ネタバレ感想『創世のタイガ』マンモスにカリコテリウム!森恒二の新作は壮大なタイムスリップサバイバル漫画だぞ
✔めちゃくちゃ楽しみにしてた森恒二先生の新作は壮大なタイムスリップサバイバル漫画だった話
✔作品情報、あらすじ、キャラクター、無料試し読みのまとめ
✔感想をネタバレしつつ紹介
さてー!
好きな漫画家トップテンに入る森恒二先生の新作が出ました。私は、ホーリーランドから始まり自殺島、デストロイアンドレボリューションと全部3回以上リピートして読んでいます。
森先生の描く主人公は必ずと言っていいほど悩みに悩んで煮詰まっているタイプ。その悩みが自分の中にもあるものなので、共感できるしいつも楽しんで読むことができます。
新作『創世のタイガ』では、自分が特別ではないと気付いた人類学を専攻する大学生のタイガが主人公。原始時代にタイムスリップした仲間と共に、厳しい環境下でサバイバルしていく姿を描いています。
いやー!今作も熱くなりそうですよね。設定だけで言えば『自殺島』よりもかなりハードモードっぽい。
ということで早速いっちゃいましょう。
作品情報
作者
出版社
講談社(イブニングKC)にて連載中
あらすじ
タイガは自分が凡庸であることに気付き、生きている実感が乏しい大学生。文化人類学を専攻するゼミ仲間6人と共にオーストラリアに卒業旅行に来ていた。
そこで偶然見かけた洞窟内部には、ガイドマップにも載っていない古代のものと思しき壁画が描かれていた。大発見だと喜ぶのもつかのま、直後に起こった大きな揺れによる崩落で洞窟内に閉じ込められてしまう。
奇跡的に全員無事で洞窟内からも脱出した一同。しかし、そこは巨大な樹木が屹立し、見慣れない大型哺乳類な闊歩するどう見ても原始時代としか思えない世界で…。
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ネタバレ感想
崩落した長いトンネルを抜けるとそこは原始時代だった
7人がなんとか崩落から逃れ、たどり着いた出口の先は原始時代だった。現代とは全く違う植生。そこで弱肉強食を繰り広げる巨大な古代の哺乳類たち。みんなが絶望的な表情を浮かべる中、タイガは心のどこかで湧き上がるようなドキドキを感じていた。
このドキドキ。興奮。高揚感。森先生の作品を読んでいる人からするとおなじみの内面描写ですよね。
これは生存本能だと私は、解釈しています。人は厳しい状況下に置かれるとこの生存本能のスイッチが入るんじゃないでしょうか。
現代の日常では感じられない正に命の危機。それに直面し、生存本能が呼び起こされつつあると。
生きる意味を見失いつつあったタイガを通して本能に目覚めた人間の活躍を描く。それが、今作のテーマになるのかと思います。
古代にきたことを認めサバイバルへ
カリコテリウムにマンモス。更新世に生きていたとされる哺乳類を目の当たりにして自分達の置かれた状況を理解し始めた一同。肉食動物から身を守るシェルターに火起こし、そして生きる為、水・食料の確保に奔走する。
タイムスリップしたことに対する動揺はもちろんですが、危機に直面した時の反応というのが、7人それぞれで面白いですね。
冒頭、洞窟に閉じ込められるまでの間にそれぞれのキャラクターが分かるようにしていたのはこの為でしょう。
特に気になったのがタイガとチヒロ。タイガは明らかに「目覚めて」生き生きして来てるし、チヒロは危機的状況下でもあまり不安を表に出さずに飄々としています。一方、お調子者っぽいはなかなか周りの状況を受け入れられずにいました。
七人七色っていうんですかね。それぞれキャラクターがあって、自分ならどうなるだろうなと当てはめて考えて読むのも楽しいかもしれません。
ただ、ちょっと気になるのが男女比のこと。男が一人余るんですよね(笑)前作の自殺島ではかなり特殊な環境での性描写もあったので、男女関係がどうなるかというのも気になるところです。
人類との遭遇
人類学を専攻する学生だけあって、生き物の種類からおおよその年代を把握することができつつあった。 そんな中、タイガたちはネアンデルタール人とホモサピエンスの対立に遭遇する。
単に自然の中でサバイバルするだけでは終わらない。森先生は、人と人の対立を描く漫画家さんだったのを思い出しました。
ラストでホモサピエンス 側が仲間の死を悲しんでいるシーンができましたが、間違いなくこの先彼らと接触することになるでしょう。
言葉も文化も違う中でどうコミュニケーションをとって、いかに共生していくのか。モノローグのマンモス狩りの回想へとどのように繋がるのか楽しみですね。
最後に
やっぱり個人的に凄い好きな漫画家さんです。内面描写が完全に共感できるんですよね。登場人物と同じ悩みを持ってる確率100%です(笑)それが、路上での格闘であろうと、流行り?の異世界転生的なストーリーであろうと人としての根っこで繋がっている気がするので、文句なしに楽しむことができます。
当然、いつものように森節とも言える解説もついてるので安心してくだい!この作品が完結するころには、たとえマンモスがいる時代にタイムスリップしても生きていけるだけの知識は身についているんじゃないかと思います。
おすすめ!
ネタバレ感想『ギルティ 鳴かぬ蛍が身を焦がす(丘上あい)』は胸糞展開にブチ切れ間違いなしのラブサスペンス漫画だ!
✔漫画『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ (1)』を読んでブチ切れた話
✔あらすじ、作品情報、無料試し読みまとめています
✔感想を面白味を削ぐような核心的なネタバレは避けつつ紹介
さてー!
久々に胸糞ですよ。イラッときてます。ムカつく。チョベリバ。
あらゆる呪詛を吐き出したくなるような漫画に出会ってしまいました。スポーツジムでスッキリしてきたのに台無しです(笑)
表紙からして相手の顔が見えず若干不穏な雰囲気を醸し出してる本作。出来れば出会いたくなかった!
ということで本日は『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 』を紹介していきたいと思います!
作品情報
作者
丘上あい
出版
まんが王国にて連載中
あらすじ
「人って嘘が上手い」「たいがいのことは嘘で出来ている」
35歳、女性ファッション誌に勤める爽(さやか)は何をしても完璧で優しい夫と仲睦まじく2人暮らし。しかし、本音では子供が欲しいと願っていることを打ち明けられずにいた。
そんな爽の唯一の憩いの場であるバーには友人である年下の友人・瑠衣(るい)がいてその人柄にいつも癒やされている。爽は瑠衣に後押しされる形でその本心を夫に打ち明けるのだが…。
人の嘘と本心を垣間見ることのできるラブサスペンスで、まさかの展開に驚かされる!
無料試し読み
サイト内で『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 』と検索したら出てきますよ
※この作品は、まんが王国での先行配信作品だそうです。11月30日まで第1話無料で読めるみたいなんでこの機会に是非。
ネタバレ感想
優しくて完璧な夫に対する唯一の気がかり
ファッション雑誌の編集部に勤める爽と広告代理店の会社員の夫は共働き。疲れているのを察してカルパッチョを作ってくれるような優しく完璧な夫で一見不満なんて無いように見えます。
しかし、夫に対してある疑問をもつ爽。結婚10年目の2人にとっては正直あり得るのか?という設定でもあります。ただ、これはデリケートな問題ですし、編集として校了に追われる毎日を過ごす爽のことを気遣っているとも解釈できます。
ただ、それでも「何かおかしい」というか不穏な雰囲気を醸し出していることも間違いありません。というか、ぶっちゃけてしまうと違和感どころの騒ぎじゃないですよ!(笑)
結婚10年目で夫婦円満。そんな2人が仕事優先とは言え子供を作るほうにベクトルが向かないのは完全におかしい。作る予定がなくても出来てしまう勢いです。
じゃあ、何か理由はあるのかって話がこの漫画の序盤のサスペンスとなっています。
赤裸々過ぎる女性の性事情
瑠衣にはニートだと切って捨てるダメンズ彼氏が居て、爽とは本音で赤裸々な性事情を話合って共感し合っています。
「女だってただしたい時くらいありますよ」メガネをかけてちょっと地味で天然っぽい見た目からは想像付かないようなトークも展開されます。これがいわゆるガールズトークってやつですかね?
なんか女子会を覗いてしまっているようで若干申し訳ない気持ちになりますが、アラサー男の私にとってはかなり興味があった部分なので楽しんで読むことができました。
子供は欲しくないと言い切る夫
瑠衣に後押しされる形で、子供が欲しいと打ち明ける爽。帰ってきた答えは「子供は欲しくないんだ」という率直過ぎるものでした。
ちょっとここはツッコミたい!
10年前の回想で結婚したい、家族になりたいと切り出したのは爽だったというのが明らかになります。
この時なんで、「子供はどうするのか」とか将来のプランを話し合わなかったし!結婚と子供って流石にセットで人生設計者考えるでしょうに。
もちろん多様な夫婦のあり方っていうのも全然ありです。DINKSっていうんでしたっけ?ありですよ。それも。ただ、夫がそういう関係を望むのであればそれは後出しジャンケンできるものではないはず。結婚するっていうのは家族として子供を作って、育てることもまだまだ前提になっています。
「そんな後出しジャンケン許されねーぞ!ボケェ」くらいのことはその場で言って当然。受け入れる必要のないことです。
しっかりしろ爽!まぁ、ご都合主義と言ってしまえばその通りですが、自分から結婚を切り出して、子供のことを持ち出さなかったということを引け目に感じていたのかもしれませんけど。
そして衝撃的なラスト
そして、なんとも言えないラストへと話が進んでいきます。
「人って嘘が上手い」「たいがいのことは嘘で出来ている」
冒頭、この言葉で始まった物語はその通りの結末を迎えることになります。これが本当に超胸糞なやつ!そして、いわゆる次回が気になって気になってたまらなくなる海外ドラマと同じような終わり方をします。これもまた憎い。
おい!いい加減にしろ!
どうしても気になるラストは本編をにて確認してみてください。ここまでの感想で合わないタイプの話だなと思った人はスルー推奨です。
最後に
多分漫画のタッチやキャラクター設定からすると女性向けなんでしょうけど、男でも全然楽しめる余地のある漫画だと思います。
こういう人間の本性を暴いていくドロドロとした話って定番ですけど、結構はまりますね。それにかなり女性が好きそうな綺麗な絵柄になっていて、キャラクターも可愛いのでそういう視点でも楽しめるかもしれません。
おすすめ!
まんが王国サイト内で『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 』と検索!
※この作品は、まんが王国内での先行配信作品となっています。
伊藤潤二が描くホラー版『人間失格』のネタバレ感想 ワザ…ワザ…怖すぎ!太宰治ファンもホラー漫画好きも必見!
✔ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二が太宰治の『人間失格』をオリジナルの視点から漫画化
✔作品情報、あらすじ、無料試し読み出来るサイトをまとめています
✔感想を核心的なネタバレは避けつつ紹介!
さてー!
今日は11月1日ということで、映画の日。エウレカセブンハイエボリューションを4DXで観てきました。そして、漫画サイトを覗いていたらあっという間に日がくれていました。まぁ、芸術の秋ってことで良しとしましょう。
読んだのも太宰治の人間失格をもとにした作品ですしね。純文学を読んでるのと結果は一緒ですよ。たぶん・・・
ということで今日は、伊藤潤二『人間失格』を紹介していきたいと思います!
【人間失格 1 (ビッグコミックス)/伊藤 潤二】人間失格相変わらずクセが強い。ただ、ホラーとの相性も良しだ。内容忘れかけてたから漫画で復習しとく。 → https://t.co/y6R7Zt5jou #bookmeter
— あつ (@0129_kracpot) 2017年11月1日
作品情報
作品概要
幼い頃から人間関係に恐怖して不器用に生きてきた男の人生を描いた言わずと知れた名作文学。内容を知らない人はいないですよね。
映画化だけでなく何度となくリメイクされてる作品です。
今回は、人気ホラーシリーズ『富江』で知られるホラー漫画家の伊藤潤二がオリジナルのテイストで漫画化リメイクしています。
作者
原作
出版社
あらすじ
隣人の幸福が理解できない。なのに、隣人の目が気になって仕方ない。そんな主人公・大葉葉蔵が必死で身につけたのが道化だった。上京した葉蔵は堀木に誘われ、非合法活動に参加する。
活動に疲れた葉蔵はある女給と出会うが……
無料試し読み
今すぐ読みたい方はKindleで☟
ネタバレ感想
共感出来るかはやっぱり感性次第
「人間関係が上手く行かない」「周りとの距離感が分からない」
そういったいわゆる不器用な生き方をしている人たちから絶大な支持を集めている原作小説。
今作でもその生き方がたっぷりと描かれている訳ですが、正直私は相変わらず共感できないです。いや、不器用に生きているというところは全くもって自分のことなんですけどね。
ただ、道化を演じて人気者になれたり女にモテるところが全然違うし、おまけに頭まで良いとなるとどうも親近感がわかないんですよ!というか、なんだかイライラする(笑)
あんたのスペックならほっておいても、良い方向に転んで行くんじゃないの?と突き放して読んでしまいます。それにやっぱりどこかナルシズムみたいなものも感じてしまうんですよ。
そこが、自分の感性とはちょっとずれる。
オリジナルの解釈があるので読み直す価値あり
冒頭は女と心中するシーンから始まります。原作では確か警察が葉蔵の過去の写真だか手記を発見するところからでしたよね。
今作ではいきなりオリジナルの解釈が登場します。冒頭では心中の回想から。女と共に川に身を投げる際、草を掴んで落ちまいとする行動を描いています。原作にはない表現ですよね。
葉蔵が心中を試みて女も納得し覚悟している。しかし、葉蔵は優柔不断さが出たのかあるいは怖気ずいたのか逃げようとしていると考えていいのかと思います。この点については、当の著者の自伝的小説であることを考えると事実なんじゃないかと私は、思います。確か、太宰治って心中に何回か失敗していましたもんね。
「失敗というより逃げ出そうとしたんじゃないか」というのは学生時代にこの作品を読まされと時も感じていたことでした。都合良く男の方だけ助かるのは、単純に逃げ出せる力があるからかなと。そこをはっきりと描いているのが、新たに読み直す分にも新鮮さがありました。
ホラーとの相性は間違いなく良いぞ!
「人こそが怖い」
この点に関しては120%同意するところです。そして、周りの人に合わせようと必死になるのもそうですね。痛いほど良く分かります。
葉蔵の場合は、周りから面白い存在であることを求められているのを感じとり、道化を演じています。しかし、それを愚鈍であると見下していた相手に見抜かれてしまうシーン!
「わざ…わざ…」
これってやっぱりホラーですよ。その恐怖を単に自分が怖いということだけでなく、見抜かれた相手のビジュアルにまで反映させるというのが漫画にしか出来ない演出。
みすぼらしい身なりにほとんど妖怪のような容姿。というか作品が違いえば完全に妖怪や化け物の類に変身するやつです!これは子供の頃に見たら夢に出るパターン。ガチでヤバいです。
苦手な人には閲覧注意なので気を付けてくださいね。
太宰治が好きでもホラーが苦手って言う人は読まないほうが良いかもですね。
最後に
やっぱり何度もリメイクされている作品には訳がありますね。シンプルに素材として面白い!周りと上手く折り合いが付けられないで、不器用に生きるしかない男の生き様。
そして、それをホラーテイストを組み込んで蘇らせる。 読む価値ありです。私は、本編の内容を忘れつつあるので復讐の意味合いも兼ねて読んでみました。
おすすめ!
映画『ゲットアウト』感想 ネタバレ厳禁!まだ観てない人には結末を言っちゃうのは犯罪的なやつだぞ
さてー!
最近、怖いものにハマってる立川あつです。
この『ゲット・アウト(原題:Get Out)』予告から結構好きかもと思ってたやつです。どうも幽霊系のホラーが楽しめないたちなので、今作のような幽霊出ない系のホラー。気になってました!
ただ、監督はもちろん主演・キャストも含めて全く知らない人ばかりの作品なので、それこそお金をかけて見るのはホラー以上の危うさがあります。しかし、まぁそこまで含めてどうせなら楽しめるかなという感じの鑑賞でした。
つまらなかったら、それはそれでブログのネタにすればいいですしね。
映画『ゲット・アウト』★★★★4.0点。 これは世にも奇妙な物語の神回レベル https://t.co/zmgyYrcoR6 #Filmarks #映画 #ゲットアウト
— あつ (@0129_kracpot) 2017年10月29日
結果、個人的には断然好きなやつ。正直、アラサーのおじさんになってしまうと怖さってのはあまり感じなくなってしまっているってのが本当のところ。
「別に怖くねーし!」って厨二を気取ってる訳じゃないですよ(笑)シンプルに鈍感になってしまっているだけ。
ただ、この映画に関しては単純な怖さというよりも、気味の悪さというか違和感。その原因がなんなのかが分からない怖さ。終始、嫌な感じが結末まで続くと言った作りで、全然毛色の違うホラーでした。
なので、鈍感な私でも全然怖がれるやつ!
それだけじゃなくホラーなのにキャラの立ちすぎたステレオタイプな黒人男性がいるのにもクスッとさせられたり。
人種差別が根底にある話ですが、他人種どころか同じ人種とも接点の少ない私には「あまり実感のない文化の話だな」と、正直とっつきにくい面もありました。実際、『ドリーム』なんかは高い評価にも関わらず、自分の中ではいまいち刺さらなかったですしね。
まぁ、実感こそありませんが属性ありきで話をされることとかは、黒人に関わらずあるあるなので痛いほどよく分かります。
そういった文化の違いこそあれ私は、存分にこの世界観を楽しめました!
衝撃的な結末もそういうことかと膝を打つような納得のいくもので、とってつけたようなものではありません。
チープな言い方になっちゃいますけど、世にも奇妙な物語の神回って感じですかね(個人的には褒めてます)。好きな人には絶対おすすめ出来る映画ですよ!
感想(ネタバレあり)
乗っ取られるという恐怖!
ホラーでもスリラーでもいかに人が殺されるかを描くのがメインになりがちですけど、この映画では人が死ぬシーンは最後の最後しか出てきません。
クリスが訪れたアーミテージ家での「何かがおかしい」と感じさせられる出来事。管理人が全速力で走っていたり、自分を惚れ惚れと鏡で眺める使用人だったり。さらにかつての知り合いが全く別人のようになっている。
そこ黒人は全て、催眠と脳手術によって乗っ取られていたわけです。使用人はローズの祖母、管理人は祖父だったと。
この「乗っ取り」って『世にも奇妙な物語』では結構定番のやつですが、私は子供の頃に完全にトラウマを植えつけられたやつです(笑)おばけや幽霊なんかの100倍くらい怖いやつ。
死ぬよりも何か恐ろしいですよね。ちょっと話は違いますがドラゴンボールで悟空とギニューが入れ替わるのも怖かった。ギニューが一生カエルで生きて行かなくちゃいけないのも異常なまでに怖かった記憶があります。
しかも、この映画ではそれを「沈んだ」状態を保ちながら乗っ取られてしまうパターン。想像すらしたくないやつでしたね。
伏線があるから陳腐にならない
正直乗っ取られるっていう設定自体は、世にも奇妙な物語で使われるくらい定番のものですけど、その結末が明らかになるまでの伏線がしっかりしていたので変なB級感がありませんでした。
使用人のジョージナが「私たちを家族のように扱ってくれています(これは実際に黒人のどれが使用人として働いてた頃に言わされていたセリフだそう)」とクリスに説明していたのも、それが事実だったと。管理人も別に押し付けられている訳ではなく「嫌な仕事はないよ」と言うのも強靭な肉体を存分に使えるわけでその通りでした。夜中に完璧なフォームで全力失踪するくらいですからね(笑)さすが元陸上選手って感じです。
ひょっとしたら感の鋭い人はここで気づけた人もいたのかもしれません。
不意に涙を見せたり、鼻血をだして錯乱したりというのも「沈んだ」状態の本人が現れかけていたということですよね。
こういう伏線がミルフィーユのように積み重なっての結末なので450万ドルというアメリカでは低予算の映画ながら、全然陳腐な感じにはなっていませんでした。
これはやっちゃいそうというタイプの差別
あまり、身近な問題ではない人種差別。本来、私の実生活と重ねて観れるものはないかなと思っていたのですが、属性でくくってステレオタイプな評価をするのは身近にあるなぁと思いました。
この映画に出てくる白人は、映画『ドリーム』に出てきたようなあからさまな差別はあほとんどしていません(冒頭の身分証の件以外)。トイレを別にしたり、図書館が使えなかったりというような隔離政策的なものですね。
ただ、黒人というだけで強靭な肉体を持っているに違いないとベタベタ触られたり、なんなら下のモノもでかいんでしょうみたいな事を言われる。黒人だからという属性だけでタイガーウッズやオバマ大統領を持ち出してる。
別にディスってる訳じゃないけど、これはやられてる側からすると大変うざいやつ。「大阪の人はみんなノリが良くて面白いに違いない」っていうのもそういうの期待されたくないって言いますしね。
それが、差別による軋轢の大きい文化圏の人にやれば明確な自覚のない差別になるのでしょう。というか、テレビの外タレの人たちはしょっちゅうこういう扱いを受けているような気がします。
ちょっとこれは身近ではないと思っていた私のようなひとでも考えなきゃいけない問題なのかなと思わされる映画でした。
映画『ブレードランナー2049』感想 ジョイかわいいよジョイ!
さてー!
観てきましたよ!映画『ブレードランナー2049』
観た
— あつ (@0129_kracpot) 2017年10月27日
明日はシンゴシ pic.twitter.com/dqwgZy3sL5
いまだにカルト的人気を誇る本作。私は世代が違うので、オリジナルの影響を受けた作品しか鑑賞したことがありませんでした。
ただ、それで感想を書いても「このにわか野郎!」と往年のファンの方々に怒られるかと思い、一応オリジナルの『ブレードランナー』も一週間前に復習しておきました。
その世界観に圧倒されるのはもちろん、「人間性とは何か」という扱ってるテーマの普遍性も素晴らしいし、そして描かれていない部分こそ想像力を掻き立てられるような映画でした。
映画ファンを唸らせるのも納得です。
そして、時を経て蘇った本作!圧倒的な世界観は健在でしたね。荒廃した未来に無骨なデザインのガジェットの数々。全部男が好きなやつですよ。
それに、家庭用AIって言っていいんでしょか?ジョイがかわい過ぎて困りましたね。ジョイかわいいよジョイ!Googleにはもっと頑張ってもらって早急にジョイと同一の製品を開発してもらいたいものです。
もちろん普遍的なテーマ性も主人公のKやジョイとの関係を通じて描かれていましたし、途中オリジナルの断片もリンクするように作ってありファンの人感涙の映画になっていたんじゃないでしょうか!
ただ、正直に言っちゃいましょう。3時間近い作品だったので若干眠くなったと!(笑)アクションがずっと続くわけでもなく、暗いトーンの映像が淡々と続くこともあり私には睡魔が襲ってくるところもありました。
まぁ、実はミスリードされていたのでラストの衝撃的な結末の為にも眠くなってる暇じゃなかったんですけどね。
映画『ブレードランナー 2049』★★★★4.0点。 相変わらずの圧倒的世界観。3時間近くあってちょっと眠くなったのは内緒 https://t.co/yDUHRqngR3 #Filmarks #映画 #ブレードランナー2049
— あつ (@0129_kracpot) 2017年10月27日
これから先は、本編のネタバレガンガンありでの感想を書いていきたいと思います。
【映画パンフレット】 ブレードランナー 2049 監督 ドゥニ・ビルヌーブ キャスト ライアン・ゴズリング, ハリソン・フォード, アナ・デ・アルマス, シルビア・ホークス,
- 出版社/メーカー: 松竹 ソニーピクチャー
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感想(ネタバレあり)
全部男の好きなやつ!
オリジナルの『ブレードランナー』での冒頭。退廃した未来のロサンゼルスは「これ本当に昔の映画かいな」と思わされる一大スペクタクルでしたが、今回もまた凄い映像を魅せられましたね。
最近だと『ゴーストインザシェル』の町並みとかに胸が熱くなる訳ですが、その元ネタがこの世界観なんですよね。科学は発達してるけど、決してユートピアって訳じゃなくて今よりも生活は厳しくなってる。
だから、売春もあるし町並みも全然スタイリッシュじゃないし、一つ一つのものも無骨なデザイン。iPhoneがハイパーテクノロジーに観えるレベルです(笑)
ただ、これは男にしか分からない感覚なのかもですが、スタイリッシュでいかにも近未来って感じの世界観ってどうも熱くなれないんですよね。いわゆるディストピア。どこか危うい世界観が、生存本能みたいなものを掻き立ててくれるってもんです。
これが男の好きなやつ!
そして、その世界を飛び回るスピナー。これもまた無骨なデザインでスタイリッシュ感ゼロ(笑)ただ、これが良い。今回はオマケでドローン的なもの(パイロットフィッシュとも言うそう)が上部に付けられていました。男の好きなやつですね!
そして、なんといってもブラスターですよ。曲線的なフォルムのレーザー銃は定番ですが、この世界観には似合わない!無骨なリボルバーっぽいデザインで高火力。胸が熱くなりました。その名も『留之介ブラスター2049』!
名前に日本名が入ってます。留の字がなんで竜とか龍じゃないのか?そもそも神の名前とかじゃなくなんで普通の人名っぽいのかと違和感はありますが、それもブレードランナーの世界観ですからね。納得できます。
トリガーが2つるのも気になりますし、持ち手が木っぽい素材で出来てるのはこの世界観の中では貴重ということですよね。
これが男の好きなやつなんですよ!
完成モデルガン 留之助ブラスター2049(ブレードランナー2049)
ジョイかわいいよジョイ!
パンフレットによるとこのジョイは、「ウォレス社が一般家庭向けに提供するAI搭載のホームオートメーションシステム」だそうです。
帰りの電車のなかで丁度GoogleHomeの広告が目に入ったのですが、この点でははっきり言って技術的にもビジュアル的にもまだまだですね。
AIが必要としてるのはなんと言ってもビジュアルなんですよ。本来、このジョイに対しては「人間性とはどういうことなのかという視点」語りたい人が多いかもしれませんが個人的には「切に実現して欲しい技術」としてか頭に入って来ませんでした(笑)
序盤に登場するシーンでの違和感のない会話そして、無駄にエロい振る舞い。健康で文化的な生活を営む側面から、ジョイの開発に全勢力をつぎ込んで欲しい!切実に!
だかこそ、別れのシーンは心が痛みました。
主人公思いで自己犠牲的な行動は、日本のアニメにも通じるところがあって完全にハマりました。
直筆サイン入り写真 ブレードランナー 2049 ライアン・ゴズリング アナ・デ・アルマス /映画 ブロマイド オートグラフ 【証明書(COA)・保証書付き】
完全にミスリードされていた件
いやー、確かに随分と早い段階でKの正体について示唆するなとは思ってたんですよ。示唆というか完全に「Kはレプリカントの子供である」その真実にどうたどり着くのか?という方向で話は進んでいる・・・と思ってました。はい。
ジョイも散々Kは特別だと言ってましたしね。Kは名前を持つべき、特別な存在。つまり、レプリカントであるレイチェルとデッカードの子供であると。
完全にやられた形です。
まぁ、もともと伏線とかあまり気付ける人間じゃないんですけど、今回も完全にミスリードされちゃいました。これが、中盤にかけて若干睡魔に襲われた理由でもあります。
そういう話ねと分かってしまうと、やっぱり前向きな姿勢が無くなりますからね(笑)
多分、ここを「まだ分からない何かヒントを」と考えながら見ていた人にとっては最後まで眠くなるなんてことはなかったのかもしれません。完全に私の不徳の致すところです。
ただ、Kがステリン研究所で真実にたどり着いた時、なんで所長であるアナが涙を流したのかは疑問に思いました。そこの繋がりがどうもはっきりしないなとは思っていて、答えが最後まで出てこなければ聞いてブログで聞いてみようとは思ってたんです。
まさか、そのまま当人の記憶であったとは思いませんでした。こういったミステリー的な展開も驚かされるばかりでした。もうちょっと敏感なら、何か感じられたんでしょうけどね。これは勉強不足。悔しいところでした。
観終わった人と語りたいポイント
前作ではデッカードは果たしてレプリカントなのか?というオリジナルでは描かれない大きな空白がありましたが、今回はそこまで大きなポイントは無かったかもですね。
ただ、どうしても気になる事がありました。
ジョイは果たして人間性を獲得していたのか?
何度もジョイ、ジョイ言ってすいません(笑)ただ、どうしても気になるところ。ジョイは自らを0と1の集合だと語っていました。これは自分が単なるプログラムされた機械であることを示唆していたんだと思います。
しかし、Kとの逃避行をするところからは完全にウォレス社の利益に反する行動になるので、ウォレス社が意図する振る舞いではないはず。単なるプログラムではなくジョイは人間性を獲得するに至ったと考えていいんでしょうか?
それとも、あくまでAIとしての献身性が現れていただけと考えるべきなんでしょうか?
あるいは、ウォレス社の商品は人間性を獲得するに至っていたと考える事もできるかもしれませんね。
最後に
やっぱり、予習って大事ですね。今作もオリジナルを観てないと分からないということはないですが、絶対予習しといた方が楽しめるやつ。一切観てなければ、ひょっとしたらもうワンランク評価が下がっていたかもしれません。
ただ、なんか前日譚的な映像も公開されていたってことを今知りました(笑)
SNSって便利ですね。映画好きの人をフォローしておけばこういった情報が漏れなく届くんでしょうけど如何せんネタバレが怖くて・・・
どうやら前日譚としてのエピソードが3作ほどあるようなのでそちらもチェックしてみたいと思います!
映画『ミックス。』感想/下ネタまでミックス!家族での鑑賞は要注意だぞ!
映画『ミックス。』★★★3.5点。 ひたすらガッキーがかわいい!キャラが濃くてストーリーというより人間ドラマが際立つこれぞ邦画ってやつ https://t.co/Sagoc9k69G #Filmarks #映画 #ミックス
— あつ (@0129_kracpot) 2017年10月22日
さてー!
卓球を題材にした作品が大好きな、立川あつです。
ミックス。観てきました!
。がついてるのがなんかいいですね。モーニング娘。も。が付いてるし。がついてるとなんか柔らかい印象になります。(なんか。が多すぎて訳わかんない感じなっちゃってすいません)
『ピンポン』は漫画も映画もアニメも評価が高いし、『稲中』なんかはギャグ漫画としてはもう王道というか伝説ですよ!卓球ってなんか素材としてもう既に面白いですよね。
ポスターでは稲中とコラボ、いや『ミックス』してる画像も公開されてて個人的には結構楽しみな作品。
「いやー!やっぱりガッキーですね!」
一周回ってやっぱりガッキーですよ。一周回ると上戸彩って時代がありましたが結婚もしてしまいましたし、今はもう完全にガッキーです。
ガッキーの喜怒哀楽が観られるってだけで、そこそこお腹いっぱいになれます。しかも、かなり際どい下ネタも飛び出しますしね(笑)
ラブコメ、下ネタ、感動それに現実とのリンクだったりオマージュだったりもうあらゆるものをミックスしまくりで暇しない映画でした。結構、映画の中で遊んじゃってる感じのやつです。
まぁ、正直キャストが豪華ってこと以外は2時間ドラマでもいいんじゃないかっていうくらい起承転結がはっきりしてて分かりやす過ぎるのは有るんですけど・・・。
そこらへんも含めて「THE邦画」って感じで友達とかと観に行ったらいい暇つぶしになりそうな気がします。
オリジナル脚本ですしネタバレの心配もないですし、新鮮に楽しめる映画です。
以後、具体的なネタバレも含めた感想を書いていきたいと思います!
感想(ネタバレあり)
一周回ってガッキーがまたしても証明されてしまう
とにかくガッキーがかわいい訳でガッキーのかわいさに触れない訳にはいかない映画なんですよ。卓球に縛られて一切おしゃれをしてないガッキー、普通のJKになっておしゃれをしてるガッキー、ヤマンバになってるガッキー。どれも結局のところかわいいわけです。
プロローグでは王子様が現れるのを夢見てるけど相手が見つからないアラサー女性って感じで描かれてるわけですが、全然現実のかわいさに沿った設定になっていない!
同僚と一緒チアコスして応援するシーンなんかでも、周りとの差が激しすぎて完全に浮いちゃってるレベルなのに何故か若干隠キャよりの扱いになってなってます。設定をぶち破ってしまうほどの破壊的なかわいさでした。
なんと言っても一番は、ハギの仕事現場で一緒になって水をかけ返すシーン。「ひたすらガッキーと水を掛け合いたい人生だった・・・」と劇場のみんなが思ったことでしょう。あのときばかりは斎藤さんになりたかったですね。
そして、ハギとくっつくっていうのは予定調和な感じありますが、ラブコメ的なやつだしキスシーンはいらんだろとちょっとイラっとしたのは内緒です。
下ネタもミックス!家族連れの子供さんがちょっとざわついてたぞ!
主人公の多摩子は少女漫画にでてきそうなキャラ、ポスターやCMなんかでもポップな感じで家族で観れる感出してる映画だと思うんですけどやってくれましたね。
完全に下ネタぶち込んできました。特に、卓球スクールでハギと多摩湖が再開するシーンなんか冒頭のシーンを見逃してる人が観たら完全におセッセしちゃった話になっちゃてるんやんけ。笑
家族連れの子供さんが鼻血出してる意味がわからずに完全にざわついちゃってました。やってくれましたよ。本当に。
その他にも斎藤さんの冷やかしもおかずがどうなのかなり下品な下ネタをところどころでガツガツぶち込んできます。内容的に午後9時から始まる映画素材として凄く良さげなわかりやすい映画なのに、家族で観てるお茶の間を完全に凍りつかせるタイプのやつです。
お父さんがすっと「そろそろ風呂にするかな」って立ち上がるやつですよ。これは、ちょっとテレビ公開になったらSNSがざわつくのが容易で想像できますね。けど、それもちょっと楽しみかもです。
油断したら泣かされる!気をつけろ!
ラブコメ要素が強いので、あまり泣かされるのは想定してなかったんですけど、ちょこちょこ泣かせにかかってるくるシーンがあって困りました。私が一番きたのは、多摩湖が陰口を叩かれてそれをハギに支えられて帰るところ。
二人して人生どん底ってくらい落ちてるところで支え合って卓球に打ち込む決意をする瞬間でもあります。誰でも一度は惨めで情けなくなることが人生で一度や二度あると思いますが、このシーンは自分自身を重ねて感情移入してしまう人も多かったんじゃないかと思います。
結構やばかったです。
起承転結の分かりやす過ぎるストーリー、「映画を観た!」って感じは少なめ
「次の瞬間何が起きるのか」っていうドキドキ感はない完全に安定しきってるストーリー。最初の出会いが最悪の印象から徐々にくっついていく、最初に大会出場すれば挫折を味わうのも当然。
大会前のトラブルで出場が危ぶまれるのも乗り越えて出場できるのも当然。どれも既視感があって全体的なストーリーとしては完全に安定しちゃってます。既定路線というか予定調和というか。
こういう見方になってる自分が残念でもありますが、物理法則並みの確固としたストーリーは毎週映画を観に行く人間にはちょっと物足りなさがありました。まあ、初めからそういう映画でないってのは分かりきってはいるんですけどね。
それならテレビで見せてくれてもいいんじゃないかっていう思いもあります。ケチくさいですけど通常料金なら1800円ですからね。1800円出すからにはなんかもうひと押し欲しかった。
みんな観に行った方がいいよって言いたくなる映画にはもうちょっと届いてなかった気がします。
最後に
ちょっと最後の方にdisっちゃいましたけど、終始クスクスと笑ってられる感じの友達と観たら楽しいだろうなって感じの映画でした。それに、卓球を扱うものしては名作映画があるなかで勇気を出して作った力作だと思います。
脚本がリーガルハイを書いていた方のオリジナルだそうで、キャラの見せ方とかを考えるとなるほどなって感じですよね。
年末も近いですし、こういったテイストの作品が好きな方は動画配信サイトなどで見返してみるのもいいかもしれませんよ!
映画『アトミックブロンド』感想/偏差値低めアクションとシャーリーズ・セロンのどスケベな濡れ場は必見!
映画『アトミック・ブロンド』★★★★4.0点。 偏差値低めだけど面白いヤツ!
— あつ (@0129_kracpot) 2017年10月20日
ジョンウィック好きな人は絶対ハマる
https://t.co/l1nczwPcWd #Filmarks #映画 #アトミックブロンド
さてー!
スパイ映画は劇場で寝てしまうことの多い、立川あつです!
先日、女スパイ映画『アトミックブロンド』観てきました。正直、スパイって存在自体が親近感ないし感情移入しようがないのであまり好きではありませんでした。
しかし!
これは、いいですね。いや本当に。この偏差値が低い感じのアクション。アクションありきでキャラクターをどう魅せるかみたいな映画大好きです。
なんか『ジョンウィック』っぽいなと思ったら、後でパンフレットを見たらやっぱりジョンウィックの監督だったみたいです。たぶん、この監督が作る映画全部好きな自信あります(笑)これからは要チェックで追いかけていきたいですね。
そして、なんと言ってもシャーリーズ・セロンの百合的な濡れ場!これがエロい。エロ過ぎます。これだけでも間違いなく観に行く価値があるやつ。
そして、偏差値低めといいつつ時代背景や着地の仕方なんかは結構凝ってて意識高いです。ここらへんは『ジョンウィック』と違うところでしたね。いやー、『ジョンウィック』みたいにシリーズ化して欲しいですね!
以下では具体的なネタバレありの感想になっています。まだ観てないって人は気をつけてくださいね!
感想(ネタバレあり)
長回しの偏差値低めバトルが最高!
冒頭、取り調べを受ける前の水風呂に入るシーンで裸体が顕に。ほとんど刃牙みたいに傷だらけのカラダを披露してこれは只者じゃないな感がビシビシ伝わってきましたが、その期待に見事答えてくれるバトルっぷりでしたね。
ホースを使ったりとにかくその場にあるものを武器にして相手を痛めつけるのは、ジョンウィックでもお馴染み。流石だなって感じです。
1番激しかったのは中盤あたりでスパイグラスを逃がそうとする件の長回しバトル。屈強な殺し屋達を相手ボロボロになりながら偏差値の低いバトルをやり合って最後に辛勝するところなんかはある種のカタルシスがありました。
これが最後の最後まで続くわけで飽きる訳がないです。
シャーリーズ・セロンとソフィア・ブテラのどスケベ百合シーン
ハリウッド映画の良いところは、みんな思いっきり良く脱いでくれるところですよね(笑)確かにスパイ映画に出てくる女と聞くとハニートラップのイメージですが、今作ではそうではなく新米女スパイとの百合シーンでした。
カッコ良さとか映像美にこだわってる感じの映画なので男女の絡みではないっていうのはある意味必然なのかもしれません。バストトップは当然のように出ちゃってるし、体位が分かるようなかなり生々しいシーンでしたけど、エロい中にも芸術的な何かを感じるのが不思議でした。
だからか正直R15指定する程、性的って感じじゃないんですよね。去年、韓国映画で『お嬢さん』を観てきたんですけど、そっちの方が性的な描写としてはかなり濃厚でボリュームもたっぷりでした。映画というより頭にピンクが付きそうなレベル(笑)
もし『アトミックブロンド』に次回作があるならそこにも期待したい次第です。
魅せ方がカッコ良過ぎてクセになる
たぶんこの監督のこだわりなんだと思うですけど、いちいち細いところでカッコ付けた演出が入るのがクセになるのは私だけでしょうか?
劇中で流れてるはずの音楽が、そのままBGMに切り替わるみたいなシーンが幾つかあってこういう音楽との融合がいちいち格好良かったり。あと、テロップっていうんですかね?それもスプレーで型を取るやつで出て来るのがいちいちオシャレ。この演出はジョンウィックっぽかったですね。
現実味からは遠く離れた感じにはなりますが、そういうのって面白いかどうかとは関係ないんだなと思わせてくれました。似たようなテイストだと最近観た『ベイビードライバー』なんかも結構クセの有る演出だけど、いちいち格好良い映画でした。
こういう振り切った映画がもっともっとできたら個人的には胸熱です。
ストーリーはというと・・・
重要なリストが奪われてそれが敵の手に渡るとオワリみたいなものって、海外版世界系っぽくてたくさん観てるとありがち過ぎて、食傷気味に・・・
というのが正直なところです。何も考えずに見られるっていう点ではいいんですけど、正直後に残らない悲しさがあるのも事実。その分キャラクターや映像に凝ってるのは良く分かるんですけど通常料金だと1800円ですしね。ちょっと何か気付かされたり啓発的な何かを期待して観てしまってる自分もいて残念な感じはあしました。
ラストに関しても、すべての糸を引いていたのはアメリカだったと。これは裏の裏をかかれるスパイ映画っぽさもありますが、取ってつけたような後付とも捉えることが出来そうな終わり方だったかなと。
観た直後は前者の気持ちが強かったんですけど、徐々に後者の印象に支配されつつあります(笑)
ここらへんはまぁ若干残念とも言えるかもしれません。
最後に
『マッドマックス』でフェリオサ役を演じたシャーリーズ・セロンを主役に迎えて、『ジョンウィック』シリーズの監督を務めたデヴィッド・リーチがメガホンをとった女スパイハードボイルドとも言える今作。全体的には大満足でした。
何も考えずにスカッとしたい時に最適なんじゃないでしょうか。もし、まだジョンウィックシリーズを観てないという方がいたら是非一度観てください。この『アトミックブロンド』にハマった人なら絶対楽しめると思いますよ!