚関係にあるそうで、オーヤン・ナナさんというそうですよ。

チウ・ミンとの母子関係についてもなんか惜しいなという感じでした。

母親に捨てられたことを原動力にしているという設定…。

にもかかわらず、普通にヒロインを紹介したり、飲んだりする間柄なんですよね。

これが、はじめの一歩の間柴のような立ち位置ならもっと感情移入できたのになと私は思いました。

親と生き別れてロードレースで勝つ以外に成功する道はない。

それが、勝利への執念で無鉄砲で破天荒な行動の原動力だというなら結構好きになれるキャラでした。

影があるようでない。単なるわがままに見えてしまうというのが、少し残念でした。

香港映画らしいNGシーンは必見!

ジャッキーの映画では定番ですが、今作にもエンドロールでNGシーンの総集編が流れました。

これがなかなか本編以上に迫力がありました。

と言うのも、演出としてのクラッシュではなく本当のクラッシュだからですね。笑

実際に多くの出演者が、傷だらけになりながら撮影が行われていたようです。

当たり前ですが、転んだ先はアスファルト。ただで済むはずがありません。

捻挫や打撲などが無くても、スピードをつけている自転車から落ちれば、間違いなく擦り傷だらけになります。

結構目を逸らしたくなるような痛々しいシーンがいっぱいでてきます。

ただ、これがある意味香港映画の醍醐味ですからね。見ない手はないです。

インド映画のダンス、香港映画のNGシーン。鉄板です。

もし、これから観に行く人は是非エンドロールが終わるまで席を立たないいことをおすすめします!

まとめ

普段触れることのない世界観を除きみることができるのも映画の良いところですよね。

そういった意味で言うと十分楽しむことができました。

ただ、1,800円払って観に行くべきかと言われると、自信を持っておすすめすることはできないかなという印象です。

ただ、日本でも漫画だと弱虫ペダルなどが大人気なサイクリストに向けた作品なので、好きな人なら間違いなく楽しめるんじゃないでしょうか!

絶対におもしろい!おすすめ関連作品

今作でもチウ・ミンとしてでているの主演映画 激戦ハートオブファイト。

こちらは、個人的に100%おすすめできる映画です。

と言うのも、私は格闘技、特にMMAが大好きでまさにそれをテーマにしている作品だからと言うのもあります。

ただ、MMA版ロッキーといった感じの内容で贔屓目なしで十分楽しむことのできる映画だと思います。

香港映画なので、バトルアクションを描くなら間違いないというのは、想像できますよね。

気になる人は、是非そちらもチェックしてみてください!

映画『傷物語(III冷血篇)』感想 エロとグロと大きさに見とれてしまった件

1月6日から全国公開されている映画傷物語の感想レビューを書いています。『I鉄血篇』『II熱血篇』に続き、第3弾となる本作が完結編です。 人間の体に戻るため3人の強敵と戦ってきた主人公・阿良々木暦ですが、果たしてどんな結末が待っているんでしょうか!

さてー!

このシリーズは、化物語とこの傷物語しか観ていない立川あつです。そして、原作も読んでいないので、どういう結末が待っているのかも知りません。

ファンの人たちからすると非国民扱いされてしまいそうで怖いです。笑

なんで、他を観ていないかというと、単純に先延ばしにしている間に、時間が経ってしまったというだけです。

ごめんなさい…。

ただ、キリが良いので時系列的にここから観ても全然楽しめる内容なんですよね。私は、今作を観終わったところから、違うシリーズに手を出して行く感じで行くつもりです。

さて、内容ですがこの後に続く化物語への接点が、美談としてでもなく、英雄譚としてでもない傷物語としてタイトルの通り描かれていたと私は感じました。

冷血篇というのも言いえて妙といったところですね。

TVシリーズでは、できないエロ・グロの描写なんかも含めて映画にする価値がある作品に仕上がっていました。

【作品情報】

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことをそのまま書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

3行で振り返るハイライト

吸血鬼の本性が明らかに!

おっぱい!

まさに、冷血な結末へ!

ネタバレ感想

原作小説を読んでなくて正解だったかも

私は、原作があってもあまり予習はしない派です。もちろん、映像化を知らずに読んじゃっているってことは結構あるんですが、化物語シリーズに関しては一切ありません。

なんか、先入観だったり、情報の過不足がが気になって、楽しめなくなっちゃうんじゃないかって気がするんですよね。

この方針が、今作では良い方向に運んだのかなという気がしました。

結末というか、その後の関係性は知っていても、そこにどのようにして繋がるのかというのが今作のポイントだったわけですし。

そういう意味で、この完結篇を観終わったときにはじめてタイトルの通り『傷』に関する物語だったと感慨深く振り返ることができるのは、知らないが故だったのかなと。

ストーリー性ということでは、熱心なファンよりも私のような原作小説に手をつけていないライト層の方が楽しめたのかもしれません。

この傷物語で、幸せになれた人は誰もいない。極端に登場人物の少ない今作ですが、誰一人として救われることは、ありませんでした。

かといって、もやもやするようなこともないです。このあとの展開も知っているからですね。

化物語』へと繋がる結末としては良い終わり方だったんじゃないかと思います。化物語の世界観の原点ここにありといった感じですね。

エロ・グロがTVシリーズではできないレベル!しかし、ありがとう!

映像・音声での体験が非常に嬉しい作品でしたよね。笑)特に、おっぱい的な意味で。今作ではおっぱいに次ぐ、おっぱい。おっぱいのボリューム感、そして含有量があまりにも多かったように思います。

まぁ、パンチラで始まる物語ですからね。ある程度、エロは予想していましたが、ここまでファンサービスたっぷりだとは思いませんでした。

カップルで観にきた学生なんかは、少々気まずい空気になったかもしれません。笑

特に、おっぱい慣れのシーンは、確信犯でしたよね。童貞チックなテンパったが故の行き過ぎ言葉責め。そして、そこまでやっておいてチキるという。笑

完全にAVの絡みを劇場でやってしまっていました。ロマンポルノでも観に来てしまったのかなという錯覚を感じるほど…。

しかし、このシーンを作ってくれた監督、そして制作の人たちには、心からの感謝を表明したいと思います。

「ありがとうございました』と…。

そして、なんと言ってもグロシーンもなかなかの見応えでした。

一切、隠すことなく人を食らっていくキスショット。色々、見えちゃいけないものまで写ってしまっていたように思います。

内容的には、R15指定がされてもおかしくない感じでした。ただ、このおどろおどろしいシーンも劇場で観る映画の醍醐味ですよね。

化物語の世界観とエログロってかなり、親和性が高いんだなぁとこの映画を見て改めて実感しました。

スプラッター系バトルシーンがやばい!

サッカー場でのバトルシーン。ほとんど死ぬ余地のない二人のこの戦いは、果たしてバトルと言って良いのかさえ定かではありませんでしたが。

それにしても、斬新すぎるバトルでしたね。

おもちゃのごとく、簡単に吹っ飛ぶ頭に手足。簡単にせん切れる胴体。そして、そんな傷もすぐに修復してしまうという。

スプラッター映画の製作者もこの映像にはびっくりでしょうね。

サッカー場の壁に、頭を押し付けてだいこんおろしのようにするシーンなんかは、このアニメでしかできないでしょう。笑

というか、この戦いを原作小説ではどう描いているのか気になります。こんなの普通文字で描けないですよね。

映画では、バトルシーンをかなり改変しているんでしょうか。

どうなんだろう…。

折角見終わったので、原作小説との違いも確認して見ようかななと思います。あとから読む分には、懸案していたことを気にする必要もないですしね。

まとめ

傷物語としては完結篇となる今作。

まさに、その最後としてふさわしい出来栄えだったんじゃないでしょうか。

私のようなライトファンから、今作を待ち望んでいたヘビーなファンまで幅広く満足できる映画だった思います。

そして、マーケティングな意味合いでは、この傷物語化物語へと繋がる前日譚なので、化物語シリーズを見返したくなるようになっています。

私は、早速AmazonでDVDをポチってしまいました!笑)なんと言っても映像の美しさも『化物語シリーズ』の良いところですからね。

あまり、スマホなどのちっちゃい画面向きじゃないかなと個人的に思います。

ただ、単に動画として観るのであれば、U-NEXTでも配信されているようなので、そちらで観たほうが、断然お得ですね。

加入してから、一ヶ月は無料期間ですし最初に600円分のクーポンまで付いてくるようです。さらに、2ヶ月目からは、1000円に増えます。

Huluなんかでは、配信されていないような新作も1000円分は無料で見れるようにというサービスのようです。

先日、スターウォーズEP3.9とも言われるローグワンを観て、そのあとすぐスターウォーズEP4を観たら最高だったので、私は今回もその流れで観てしまおうと思います。

この映画を観て『化物語』熱が高まってしまった人は、是非チェックしてみてください!