ネタバレ感想『ヒメノスピア』虫に寄生された少女はその能力で自分の楽園を作れるのか?
人という『種』を刺し貫く、インセクト・エボリューション・サスペンス
作品情報
原作:村田真哉
月刊ヒーローズにて『キリングバイツ』を連載中の実力派マンガ原作者。
作画:柳井伸彦
コミックフラッパーで人気ラノベ『魔弾の王と戦姫』のコミカライズを担当。
ネタバレあらすじ
学校では全裸にさせられネットで生配信。家では母親の連れの男にイタズラをされるもそれが原因でDVを受ける。日常生活のなかで受け続けてきた暴力は壮絶で子供の頃に受けたアイロンの火傷の後は今も消えずに残っていた。そんな園遠姫乃にとって安心出来るのは自分の部屋で1人でいる時だけであった。
ある日、学校の花壇に水を撒いている時、首筋に痛みが走る。反射的に手で潰したそれは見たこともないような色をした蜂だった。偶然そこに居合わせイジメっ子は姫乃にその虫を食べるように命令する。無理矢理蜂の死骸を食べさせられるも、何故かイジメの主犯格は気が変わったようにその場を立ち去る。
帰宅後、母親にいつものように暴力を受けそうになるが、そこでも何故か突然思い留まりその場を離れていく。何かおかしいと感じる姫乃は、自分の下半身から蜂の針のようなものが生えているの気付き驚愕する…。
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感想
復讐教室や監獄実験と言ったイジメからのリベンジ系漫画は無数にあって、ある種のカタルシスがあるので結構好きで読んでいました。今作『ヒメノスピア』は、蜂を食べさせられるという、現実にあった事件に着想を得ているからかイジメのシーンがリアルで、胸糞悪いことこの上ないです。さらに、主人公を裸にして生配信をすると言う残酷なシーンから始まるので、イジメのトラウマがある人には吐き気を催すかも。
さらに虫の寄生というマニア受けする設定を組み込んでいるのも特徴。虫を扱う漫画というのははっきり言って苦手な人は苦手でかなり嫌悪感があるかもしれません。蜂の針はかなりグロテスクではありますが、人を指すシーンなんかは余りグロさはなくおどろおどろしさを強調して一部のマニアを取り込むことを意図している感じはしませんでした。
ただ、1番印象的なのはイジメシーンから始まる漫画でありながら、リベンジ漫画ではないところ。あらすじで書いたように、蜂の針を使って自分を嫌悪している人達を仲間に取り込んでいく。この針には自分を愛するように人格を変貌させる効果があるようです。自分を愛する人を増やし自分の楽園を作る。そこに、寄生蜂を取り締まる警察組織を対立させることで、新たなストーリー展開があるようです。
映画『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』感想/俺のエル・ファニングがビッチになってもた・・・
ソフィア・コッポラ長編監督第6作目で第70回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞している映画の感想です。
映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』★★★★4.0点。 アート感の強い映画かと思ってたけど、愛憎劇としても見れるしハーレムホラー… https://t.co/nkGZCojuFR #Filmarks #映画
— あつ (@0129_kracpot) 2018年2月23日
作品紹介(あらすじ、キャスト、スタッフ等)
クリント・イーストウッドが主演の『白い肌の異常な夜』を女性視点で再構成し映画化した作品。
【あらすじ】南北戦争が三年目を迎えたアメリカ南部が舞台。世間から隔絶された寄宿学園で暮らす7人の女たちの前に負傷した北軍兵士の男が現われる。紳士的かつ社交的な美しいその兵士を介抱するうちに、全員がにわかに色めき立っていく。やがて情欲と嫉妬に囚われ競い合う女たち。ある夜の出来事を境に、兵士と女の関係が一変する。
【キャスト】園長のミス・マーサ役に、『パーティで女の子に話しかけるには』でパンク・クラブのオーナー役演じたニコール・キッドマンが。そして北軍兵士マクバニーを演じたのは『ファンタスティックビースト』のコリン・ファレル。学園の教師のエドウィナを『マリー・アントワネット』でおなじみのキルスティン・ダンスト。そして周囲に圧力をかけながらマクバニーを誘惑しようとするアリシアを『SOMEWHERE』のエル・ファニングが演じている。
(C)2017 Focus Features LLC All Rights Reserved
ネタバレ感想
俺のエル・ファニングがビッチになってもた・・・
アイアムサムに出演していたエル・ファニングが、本作ではビッチになってしまってます。ショックです。
「彼に私の悪口言ってないでしょうね?」と年下の女の子に圧力をかける様は、少女漫画によく出てくるいじめっこ女子そのもの。なかなかパンチがありました。
ただ、服装なんかは本当に可愛らしかったですね。当時のアメリカってこんなお姫様みたいな格好してたんでしょうか。映画だからかなり美化してるのかな。いわゆる、童貞を殺す服って感じで、正直殺されたのは内緒です。
愛憎劇としてよりホラー感が強い
おそらくジャンル的には愛憎劇と言ったところなんでしょうね。ただ、女性の嫉妬だの足の引っ張り合いなんていうものとは無縁に生きてきたわけで、共感出来る要素はないんですよ。
ただ、男視点で見ると典型的なハーレムなわけでその点については、作品ジャンルとしては嫌いな人いないんじゃないでしょうか。個人的にもそちらサイドから見ていました。みんなにいい格好したいというのは男の心理としてよくわかります。わかるけど、一度に全部攻略することは出来ないんだぞマクバニー。
そして、結果的にエル・ファニング演じるアリシアに取り込まれ、本命のエドヴィナともみ合いの末階段から転落。いわゆるバッドエンドのルートを洗濯してゲームオーバーと。ゲームと違いそこからの展開もあり完全にホラー。単なるホラーへと落ちていきました。
足を失ったショックから完全に我を失い大暴れするわけですが、それ以上に怖いのがやはり女性なんですね。落ち着きを取り戻しても、結果毒キノコで殺されてしまうという。
当然の結果・・・とは思えない複雑な気持ちになりました。攻略成功ルートのスピンオフに期待したいところです。
パンフレットがおしゃれで良き
パンフレットは、真っ白の清潔感がある見た目で非常におしゃれ。ソフィアコッポラ監督へのインタビューや評論家たちのレビューが掲載されています。さらに、プロダクションノートには、あのかわいい服装がどのように作られたかなども記載されているので、興味のある方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
ネタバレ感想『ハイポジ』は青春を取り戻したい全おじさんに捧ぐタイムスリップ漫画だ!
【無料試し読み】「ハイポジ 1 巻」(きらたかし)の作品紹介・あらすじ・ネタバレ感想ページです!青春を取り戻したいおじさん方にオススメ!
さてー!
青春を取り戻したい立川あつです。
過ぎ去った時間は取り戻すことができない。なにがあっても。しかし、漫画の中なら…漫画の中だけは自由だ!
『赤灯えれじい』『ケッチン』『凸凹 DEKOBOKO』を放ってきたきらたかし先生がが描くタイムスリップ青春漫画。セピア色だった思い出がカラフルに輝きだす!
タイムスリップした先が80年代なので、この時代がタイムリーだって人にはたまらないかも。『スローモーションをもう一度』が好きな人は必見のやつですね。
それでは早速いってみましょう!
作品情報
作者
出版社
あらすじ
妻に離婚を切り出され、会社もリストラされたお先真っ暗の俺は46歳。どこでこんな人生になっちゃったのかな――と思うや否や、16歳の自分の中に。時は1986年――。セピア色だった思い出がカラフルに輝きだした――。
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ネタバレ感想
プロローグ
リストラされた挙句、妻からは離婚を切り出された46歳の男。妻と付き合いはじめてから一切行ってなかった風俗で心の隙間を埋めようとする。そのまさに最中、突然鳴り響く火災報知器。なんとか逃げ延びようとするも転んで頭を強く打ちつけ煙のなか力尽きてしまう。しかし、目覚めるとそこはかつて教室であった。
ん?これは『クモ漫』かな?と一瞬既視感を覚えましたが。違いますね。はい。けど、風俗を楽しんでる最中の災難。まさに絶対に自分の身には降り掛かってほしくない恥ずかしい展開ですね。
にしても主人公がちょっと哀愁漂い過ぎです。薄くなった髪に、自分に愛情どころか興味すら持ってない家族。未来の自分を見ているようで悲しくなりました。いや、結婚すらしてないか(笑)
けど、この情けなさ。かなり共感できてこっから奮闘を期待したくなる。そんなプロローグです!
ここは天国なのかかそれとも…
目覚めた先はかつて自分が高校の時に通っていた高校。しかも、自分自身もその時の姿のままであった。当時はまだ話していなかった妻、そしていつも一人でいた憧れの同級生小沢さつきもいる。「今があの世でも現実でも、あんな最期を迎えるなら、あの頃俺ができなかったことをしてやる」心を決して主人公は一歩踏み出す。
口下手で周りと上手くコミュニケーションできない学生時代。これは、あれですね。そのまんま自分のことです(泣)ただ、結構同じような経験をしている人は多いんじゃないでしょうか。
そんな人の共感率は100%を保証しましょう。正直『赤灯えれじい』みたいに陰キャっぽさはあるけどその主人公にはいつも近くに女の子がいて…みたいな話は苦手だったんですよ。けど、これなら許します!(笑)なぜなら自分も願いがそのまま具現化してるから。
何も経験値がないまま過去に戻っても、同じことを繰り返すだけですが、知識と経験があったときのやり直しというのは何か変えられそうな希望があります。そんな願いを形にしてくれて感謝しかないですね。
思い切って話しかけた結果、どうなったのか?気になる方は本編で確認してみてください。
最後に
先生!タイムスリップした先で嫁になる人以外を好きになって近づくのは不倫ですか?!
これは流石に不倫じゃないでしょう。結果どうなるか分かっているなかで、新たな恋にチャレンジする。芸能会やドラマ映画と世間を騒がす不倫ですが、この時間軸のズレがある中での話は流石に別もの。許されるやつです。
ということで、不倫なんて気にせず多いに楽しんじゃってください!
にしても、相変わらずきらたかし先生の描く女の子は反則的なまでにかわいい(冒頭の風俗は除く)。見た目的にはどの作品に出てくる女の子も似たような感じなので、おそらく好みのタイプをそのままキャラクターにしてるんでしょうね。
こういうタイプが好きならきらたかし先生の他作品もチェックしてみては?
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ネタバレ感想『ゴミ屋敷とプードルと私』ペット虐待はやめれ!SNSに取り憑かれた女の末路がこれだよ
✔漫画『ゴミ屋敷とトイプードルと私』は承認欲求に取り憑かれた女の末路を描く話
✔作品情報、あらすじ、無料試し読みのまとめ
✔ネタバレと感想をお届け
さてー!
承認欲求とは無縁の立川あつです。
インスタ映えにフォトジェニックって言うですか?そういったものにハマって、承認欲求を満たす為に、現実の自分と乖離していく。実際にありそうな不幸話を描いています。
こういう女の転落ものってコンビニとかに良く置いてますよね。電車移動とかがあると、その時間の暇つぶしの為に良く買っちゃいます。
『ゴミ屋敷とトイプードルと私』もそんなB級ホラー的な転落人生もの。100円(税抜き)の割に結構読み応えあって良い暇つぶしになりました。
内容紹介
作者
池田ユキオ
出版社
小学館 mobaman-Fにて掲載
あらすじ
いつもみいんなに憧れられる存在でいたい…! ブランドバッグにエステに素敵なレストラン、キラキラした私の毎日、今日もSNSで発信しなきゃ! 借金が400万あっても、部屋がゴミ屋敷でも、ペットが死にかけでも、34才で彼氏がいなくても、輝いていられるはず…。ねぇ、もっと、もっと私をカワイイって言って!
無料試し読み
サイト内で『ゴミ屋敷とプードル 』で検索したら出てきます
ネタバレ感想
写真の為に縛り付けられるトイプードル
明日香は汚い部屋の中でトイプードルを縛り付けて写真撮影をする。これもすべてSNSでいいねを貰う為だ。
完璧な写真で日々のキラキラ女子の生活をアップする為なら動物虐待も厭わない。承認欲求と見栄っぱりのモンスターと化していた。
それは実生活でも変わらず、流行りのブランドバックをカード払いで購入し高いホテルのビュッフェで食事。それを褒められることに優越感を感じて生きている女。
しかし、当然そんな生活は続かず借金は膨らみその額は400万に。親に泣きついて一部返済を助けて貰うも浪費を辞めることは出来ないでいた。
おいおい、こんな女実際にいるのかよと思いますがいるんでしょうね。確かSNSで金持ち自慢する為に高級ブランドバッグの偽物を売る詐欺に手を出していた女が逮捕された事件があったような…。
承認欲求恐るべし。これはそのうち病名がつくやつだと思います。こうはなりたくないし、もし仲の良い友人がこうなってしまうようであれば無理すんなと言って上げたほうが良さそうです。
完全に人としての道を踏み外す明日香
自分の方がかわいい、価値がある。それがエスカレートした結果、明日香は実の姉の夫にまで手を出し体の関係を持ちます。そして、これにも優越感。
周りが見えなくなっているので、飼い犬のプードルは放置され汚部屋の中で糞にまみれているところを発見される。
さらに、滞納していたカードの料金にも気付かなかった為、後輩を食事に誘った先で支払い不能になり大恥をかかされることになる。
行動原理が承認欲求や優越感の人って本当に見ててイライラしてきますね。リアルでは絶対に近づきたくないタイプ。
ひたすら身近な人間を不幸にしていくしかない存在です。目の前にいた顔面の中心めがけてグーパンですよ!ありえない。
かなりここまでの展開でフラストレーションがたまり、あんまり良くないですけど早く天罰を!と心のどこかで思い始める自分がいました(笑)
父親がクモ膜下出血で倒れる
父親が倒れお金を肩代わりしてくれる存在がいなくなってしまう明日香。しかし、キラキラしている為には生活お落とすわけにはいかない。金策の為に下心まる出しの仕事先のオヤジに抱かれることにするも、ホテルに入るところを同僚にネットに流出させられ…
なぜか、不幸が父親の元に行ってしまい一瞬なんじゃそりゃと思いましたが、しっかりとその後の展開でやってくれましたね。因果応報!
金策の為にスケベおやじに抱かれるも渡されたのは、3000円。あげくに、その姿を同僚に撮られてネットに流出させられる。
明日香はものの見事に転落していきます。ほとんどジェットコースターのようにあっという間の展開です。もうちょっとじっくり行ってくれたほうがカタルシスがあったかもしれませんが、100ptの漫画ですしね。そこまでは求めたら酷なのかもしれません。
そのどん底へと転がり落ちていく様は本編にて確認してみてください。序盤の傲慢っぷりをしっかりと読み込んでおけばしっかりとカタルシスを感じられると思います。
最後に
池田ユキオ先生は、こういった不幸話を書いてる漫画家さんみたいですね。虐待を描く『地獄穴施設に落とされて』や女性漫画家が洗脳されていく姿を描く『絶望少女漫画家』などタイトルからして不幸の匂いがプンプンするやつ。個人的にはあまり好きなジャンルじゃないかなw
不幸話の需要って女性の方があるのかもしれないですね。男は努力友情勝利っていう単純なやつでいいのかも。
まあ、今作を気に入った方はチェックしてみてください。
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ネタバレ感想『創世のタイガ』マンモスにカリコテリウム!森恒二の新作は壮大なタイムスリップサバイバル漫画だぞ
✔めちゃくちゃ楽しみにしてた森恒二先生の新作は壮大なタイムスリップサバイバル漫画だった話
✔作品情報、あらすじ、キャラクター、無料試し読みのまとめ
✔感想をネタバレしつつ紹介
さてー!
好きな漫画家トップテンに入る森恒二先生の新作が出ました。私は、ホーリーランドから始まり自殺島、デストロイアンドレボリューションと全部3回以上リピートして読んでいます。
森先生の描く主人公は必ずと言っていいほど悩みに悩んで煮詰まっているタイプ。その悩みが自分の中にもあるものなので、共感できるしいつも楽しんで読むことができます。
新作『創世のタイガ』では、自分が特別ではないと気付いた人類学を専攻する大学生のタイガが主人公。原始時代にタイムスリップした仲間と共に、厳しい環境下でサバイバルしていく姿を描いています。
いやー!今作も熱くなりそうですよね。設定だけで言えば『自殺島』よりもかなりハードモードっぽい。
ということで早速いっちゃいましょう。
作品情報
作者
出版社
講談社(イブニングKC)にて連載中
あらすじ
タイガは自分が凡庸であることに気付き、生きている実感が乏しい大学生。文化人類学を専攻するゼミ仲間6人と共にオーストラリアに卒業旅行に来ていた。
そこで偶然見かけた洞窟内部には、ガイドマップにも載っていない古代のものと思しき壁画が描かれていた。大発見だと喜ぶのもつかのま、直後に起こった大きな揺れによる崩落で洞窟内に閉じ込められてしまう。
奇跡的に全員無事で洞窟内からも脱出した一同。しかし、そこは巨大な樹木が屹立し、見慣れない大型哺乳類な闊歩するどう見ても原始時代としか思えない世界で…。
無料試し読み
ネタバレ感想
崩落した長いトンネルを抜けるとそこは原始時代だった
7人がなんとか崩落から逃れ、たどり着いた出口の先は原始時代だった。現代とは全く違う植生。そこで弱肉強食を繰り広げる巨大な古代の哺乳類たち。みんなが絶望的な表情を浮かべる中、タイガは心のどこかで湧き上がるようなドキドキを感じていた。
このドキドキ。興奮。高揚感。森先生の作品を読んでいる人からするとおなじみの内面描写ですよね。
これは生存本能だと私は、解釈しています。人は厳しい状況下に置かれるとこの生存本能のスイッチが入るんじゃないでしょうか。
現代の日常では感じられない正に命の危機。それに直面し、生存本能が呼び起こされつつあると。
生きる意味を見失いつつあったタイガを通して本能に目覚めた人間の活躍を描く。それが、今作のテーマになるのかと思います。
古代にきたことを認めサバイバルへ
カリコテリウムにマンモス。更新世に生きていたとされる哺乳類を目の当たりにして自分達の置かれた状況を理解し始めた一同。肉食動物から身を守るシェルターに火起こし、そして生きる為、水・食料の確保に奔走する。
タイムスリップしたことに対する動揺はもちろんですが、危機に直面した時の反応というのが、7人それぞれで面白いですね。
冒頭、洞窟に閉じ込められるまでの間にそれぞれのキャラクターが分かるようにしていたのはこの為でしょう。
特に気になったのがタイガとチヒロ。タイガは明らかに「目覚めて」生き生きして来てるし、チヒロは危機的状況下でもあまり不安を表に出さずに飄々としています。一方、お調子者っぽいはなかなか周りの状況を受け入れられずにいました。
七人七色っていうんですかね。それぞれキャラクターがあって、自分ならどうなるだろうなと当てはめて考えて読むのも楽しいかもしれません。
ただ、ちょっと気になるのが男女比のこと。男が一人余るんですよね(笑)前作の自殺島ではかなり特殊な環境での性描写もあったので、男女関係がどうなるかというのも気になるところです。
人類との遭遇
人類学を専攻する学生だけあって、生き物の種類からおおよその年代を把握することができつつあった。 そんな中、タイガたちはネアンデルタール人とホモサピエンスの対立に遭遇する。
単に自然の中でサバイバルするだけでは終わらない。森先生は、人と人の対立を描く漫画家さんだったのを思い出しました。
ラストでホモサピエンス 側が仲間の死を悲しんでいるシーンができましたが、間違いなくこの先彼らと接触することになるでしょう。
言葉も文化も違う中でどうコミュニケーションをとって、いかに共生していくのか。モノローグのマンモス狩りの回想へとどのように繋がるのか楽しみですね。
最後に
やっぱり個人的に凄い好きな漫画家さんです。内面描写が完全に共感できるんですよね。登場人物と同じ悩みを持ってる確率100%です(笑)それが、路上での格闘であろうと、流行り?の異世界転生的なストーリーであろうと人としての根っこで繋がっている気がするので、文句なしに楽しむことができます。
当然、いつものように森節とも言える解説もついてるので安心してくだい!この作品が完結するころには、たとえマンモスがいる時代にタイムスリップしても生きていけるだけの知識は身についているんじゃないかと思います。
おすすめ!
ネタバレ感想『ギルティ 鳴かぬ蛍が身を焦がす(丘上あい)』は胸糞展開にブチ切れ間違いなしのラブサスペンス漫画だ!
✔漫画『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ (1)』を読んでブチ切れた話
✔あらすじ、作品情報、無料試し読みまとめています
✔感想を面白味を削ぐような核心的なネタバレは避けつつ紹介
さてー!
久々に胸糞ですよ。イラッときてます。ムカつく。チョベリバ。
あらゆる呪詛を吐き出したくなるような漫画に出会ってしまいました。スポーツジムでスッキリしてきたのに台無しです(笑)
表紙からして相手の顔が見えず若干不穏な雰囲気を醸し出してる本作。出来れば出会いたくなかった!
ということで本日は『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 』を紹介していきたいと思います!
作品情報
作者
丘上あい
出版
まんが王国にて連載中
あらすじ
「人って嘘が上手い」「たいがいのことは嘘で出来ている」
35歳、女性ファッション誌に勤める爽(さやか)は何をしても完璧で優しい夫と仲睦まじく2人暮らし。しかし、本音では子供が欲しいと願っていることを打ち明けられずにいた。
そんな爽の唯一の憩いの場であるバーには友人である年下の友人・瑠衣(るい)がいてその人柄にいつも癒やされている。爽は瑠衣に後押しされる形でその本心を夫に打ち明けるのだが…。
人の嘘と本心を垣間見ることのできるラブサスペンスで、まさかの展開に驚かされる!
無料試し読み
サイト内で『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 』と検索したら出てきますよ
※この作品は、まんが王国での先行配信作品だそうです。11月30日まで第1話無料で読めるみたいなんでこの機会に是非。
ネタバレ感想
優しくて完璧な夫に対する唯一の気がかり
ファッション雑誌の編集部に勤める爽と広告代理店の会社員の夫は共働き。疲れているのを察してカルパッチョを作ってくれるような優しく完璧な夫で一見不満なんて無いように見えます。
しかし、夫に対してある疑問をもつ爽。結婚10年目の2人にとっては正直あり得るのか?という設定でもあります。ただ、これはデリケートな問題ですし、編集として校了に追われる毎日を過ごす爽のことを気遣っているとも解釈できます。
ただ、それでも「何かおかしい」というか不穏な雰囲気を醸し出していることも間違いありません。というか、ぶっちゃけてしまうと違和感どころの騒ぎじゃないですよ!(笑)
結婚10年目で夫婦円満。そんな2人が仕事優先とは言え子供を作るほうにベクトルが向かないのは完全におかしい。作る予定がなくても出来てしまう勢いです。
じゃあ、何か理由はあるのかって話がこの漫画の序盤のサスペンスとなっています。
赤裸々過ぎる女性の性事情
瑠衣にはニートだと切って捨てるダメンズ彼氏が居て、爽とは本音で赤裸々な性事情を話合って共感し合っています。
「女だってただしたい時くらいありますよ」メガネをかけてちょっと地味で天然っぽい見た目からは想像付かないようなトークも展開されます。これがいわゆるガールズトークってやつですかね?
なんか女子会を覗いてしまっているようで若干申し訳ない気持ちになりますが、アラサー男の私にとってはかなり興味があった部分なので楽しんで読むことができました。
子供は欲しくないと言い切る夫
瑠衣に後押しされる形で、子供が欲しいと打ち明ける爽。帰ってきた答えは「子供は欲しくないんだ」という率直過ぎるものでした。
ちょっとここはツッコミたい!
10年前の回想で結婚したい、家族になりたいと切り出したのは爽だったというのが明らかになります。
この時なんで、「子供はどうするのか」とか将来のプランを話し合わなかったし!結婚と子供って流石にセットで人生設計者考えるでしょうに。
もちろん多様な夫婦のあり方っていうのも全然ありです。DINKSっていうんでしたっけ?ありですよ。それも。ただ、夫がそういう関係を望むのであればそれは後出しジャンケンできるものではないはず。結婚するっていうのは家族として子供を作って、育てることもまだまだ前提になっています。
「そんな後出しジャンケン許されねーぞ!ボケェ」くらいのことはその場で言って当然。受け入れる必要のないことです。
しっかりしろ爽!まぁ、ご都合主義と言ってしまえばその通りですが、自分から結婚を切り出して、子供のことを持ち出さなかったということを引け目に感じていたのかもしれませんけど。
そして衝撃的なラスト
そして、なんとも言えないラストへと話が進んでいきます。
「人って嘘が上手い」「たいがいのことは嘘で出来ている」
冒頭、この言葉で始まった物語はその通りの結末を迎えることになります。これが本当に超胸糞なやつ!そして、いわゆる次回が気になって気になってたまらなくなる海外ドラマと同じような終わり方をします。これもまた憎い。
おい!いい加減にしろ!
どうしても気になるラストは本編をにて確認してみてください。ここまでの感想で合わないタイプの話だなと思った人はスルー推奨です。
最後に
多分漫画のタッチやキャラクター設定からすると女性向けなんでしょうけど、男でも全然楽しめる余地のある漫画だと思います。
こういう人間の本性を暴いていくドロドロとした話って定番ですけど、結構はまりますね。それにかなり女性が好きそうな綺麗な絵柄になっていて、キャラクターも可愛いのでそういう視点でも楽しめるかもしれません。
おすすめ!
まんが王国サイト内で『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 』と検索!
※この作品は、まんが王国内での先行配信作品となっています。
伊藤潤二が描くホラー版『人間失格』のネタバレ感想 ワザ…ワザ…怖すぎ!太宰治ファンもホラー漫画好きも必見!
✔ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二が太宰治の『人間失格』をオリジナルの視点から漫画化
✔作品情報、あらすじ、無料試し読み出来るサイトをまとめています
✔感想を核心的なネタバレは避けつつ紹介!
さてー!
今日は11月1日ということで、映画の日。エウレカセブンハイエボリューションを4DXで観てきました。そして、漫画サイトを覗いていたらあっという間に日がくれていました。まぁ、芸術の秋ってことで良しとしましょう。
読んだのも太宰治の人間失格をもとにした作品ですしね。純文学を読んでるのと結果は一緒ですよ。たぶん・・・
ということで今日は、伊藤潤二『人間失格』を紹介していきたいと思います!
【人間失格 1 (ビッグコミックス)/伊藤 潤二】人間失格相変わらずクセが強い。ただ、ホラーとの相性も良しだ。内容忘れかけてたから漫画で復習しとく。 → https://t.co/y6R7Zt5jou #bookmeter
— あつ (@0129_kracpot) 2017年11月1日
作品情報
作品概要
幼い頃から人間関係に恐怖して不器用に生きてきた男の人生を描いた言わずと知れた名作文学。内容を知らない人はいないですよね。
映画化だけでなく何度となくリメイクされてる作品です。
今回は、人気ホラーシリーズ『富江』で知られるホラー漫画家の伊藤潤二がオリジナルのテイストで漫画化リメイクしています。
作者
原作
出版社
あらすじ
隣人の幸福が理解できない。なのに、隣人の目が気になって仕方ない。そんな主人公・大葉葉蔵が必死で身につけたのが道化だった。上京した葉蔵は堀木に誘われ、非合法活動に参加する。
活動に疲れた葉蔵はある女給と出会うが……
無料試し読み
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ネタバレ感想
共感出来るかはやっぱり感性次第
「人間関係が上手く行かない」「周りとの距離感が分からない」
そういったいわゆる不器用な生き方をしている人たちから絶大な支持を集めている原作小説。
今作でもその生き方がたっぷりと描かれている訳ですが、正直私は相変わらず共感できないです。いや、不器用に生きているというところは全くもって自分のことなんですけどね。
ただ、道化を演じて人気者になれたり女にモテるところが全然違うし、おまけに頭まで良いとなるとどうも親近感がわかないんですよ!というか、なんだかイライラする(笑)
あんたのスペックならほっておいても、良い方向に転んで行くんじゃないの?と突き放して読んでしまいます。それにやっぱりどこかナルシズムみたいなものも感じてしまうんですよ。
そこが、自分の感性とはちょっとずれる。
オリジナルの解釈があるので読み直す価値あり
冒頭は女と心中するシーンから始まります。原作では確か警察が葉蔵の過去の写真だか手記を発見するところからでしたよね。
今作ではいきなりオリジナルの解釈が登場します。冒頭では心中の回想から。女と共に川に身を投げる際、草を掴んで落ちまいとする行動を描いています。原作にはない表現ですよね。
葉蔵が心中を試みて女も納得し覚悟している。しかし、葉蔵は優柔不断さが出たのかあるいは怖気ずいたのか逃げようとしていると考えていいのかと思います。この点については、当の著者の自伝的小説であることを考えると事実なんじゃないかと私は、思います。確か、太宰治って心中に何回か失敗していましたもんね。
「失敗というより逃げ出そうとしたんじゃないか」というのは学生時代にこの作品を読まされと時も感じていたことでした。都合良く男の方だけ助かるのは、単純に逃げ出せる力があるからかなと。そこをはっきりと描いているのが、新たに読み直す分にも新鮮さがありました。
ホラーとの相性は間違いなく良いぞ!
「人こそが怖い」
この点に関しては120%同意するところです。そして、周りの人に合わせようと必死になるのもそうですね。痛いほど良く分かります。
葉蔵の場合は、周りから面白い存在であることを求められているのを感じとり、道化を演じています。しかし、それを愚鈍であると見下していた相手に見抜かれてしまうシーン!
「わざ…わざ…」
これってやっぱりホラーですよ。その恐怖を単に自分が怖いということだけでなく、見抜かれた相手のビジュアルにまで反映させるというのが漫画にしか出来ない演出。
みすぼらしい身なりにほとんど妖怪のような容姿。というか作品が違いえば完全に妖怪や化け物の類に変身するやつです!これは子供の頃に見たら夢に出るパターン。ガチでヤバいです。
苦手な人には閲覧注意なので気を付けてくださいね。
太宰治が好きでもホラーが苦手って言う人は読まないほうが良いかもですね。
最後に
やっぱり何度もリメイクされている作品には訳がありますね。シンプルに素材として面白い!周りと上手く折り合いが付けられないで、不器用に生きるしかない男の生き様。
そして、それをホラーテイストを組み込んで蘇らせる。 読む価値ありです。私は、本編の内容を忘れつつあるので復讐の意味合いも兼ねて読んでみました。
おすすめ!