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映画 『ぼくのおじさん』感想 ほっこりできるおじさん観察バラエティ!寅さんのようにシリーズ化希望!【ネタバレ】

北杜夫が児童文学として自身をモデルにして書いたロングセラー小説が元になっている映画『ぼくのおじさん』が本日公開になりました。主演は、松田龍平でヒロインは真木よう子が演じています。

私は非常に楽しみにしていた作品で、公開当日に早速見に行ってきました。

休日の公開、元が児童文学であるだけに家族連れの方が多くて、劇場はたくさんの笑い声であふれていました。

あちこちで笑っている人がいると、なんだか自分も幸せな気分になりますよね。

この映画って、ストーリーはすごくシンプルなんだけど、視点がかなり斬新ですよね。しっかりものの小学生、雪男(大西利空)がダメダメおじさんを観察して、記録していくっていう。笑)

おじさん観察映画!映画としては新しいと思います。

ダメなくせに鼻に付くおじさんが、必ず溜飲を下げさせられるというオチには、見ている人たちみんながほっこりしていたんじゃないでしょうか?

作りも分かりやすいくオチも見えているんですが、おじさんのキャラが立っていたので、最後まで飽きずに見ることができました。

最近見ていた映画は、どっと疲れるカロリーをつかうものが多かったので、非常に気楽に見られて良かったです

※このあとの記事には、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評といった類のものではなく、感じたことをそのまま書き出しただけの寄せ集めのようなものです。見に来ていただいた方には、友人と映画を見終わった後にあーだこーだ言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

ちょっとイラっとするけど、ほっこりできる

いや〜。見てるぶんにはいいですけど、子供の頃にこんなおじさんがみじかにいたら嫌ですね。

私には雪男くんのように上手く受け流したり、ツッコンだりする自信ないです。笑

普段の生活を覗いて見ても、布団は万年床だし食事はネコと煮干しを巡って争う、自分が読む漫画のお金を払わせようとする。

ダメダメ。笑

人に対してもすぐに嘘をつく、見栄をはる。しかも、子供に対してまで自分に対する敬意のなさから嫌がらせを仕掛けてくる。

ダメダメ過ぎ。笑)一貫してこんな態度です。一貫してれば、いいってものじゃないでしょうに。

樽の中で犬のように生活しながら、私は哲学者だと宣っていたディオゲネスという人が過去にいたんですが、まさにそんな感じ。公衆の面前で自分で自分の欲求を満たさないだけましか。

そんな現代のディオゲネスこと雪男のおじさんですが、こんな人が同じ屋根の下にはびこっていたら本来、イライラするだけだと思います。思いっきりバトルしていたお母さんの気持ちもわかります。笑(あっ、昭和のテイストを感じたのは、お母さんがお父さんには弱かったからかな。。。)

ただ、どんなにおじさんが暴れても最後にはきっちり痛い目に合うというオチをつけてくれていたので、ほっこりすることができたんでしょうね。

「まあ、可愛げがあるかな」と。

何としてもハワイに行こうとし、お金を使い切った上で撃沈して、死ぬ程落ち込んでいても「そりゃそうだろ」と自業自得だとしか思えませんでした。「死んでも構わない」ってかなり深刻ですけど。

そして最後も本来、ハワイまで追いかけて行って振られてしまったら、かわいそうだなと思うものですが、ことおじさんに関しては「でしょうね〜」と当然のように納得してしまいます。

映画史上もっとも見ている人たちに受け入れられる失恋だったんじゃないでしょうか?

いや、伝説の寅さんがいるか。。。笑

シンプルな展開で安心して見てられる

映画って「次に何が起こるんだろう?」ってドキドキする話が多いです。

ビックリさせられた、予想できなかったみたいな展開のあるのがいい映画だと言われることもあります。

ただ、この映画に関しては、一切そういった要素はなかったですよね。

何かイベントが発生する度に、オチは明らかに見えてしまっていました。

まぁ、おじさんが痛い目をみるっていうやつですね。笑

最初に、エリー(真木よう子)にあった時点から、おじさんの恋が叶うと思って見てる人はいなかったと思います。

「どうやって盛大に振られてくれるのか?」を楽しみにしていたのは、私だけじゃないと思います。

そして、期待通り自ら墓穴を掘る形で叶わぬ恋となるのでした。笑

これで良いのだ。Es ist gut.バカボンのパパが言いそうな言葉ですが、ドイツ語で言うとちょっとかっこいいですね。

このマヌケ感。やっぱりほっこりしてしまいます。

ただ、ちゃんと救いもエンドロールの後に残していましたよね。

先生との新しい恋のフラグを立たせて、この話を終わらせました。

子供もたくさん見にくるから救いのない結末というのは、逆に締まりが悪いのかもしれません。

まぁ、振られちゃうんでしょうけど。笑

寅さんみたいにシリーズ化しても楽しめる作品かもしれませんね。

観察者雪男くんとのバランスが絶妙

とにかくダメダメなおじさんだけど、しっかりものの雪男くんがいることで、上手くバランスが取れていましたよね。

かけ合いのテンポも良くて、コントを見てる感じすらしました。

見てる人たちの立ち位置は、主人公のおじさんではなくてこの雪男くんだったんじゃないでしょうか?

私は、心の中で一緒になっておじさんにツッコんでいました。

最終的には、雪男くんがリードを持っていて、おじさんはそれに繋がれている犬みたいな感じに見えていましたよね。

そして、おじさんをハワイに連れってあげてくれてありがとう!雪男くん!

本人は、自分が連れて行くんだと主張していたけど。笑

まとめ

ヒ、ヒロインが。。。

個人的には、真木よう子戸田恵梨香も好きな女優さんだったんですけど、今作で見るとなんかちょっとおばさん感が出ちゃっていたのは、気のせいいでしょうか。

なんかここまでダメダメなおじさんを見ていると、なんだか自分なんか大分ましなんじゃないかと思えるから不思議ですよね。

最近、マシュマロおじさんという漫画を読んだばかりだったんですが、これもおじさん観察ものです。

おじさんをステレオタイプに見ると、傲慢だったり偏屈だったりっていうあまり良いイメージでてこないですが、これからはこんなほっこりするおじさんキャラがどんどん出てくるのかもしれませんね。

癒し系であればどんどんもっと面白いキャラ期待しちゃっています。

終わり方が次に繋げるような感じでしたが、もし続編があるのであれば、絶対見に行きたいと思います。

このおじさん、なんだかくせになります。笑